「ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由」をどう生活にいかすか。

記憶競技の種目
○50行の詩を記憶
○99人の顔写真と姓名を記憶
○300の単語を15分で記憶
○1000個の数字を5分で記憶
○シャッフルしたトランプの順番を5分で記憶

共感覚をもつ人間がいる。知覚どおしが奇妙に繋がっている。
音の色、手触り、味などを感じる。
彼にとっては、数ですら、個性がある。1は勝ち気でガッチリした体つきの男性。2はつらつらとした女性。3はふさぎ込んだ人。
「熊」「トラック」「大学」「靴」「ドラマ」「ゴミ」「スイカ」という単語を覚えるとき、いったことのある通りや場所、自宅を頭のなか出歩きながら一つ一つのイメージを異なる場所に並べていくところを連想する。
忘れるための秘訣は、その情報には意味がないと信じること。

名前を覚える
ジョシュア・フォア→助手、4を思い浮かべて記憶。

マジカルナンバー7と言って、私たちの能力には限界があり。一度に7つ(±2)のことしかできない。これを増やすチャンキングという技術がある。
HEADSOULDERSKNEESTOES←覚えるの大変。HEAD(頭)SOULDERS(肩)KNEES(膝)TOES(つま先)←これなら簡単。
「HEAD,SOULDERS,KNEES,TOES」という歌を知っていたら、一塊として覚えられる。
120741091101←覚えるの大変。12/07/41、09/11/01と分ければ真珠湾攻撃・アメリカ同時多発テロの日付という一塊として覚えられる。つまり、チャンキングをするときには、すでに覚えていることによって覚えられることが決まってくる。チェスの達人は長期記憶の中に保存した膨大な棋譜のパターンを使ってチャンキングしている。

記憶の宮殿
todoリストを暗記してみよう。
リスト「ガーリックのピクルス」「カッテージチーズ」「ピートでスモークしたサーモン」「白ワイン6本」「靴下3足」「ソフィアにE-mail」これをイメージの中のよく知っている場所(宮殿)に置いてくる。思い出すときは頭のなかで歩く道をもう一度たどればいい。

実家に置いてくる(著者の)。
駐車場に「ガーリックのピクルス」を置いてくる(心地よい香りをイメージし頭に広げる。たべているところを想像しその香りを舌で味わってみる。それを実家の)端でやっているところを想像する。
玄関に「カッテージチーズ」を置いてくる(子供のプールくらいの大きさのカッテージチーズを思い浮かべる。スーパーモデルがカッテージチーズの浴槽で遊んでいるところを想像する)。面白くて下劣で奇想天外なほどいい(擬人化した喋るワイン・ゾッとするほど古くて臭い靴下など)。ジョークとセックスは特に記憶に残る。
「スモークサーモン」「白ワイン」「靴下」も同じように部屋の中に置いてくる。
「ソフィアに、E-mail」は憶えにくい。ことばが抽象的であればあるほどそうである。E-mailを送るシーメール(ニューハーフ)を想像する。パソコンのキーボードを打っていて、その膝にソフィア・ローレンが座っているイメージを置いてくる。
あとは先程のべた通り置いてきた道を記憶のなかで歩くと全部思い出せる。

詩を記憶する
記憶についての最古の論文には、物事の記憶と音符の記憶の2種類の記憶、つまり、事柄の記憶と、音節の記憶の2種類についての言及がある。「言葉を記憶」するのは、効率が悪く安定性にかける。脳は言葉を完璧に記憶するのが得意ではない。特別なトレーニングをしない限り、私たちの記憶は全体像だけに集中する。
1920年当時ミルマン・パリーという学生が、カリフォルニア大学バークレー校のしゅうし論文でホメロス(紀元前8世紀末の西洋人。西洋文学初期の詩「オデュッセイ」「イリアス」の作者と考えられている)の作品について、この叙事詩は口頭で伝承されていたと言及。韻を踏んでいる単語は・具体的な名詞・動的なイメージはそうでないものより憶えやすいし、頭韻は記憶をたすける。そして、最も役に立つ記憶のツールは歌である。だからABCの歌などがある。「ヘレンニウス」の著者は、詩の言葉を記憶するのに最適な方法は、全体のイメージを描く前に、1つの行を2~3回繰り返し読んでみることと述べている。
文字を視覚化するテクニックもある。「And」は「○」(Andの韻はドイツ語で「丸い」を意味する「rund」に似ている)に「The」は「ひざをついてあるいているイメージ」(ドイツ語で「the」に相当する「die」は「ひざ」を意味するドイツ語「Knie」と韻が同じ)に置き換え、ピリオドまで来たらその場所に釘を打ちつけるといった具合に。この方法は古典的なもである。14世紀イギリスの神学者であり数学者でありのちにカンタベリー大司教になったトマス・ブラドワーディンの上級テクニックもある。単語を音節に分け「ab-」という音節にはabbot(大修道院長)、「ba」にはbalistarius(石弓の射手)のイメージを結びつける。それをつなげば、音節の鎖は一種の判じ絵パズル(スウェーデンのポップグループABBAがabbot(大修道院長)として招かれ、石弓の射弓に撃たれる図)のようになる。
世界記憶力選手権に15歳で出場したオーストリア出身女性コリンナ・ドラシュルさんの、言葉と感情を結びつけるテクニックもある。
文章の感情を掴み、詩を小さなチャンクに分け、それぞれのチャンクに「感情」を割り当てる。「冬はどんな感じがするとか、作者は何を言いたいのかを感じとる」「この人は幸せなのか悲しいのか、想像する」。この技術は俳優が使う方法に似てる。20世紀になるころ、ロシアの俳優、コンスタンチン・スタニスラフスキーによって編み出された「メソッド・アクティング」と呼ばれているこの方法は、台本を感情的・身体的刺激の体系に埋め込むことによってより取り出しやすくするものなので、台本自体も記憶しやすくなる。実際「ペンを拾う」という文を覚えるときに、本当にペンを拾いながら憶えると記憶に定着しやすくなることが研究によって示されている。

数字の記憶に使える、記憶の宮殿の応用。
1648年頃にヨハン・ウィンクルマンが考案した「数字変換法」か使える。これは、コードを使って数字を音に変換する方法だ。
例えば数字の32はMZ33はMM、34はMR。必要に応じて母音を自由に入れて意味のある単語にする。32はman、33はmomなど。これを記憶の宮殿に置く。
PAO「Person-Action-Object」という方法もある。あるオブジェクト(O)とあるアクション(A)をするあるパーソン(P)という1つよイメージを示される。例えば34はマイク(O)に向かって歌う(A)フランクシナトラ(P)という1つのイメージ。これは数字とPAOは自由に決めることができる。

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