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第1四半期決算は総じて良いが投資家の反応は冷淡

<第1四半期決算の総括>

1 . 結論は、決算は良ったが、その後の投資家反応はやや冷淡だった。これまでにSP&500の採用銘柄の60%決算発表を終えて、その内の86%EPSベースで予想上回り78%売上高ベースで予想上回っている。
2 . ポジティブサプライズを出した翌日株価は平均すると+0.9%で、それ程株価跳ねていない例年、ポジティブサプライズを出した後の株価は平均+.8%上昇しているので、今回の+0.9%は例年とほぼ変わらなかった。だから、マーケットは “好決算に対して熱烈には反応していない!” と言う事。

<GAFAMは全て好決算だった>

1 . 好決算を発表した後の投資家の反応は、上記のようにいまひとつだった。
2 . その結果として、もう半年以上GAFAM株価的には横這いの推移をしていて、マーケット全体に占めるGAFAMの占有率が、かなり下がってきている。例えば、去年8月末時点でのSP&500指数に占める割合現在占める割合とを比較すると、アップル(AAPL)は7.3% ⇒ 5.9%まで下がっている。マイクロソフト(MSFT)は5.9% ⇒ 5.3%下がっている。アマゾン(AMZN)は5..0% ⇒ 4.3%下がっている。何が言いたいかと言うと、“GAFAMの過熱感は随分取れた!” と言う事が言いたい。

<GAFAM個別の決算ハイライト>

アップル(AAPL):第1四半期決算、EPS予想98セントに対して結果1ドル40セント、売上高予想768億ドルに対して結果895億ドル、売上高成長率(前年同期比)+53.6%、アイフォン、ウエアラブルよく売れている。
アマゾン(AMZN):第1四半期決算、EPS予想9ドル55セントに対して結果15ドル79セント、売上高予想1046億ドルに対して結果1085億ドル、売上高成長率(前年同期比)+44%非常強い決算だった。
アルファベット(GOOGL):第1四半期決算、EPS予想15ドル64セントに対して結果26ドル29セント、売上高予想514億ドルに対して結果553億ドル、売上高成長率(前年同期比)+34.4%、良い決算だった。グーグルリサーチ、YouTube好調です。
フェイスブック(FB):第1四半期決算、EPS予想2ドル32セントに対して結果3ドル30セント、売上高予想236億ドルに対して結果262億ドル、売上高成長率(前年同期比)+47.7%強い数字でした。広告単価の上昇が売上げを牽引している。ガイダンスとして、“第2四半期の売上げは、第1四半期のペースか、もしくはそれ以上のペースで拡大する“ と言うコメントが出ていた。フェイスブックは、ガイダンスを思い切り抑える企業で知られているので、それが少しでも強気な事を言うのは非常に珍しい。だから今回のセカンドクウォーターのガイダンスは非常に強いガイダンスだったと思います。
マイクロソフト(MSFT):第1四半期決算、EPS予想1ドル77セントに対して結果1ドル95セント、売上高予想408.3億ドルに対して結果417億ドル、売上高成長率(前年同期比)+19.1%、これも非常に立派な数字だった。(セミナー時間10:15)

<個人的に気になった質疑>
Q1、AI.一時期の株価を比べれば、かなり割安かなと思いますがどうでしょうか?(ライブ時間21:38)

A、シースリー・エイアイ(AI)略してC3AI:はい、その意見と同じです。CA3Iの決算発表は5月14日予定なのですが、暫らく前にベーカー・ヒューズ(BHGE:チャートなし)という石油サービスの会社が決算発表をしました。部門別売上高の項目の中にデジタル売上高という項目が有って、それが今期は良い感じでアップしていました。何故それに注目するか?と言うと、ベーカー・ヒューズは石油掘る時のドリルビットを作っている会社で、ドリルビットの中に多くセンサーが組み込まれていて、石油を掘削する為の情報をそのセンサーから貰うという形でAIが応用されています。ベーカー・ヒューズは多くのAIをやっているので、デジタル売上高という項目の分類で、AI売上げ傾向得る事ができます。そしてベーカー・ヒューズの決算発表の方が、C3AIの決算発表よりもかなり早いので、ベーカー・ヒューズの決算を見ればC3AI決算も、ある程度の予測がつくと言えます。今回、ベーカー・ヒューズのデジタル売上高期待以上に良かったんで、たぶんC3AIの次の決算も、それなりに良くなるんじゃないかなと、僕は考えています。
「備考」ベーカー・ヒューズ(BHGE):元々、ゼネラルエレクトリック(GE)の1部門だったが、そこからスピンオフされて独立した会社。ゼネラルエレクトリック自体が航空機のエンジンやガスタービンとか、いろんな工業製品を作っていて、その中でセンサーなんかを駆使して、AIソリューション、例えば、航空機エンジンが古くなり金属疲労でジェットエンジンのブレードが飛びそうだと、そろそろエンジンを交換した方が良いとか、そういう事をAIが教えてくれる。そのようなアプリケーションにゼネラルエレクトリックは物凄く注力していたけれども、リストラクチャリングによって、回転機器のビジネスは全部ベーカーヒューズに行ったんですね。そういう歴史的経緯が有ります。

Q2、ランダムウォーク理論は株式市場において、どのような位置付けなのか?、見解をお聞きしたいです(ライブ時間35:18)

A、1.「“ランダムウォーク理論“ ってなに?」・・今なんかはとりわけ、ランダムウォークセオリーが説得力有る局面だと思うし、それなりに重要視されていると思います。決算良かったのに株価が上がんない。もう織り込み済みじゃないか?、とかね。そう言う相場でしょう、いま? しばらく前の事を思い出して頂ければ、何を買っても儲かる、そして、ちゃらちゃらしたテーマとかストーリーとかを出してくれば、ロビンフッド銘柄とか、EV関連とか、ソーラーパネルとか、そう言うエキサイティングなストーリーだったら、買えば面白いように儲かった訳でしょう? そう言うテーマ株が面白いように儲かる環境は、投資環境的な言葉で翻訳すれば、ランダムウォークセオリー通用しないマーケットだった訳ですよ。だって、EV株が絶対に上がるんだったら、それはランダムじゃないでしょう? “ランダムウオークと言う限りは、何を買っても上手くいかない” と、それがランダムウォークと言う事でしょう? だからダーツを投げた方が、そう言う当てずっぽうの方が勝ち易いってことね。ファンドマネージャーが猿に負けるって言う状況、それがランダムウォークってことですよ。それに関してもう一言言えば、今日みたいな状況ノーマルで普通の状況なんだよ。だから今日の株式市場は去年の異常な状況から、普通の状態に戻っただけなんですよ。いつも言っているように、”マーケットはそんなに簡単じゃない!”
2 . 「ランダムウォークがノーマルなマーケットなら、個人投資家(素人)はどう対処すればいいの?」
1 . 十分な分散、投資対象の分散だね、十分な分散をして下さい。だから “VTI(SP&500を含む全米3600銘柄ETF)も重宝しますよ” って、半年ぐらい語気強めて話してきたと思うけど、それはこういうマーケットを予期していたからですね、だからそういう案内の仕方をしたわけです。
2 . そろそろ、ファンダメンタルズとか、バリュエーションとか、そういったものに気を配った方が良いと感じます。今のマーケットは、我々的には儲かっていない、儲からない相場と言う認識なんですが、“一般個人投資家さんしてみれば、それどころじゃないよね、滅茶苦茶損しているマーケットでしょう 滅茶苦茶損しているマーケット!” 例えば最近で言えばコインベース(COIN)とかさ、あるいはSPAC関連銘柄とかさ、燃料電池とかさ、滅茶苦茶損している訳でしょう? クアンタムスコープ(QS)とか、テスラ(TSLA)ですら全然儲からない相場になっているわけで、そういうときにね、“なにがあなたを救ってくれるか?” と言うと、それは ”良い決算出す会社!” だと、僕は思うのね、なので良い決算の銘柄中心に買っていくと言う事が、今ほど重要な時はないと思います。
「備考」ETF:Exchange Traded Fund の略で、日本語では上場投資信託のこと。

Q3、 PINSの下落は、前回の決算が良すぎた事と、現在のグロース株に対する冷めた地合いによるものと解釈して、宜しいでしょうか?(ライブ時間42:45)

A、ピンタレスト(PINS)1 . 第1四半期決算の数字を確認しておきましょう。決算良かったです。第1四半期決算、EPS予想7セントに対して結果11セント、売上高予想4.71億ドルに対して結果4.85億ドル、売上高成長率(前年同期比)+78.4%来期ガイダンスは売上高予想5.22億ドルに対して新ガイダンスは5.58億ドル、だから数字的には全然問題ないですね。
2 . 大きな問題ではないと思うが、しいて言えば、アメリカ国内でのアクティブユーザーの成長率が低く海外のユーザー成長率が非常に高いことですね。ユーザー当たり単価、つまり、アールプウARPUですが、海外のアールプウは非常に低く収益多くはアメリカ国内アクティブユーザーによるものです。引き続き売上げ増やしていく為には、なぜアメリカ国内でのユーザーが頭打ちなのか? そして海外のユーザーが増えた場合アールプウをどうテコ入れするのか? そういう事に関してアナリストから結構質問が出ていました、カンファレンスでね。
3 . ピンタレストサービスについて説明すると」・・いろんな画像をユーザーが収集する、集めるんです。このデザイン良いね、このアイデア良いね、それを保存しておく。そう言うサービスです。だから英語で言うとontemplateコンテンプレイトという英語になります。日頃から消費者が心掛けて、あっ、これ保存しておこうと、思ったイメージとか、アイディア保存しておくサービスです。その性格上、行き当たりばったりで、その場限りの刹那的、瞬間的な訴求と、かなり広告出し方違うんですね。例えば、出先お昼ご飯、お腹減ったな、この辺りで何か良いレストランないかな? と言う時に、スマホ出してきて地図情報から、この辺のレストラン予約してみようかな? これは非常に刹那的と言うか、その場限りと言うか、そう言う使い方なんですが、その対極に位置するのがピンタレストサービスです。
4 . 「ピンタレストは、ひょっとすると経済再開に弱いんじゃないか?」・・一部のアナリスト懸念として、経済再開局面では他のウエブサービスよりも、ピンタレストはアンダーパフォームするんじゃないか と言うことが有るんじゃないかと思います。
この前の決算発表後、株価大きく下がった理由と言うのは、それだったと思います。でも足元の業績ガイダンスを見る限りは、そういう数字には全然なっていないよね。売上高成長率+78%で、来期売上高ガイダンスも+105%なんでしょう? だから全然数字は悪くない訳ですよ。むしろ、フェイスブック(FB)よりもピンタレスト(PINS)の方が、数字は良い訳ですよね。だからやや投資家誤解しているんじゃないかな と僕は思います。
「備考」・ARPU(Average Revenue Per User):ユーザー平均単価。エーアールピーユーと読むが、まれに “アールプウ” などと発音することもある。計算方法:ユーザー平均単価(ARPU) = 正味月次(年次)収益 / ユーザー数
訴求(そきゅう):主に広告・マーケティングの分野において、売り手が消費者の欲求へ訴えかけて利用や購入を促す、需要を喚起する、といった意味で用いられる表現のこと。
(At 2021年5月5日配信)

<あとがき>
昨日2021年5月3日午後11時:ハイパーグロース株に、“又、ナイフが落ちてきた!” 2日連続で・・1日で10ドル以上下げた株:テスラ、ロク、ドキュサイン、ズーム・ビデオ、スクウェア、アドム、など・・トレード・デスク-35ドル/日、アマゾン-83ドル/日・・
今年の3月、“落ちてきたナイフ素手掴んで大怪我をした 経験がある。今回は、ニューヨークが開いて1時間位で異変に気がついた。
レーダースクリーンの株価、ハイパーグロース株の落ちていくスピードが違う、速い!すぐに気がついた、 “こらアカン!今日はどこまで落ちるかわからん!”
すぐに決めた・・とに角、利益が出ている株も、損している株も、全部、キャッシュに替えて避難するしかない・・ちょっと慌てたけれど、大した資金でやっていないから、すぐに終った。
翌朝見たら、避難したのは正解だったよ。”ナイフが落ちてくる” って、何回もあるんだね・・株って怖いよね・・でも面白い。
15年以上競馬やっているけど、株って結構ギャンブルだよ、間違いなく。
今日、ナイフは地面に落ちて止まるかな? それとも、まだ、落ちてくる
途中かな・・株式投資?むつかしい・・広瀬さんに同感して、苦笑いだね。以上


サポート有り難う。個人的に関心の有る事柄しか文書化しません。ランダム発行です。私の資金はポケットマネーの70~80万円なので小額過ぎて、優良大型株には手が出ません。1銘柄で10株くらい持たないと、貧乏臭く気分がしみったれるので、いつも手頃な30~50ドル/株の銘柄に目がいきます。