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のら庭っこ便り#008 2023 6/25 壱 交錯するタイムライン
草整理をしているだけでエプロンの色が変わるほど、汗をかく季節になりました。
イチゴのランナーを抜きながら、インゲンを採りながら、写真を撮る。
4月上旬に畝のあちこちに撒いた、保存期限を過ぎた古い種。
やっぱりムリか、と勝手に思っていたミニニンジンやルッコラが、気がつけば葉を広げ、根を太らせています。
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春の嵐で2本とも折れてしまったアスパラもあたらしい芽をだし、ホッとしました。
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インゲンは、つるありも、つるなしも、どちらも収穫期に突入。
育てやすいのに子どもたちは苦手な野菜なので、茹でてみじん切りにして、チャーハンなどに混ぜて食べます。
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ネギ坊主は、タネが熟してくると、悟りを開いて螺髪(風)に変身。
本物の螺髪は、右巻きの渦巻きで、人間を超えた存在のサインなのだそう。
ネギ坊主の螺髪風ヘッドは巻いていませんが、ネギを超越した存在となったその佇まいは、尊いです。
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この十二単ばりの着物をそんな風に扱うなんて失礼ね
(脳内一人芝居)
一方、これから実りへと向けて頭を出そうとしているのは、トウモロコシ。
インゲンの支柱として混生したのに、背丈は追いついたものの、インゲンのつるにはなぜか無視されています。
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気持ち、伝わるかしら?
つるといえば、ヤマイモ、ウチュウイモ、ムクナマメが集まる、つる性植物を集めたエリアは、右の支柱と左の支柱をつるがつなぎ、ゲートが完成。
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ちょっと、かがまないと通れない。
でも、そういうささやかな冒険ぽさが好き
そのとなりではコンフリーに続き、フェンネルも巨大化。
コモンマロウが押し出されてちょっと気の毒な風景に…。
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ごめんね…!
ここを使い始めて3年。最初の年に豊作だった以降、あまり背が伸びないオクラ。
今年は違う種類も植えてみるも、小さいまま結実が始まりました。
がんばれ…!
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株小さいから採ればよかった…!
先週植えたさつま芋の苗は、定着して葉が起きてきました。
少し虫に食べられていますが、植えたときはしなしなのつるがシャキッとしてくるのをみるのは、とてもうれしいです。
去年はナス科の野菜を植えていた畝で、周りにはそのとき一緒に植えたニラが残っています。
ヒガンバナ科(ニラ)とヒルガオ科(サツマイモ)、相性は分かりませんが、仲良くやってほしいです。
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ニラは虫に食われないので、虫が多い時期にはその逞しさが際立つ。
毎週しっかり整理しないと、畝に広がってしまうイチゴのランナー。
クジみたいで、ランナーを引っこ抜くのは楽しいのですが、時間も一番かかります。
イチゴは作業のご褒美。
お弁当をうっかり忘れたとき(今日)は、貴重な食糧です。
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直射日光を浴びたホットイチゴは甘いです。
ミルクを持ってこようと思って毎回忘れる
だいぶ前から生えていたけど、暖かくなって急に大きくなった野菜も。
不耕起でまだ地力がないのら庭は、肥料を入れて耕した圃場とは違う時間が流れているのでは?と感じるほど成長スピード、タイミングが違います。
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食べたいけれど、食べるともう見れない
(そしてここにも、左手前と奥にニラ)
土が豊かになるには10年かかるとも聞きます。
ここは元々圃場の隅で、空気や水の通りが行き止まっているという点で、土中環境にも偏りがあるように感じています。
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芽が出ないからモロヘイヤを植えたら、今になって育ってきております
冬には、「大地の再生」の本を読んで、穴を掘り、一昨年ここで炭焼きした竹炭を詰めました。
空気の通りが悪い畑には、空気穴を作るモグラが増えるという話を聞いたことがありますが、
その点でいうと去年よりは、穴が減った気はします。
去年は苗を植えようとするたびに、ズボッとモグラの通り道にヒットしていましたが、今年はそれほどでもないような…。
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人参は、これまでミニでもほとんど根が太らなかったので、うれしい
野菜はなかなか大きくならないのに対して、ハーブ類や花類はよく育っています。
ニゲラは花が終わり、風船のようなタネの時期に突入。
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去年植えたコスモスは、零れ種が広がりすぎて、逆に一部を残して片付けています。
風向きのせいか、ニゲラよりも広範囲に生えてきたので、よそに行かないよう、外側のものはタネになる前に花を採ってしまう必要がありそうです。
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一方マルチにした落ち葉に混じっていたのか、おそらくどんぐりが去年から一番隅っこでひっそり育っています。
大きくなりすぎないように気をつけつつ、こっそり成長を見守っています。
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わかるようでわからない
同じく、隅っこを陣取り、こちらはすでに巨大化の限りを尽くしてしまったコンフリーは、バッサリ外側の葉を刈り取り、草マルチに。
コンフリーはパーマカルチャーでは、育つ速度が速く、窒素を多く含み、堆肥化も早いことから重宝され、本でもよく言及される植物。
来週、草マルチの様子を観察するのが楽しみです。
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命のバトンを渡すもの、ようやく目を覚ますもの、土に還っていくもの。
季節は夏に向かうなか、重なり合うタイムラインのリズムをぼーっと眺めていると、
のら庭の風景が、長すぎて全体を捉えることはできない、長いオーケストラ曲の楽譜の一小節を見ているような気分になります。
楽器のひとつにすぎない自分には、その曲を聴くことはできませんが、想像するだけで満たされた気持ちになりました。
次回「弐」では、虫たちの様子を書きます。
虫、ちょっと苦手だけど、少しずつ慣れていきたいという方にも読んでいただけたらうれしいです。
自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。