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【クイーンS考察】欧州型の"タメ"と"ノビ”が問われる

クイーンSを血統とラップからアプローチしてみよう。
どの競馬場も馬場が良くなり、時計が早くなろうとも各競馬場ごとに特徴が出るのがやはり競馬のおもしろい所。馬場、枠は考慮せず過去の傾向から今年のクイーンSを考察してみよう。


クイーンSの血統的傾向

まとめの意味で簡単に。(血統は父×母父の表記)
2022年
1着テルツェット ディープインパクト×Danehill Dancer
2着サトノセシル Frankel×Observatory
3着ローザノワール マンハッタンカフェ×Awesome Again

2021年(函館開催)
1着テルツェット ディープインパクト×Danehill Dancer
2着マジックキャッスル ディープインパクト×シンボリクリスエス
3着サトノセシル Frankel×Observatory

2020年
1着レッドアネモス ヴィクトワールピサ×サクラバクシンオー
2着ビーチサンバ クロフネ×サンデーサイレンス
3着スカーレットカラー ヴィクトワールピサ×ウォーエンブレム

大まかな枠組みで言えば、欧州的な要素を足してあげる事と大系統ノーザンダンサー系がもちろんあついという事だろう。

サトノセシルはわかりやすいFrankel×Observatoryでゴリゴリの欧州系配合。日本の芝でも勝ち上がる事ができ、適性条件に出てきて才能開花。

ローザノワールはマンハッタンカフェは欧州色が強いサンデー系だし、母母父はSadlers Wells。母母パルムドールの兄弟には凱旋門賞3着、サンクルー大賞勝ち馬がいる。欧州色を足してあげたような配合。

リピートしているテルツェットの母父Danehill Dancerは欧州を代表する種牡馬。

他にもミッキーチャームの母父はDansili、カリビアンゴールドの母父CapeCross、ディアドラの父ハービンジャーと欧州型のDanzig系も良いし、シンプルにフロンティアクイーンの父メイショウサムソンや過去ならアイムユアーズ、スピードリッパーの父ファルブラヴ。

こんな具合で欧州を補強された血統で日本の上級条件まで適応している馬がガンガン走りまくっているレースなのだ。

実におもしろい。

欧州的な伸びと持続力が担保されているか

サトノセシルはザ欧州として、他の日本らしさも兼ね備えている中でどうやって取捨していくか。ひとつ言えるのは、前で粘り込めるタイプではなく、道中はゆっくり行き、持続力が発揮できる馬なのかどうか確認したほうが良い。

欧州血統であれば、広いコースの上級条件の外回りであがり上位で好走した事があるかが大切。

小回り巧者を選びたくなるが、小回りよりも上級条件で外回りで好走した事がある馬が良いのだ。

2022年でいえばテルツェットは外回りのダービー卿で勝ち、東京都の条件戦もあがり最速で勝っている。ローザノワールはヴィクトリアマイルを逃げて直線脚を伸ばし4着といったように、過去に遡ってもこれは血統もだが取捨選択するには大切な要素だと考える。
2020年レッドアネモスはスイートピーSで逃げて好走し、京都外回りの白百合Sで上がり上位で勝っていた。ビーチサンバ、スカーレットカラーも言わずもがな。
2021年ミッキーチャームは阪神牝馬S勝ち。カリビアンゴールドはスイートピーS上がり最速で2着。

今年の出走馬の推奨馬

枠も何も出ていない中でだが、血統だけでいえばトーセンローリエは注目だろう。

父は今年のダービー馬を出したサトノクラウン。母父はメイショウサムソン。
ノーザンダンサーを補強している。ただこの馬は取捨の際に示した、上級条件の後半加速ラップを好走していないという点がひっかかる。アネモネSも外回りだが、前半のラップが早い前傾ラップを先行して勝っている。上がりの脚は未知数。

峠を超えているかもしれないが、ミスニューヨークもあげておこう。父キングズベストは英2000ギニーの勝ち馬で産駒にワークフォース、エイシンフラッシュといった大物を出している。母父マンハッタンカフェと欧州色は強めの馬。6歳にして北海道開催は初。白百合S供与と外回りを上がり上位で好走歴あり、中山外回りのマイルをあがり上位で好走歴ありと、クイーンS好走の条件は満たしている。
あとは斤量とピークアウトしているか、していても足りるか。という所だろう。



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