初心者にお勧めするネオロマンス作品

Twitterでひとりブツブツ呟き続けること数か月、こんなマシュマロを頂いた。



こんなうれしいことある~~~~~~~~!?!?!?!?!?!?

Twitterっていいものだなあ。続けてみるものだなあ。こうして誰かを幸せに導くことが出来たよ(宗教)。

と言った感じでしばらくベッドの上で喜びの舞を踊っていたのですが、その次の文を見てスン…と真顔に戻りました。

「今からネオロマンスを履修する初心者におススメの作品はありますか?」


あるよ!めっちゃある!すぐに思いつきすぎるくらいある!!!!

でもちょっと待ってほしいんだ。考える時間が欲しいんだ。もっと贅沢言うならマシュマロ主さんにデパコスのカウンターの肌カウンセリングのごとく聞き取り調査をさせてほしい。そしたらおススメの一本を瞬時に選んだうえでプレゼントするからさ!初回無料で!

と思いましたが、勿論押しかけるわけにはまいりませんので、無い知恵を絞って考えてみました。といいますのも、ネオロマンス作品が「ゲーム」という媒体である以上、ある程度の環境(ハード)とプレイする手間(時間)が必要だからです。この二つにおいて、どれくらい自分がゲームに費やすことが出来るか?ということをあらかじめ判断したうえで選んだほうが格段にプレイストレスが減ります。ネオロマンス作品は他社製品とは違い、ノベル形式ではないのでなおさらです。最初は漫画版やアニメ版から、という手ももちろんありますが、マシュマロ主さんはすでに履修済みとのこと。

というわけで、今回は以下の二点に関して考えつつ、それぞれの場合におけるおススメゲームを考えてみました!

・どんなハードを所持しているか

・どのくらいのゲーム体力があるか

この2点はゲーム選びに関してかなり重要なポイントだと思います。他の方がまとめられている「おススメ乙女ゲーム10選」とかだと「切ない系が好きな方に!」「甘い系が好きな方に!」とかシチュエーションで評価されがちですが、ネオロマンス作品は「男女の恋愛」を含んだエンタメ作品として徹底的に真摯に作られていますので、物語の部分で惹かれる部分がないということはないはずです。私はネオロマンスを信頼している。多分大丈夫(言い聞かせる)。まあそれでも合わなかったらすみません…


ネオロマンスが作品を展開しているハードとしては第一に現行唯一の携帯機Nintendo Switch、そしてプレイの快適性とグラフィックの美麗さではナンバーワンのPlaystaion Vita、ソフトの充実っぷりでは随一のPlaystation Portableが挙げられます。

Nintendo Switch

スイッチの場合、伝統的にハード移行が遅い乙女ゲーム業界の例に漏れず、ネオロマンス作品はそこまでまだソフトが充実しているとは言えません。現在(2020年6月)に発売済みのスイッチソフトは2本、

・金色のコルダ オクターヴ


・遙かなる時空の中で6 DX


です。このうち上のオクターヴは金色のコルダのキャラが大集合する音ゲ―、例えるならアベンジャーズとかスマブラみたいな感じで、初心者向けというよりは歴代ファン向けのファンサービスといった面が強い一本。マシュ主さんの場合漫画コルダを履修済みとのことですが、断片的にしか漫画化されていない3のキャラクターもガッツリ登場しますので、最初の一本としては不向きかなと思われます。

というわけで、スイッチを持ってるあなた、もしくはこれからあつ森やるために買おうかな、と思ってるあなたにおススメの一本は「遙かなる時空の中で6 DX」になります!

2015年にVitaで発売された「遙かなる時空の中で6」を続編の「幻燈ロンド」と合わせて一本のソフトに纏めたお得なソフト。今から始める人はこちらから始めると手間が省けてらくちんです。遙かシリーズのナンバリングタイトルはそれぞれ独立しているため、6から始めても全然大丈夫!舞台は大正時代。異世界に召喚されたごく普通の女子高生梓は、「龍神の神子」と呼ばれる、唯一怨霊を倒せる存在。元の世界に帰還するべく奮闘することになるのですが…?

ネオロマンスの持ち味である、「細部までつくりこまれた世界観」「優美で繊細なキャラデザイン」「ドラマティックかつ整合性のとれたストーリー」が最大限に楽しめる秀作です。キャラクターたちの鮮やかかつ優美な色彩と、影絵のような背景、繊細なデザインのUIはため息が出そうなほど美しい。特にスチルはキャラクターデザインの水野十子先生自ら作画されているので、ネオロマンス作品の中でもトップクラスの完成度。見ているだけでも楽しいです。スイッチなので画質も音質も操作性も完璧と、文句の付け所がありません。

もしあなたがスイッチを所持しているのであれば、間違いなく最初の一本にふさわしいでしょう。後で述べますが、コンプリートにかかる時間も歴代の中では低く抑えられていますので、ゲーム体力が低い方でも安心です。


Playstation Vita

優れた画質と音質、そしてなによりPSP特有のシャー音がなくなったことによる快適な操作性と、豊富なソフトラインナップを兼ね備えて今ネオロマンスを遊ぶには最も適しているといえるVita。選択肢が多い分、自分のライフスタイルに合わせてソフトを選ぶことが出来ます。ここで第二のポイント、ゲーム体力の有無が出てくるのです。

ゲーム体力とは何か?それはゲームをプレイし続けられる体力のことを指します。それは一概にゲーム経験の有無で決まってくるものではなく、様々な要素が存在します。例えば、

①プレイ時間を確保できるか

②戦闘、育成などのゲーム性があっても続けられるか

③同じゲームをコンプリートのために続けられるか

などなど。①は社会人であれば死活問題です。ゲームをせっかく買ったのに、遊ぶ時間がなくて積んでしまうのはよくある話。頑張って手を付けても、あまり長いと途中で飽きてしまうこともありえます。せっかくの休日、身体を休めるのに使いたい。

また、完璧にコンシューマーゲーム初心者、ゲームは日頃スマホゲームしかやらない、といった人にとっては②は思わぬ壁になります。例えば遙かなる時空の中でシリーズは性質上戦闘が入りますが、完全にゲームをやったことがない人にとっては慣れるまでに戸惑ってしまうことも。①との合わせ技でダメージを食らうこともあります。すなわち、「読むだけだったら大丈夫だけど、作業はしんどくてムリ」などです。

③は乙女ゲーム特有の問題です。ストーリーをフルに楽しむためには全員分の攻略が必須。でも同じゲームを何回もやるのが面倒くさい…といった割と切実な問題。とはいえネオロマンスゲームは同時攻略が可能なので、ある程度解決できる問題でもあります。まあ、慣れは必要ですが。

というわけで、これらの要素を踏まえて三種類のおススメを用意しました。自分がどれくらいのゲーム体力だろう…?ということをある程度考えてみてから、自分に合ったゲームをプレイしてみてください!あ、Vitaは生産終了しちゃったんですけど、中古で探したらまだまだ見つかると思いますので…!


ゲーム体力:低の場合

ゲームに費やせる時間はスキマ時間や休日、乙女ゲームやるのも慣れてないし、できれば早めにエンディングに入れて、作業も少ないほうがいいな。読み進めるだけでエンドに行けるなら安心かも?というあなたには、

下天の華with夢灯り 愛蔵版

が断然おススメ。PSPで2013年に発売された「下天の華」を続編の「夢灯り」とセットにしたソフトになります。主人公は戦国時代の忍び。ワケあって明智光秀の「妹」として安土城に滞在することになり…といったストーリー。

「戦国無双」などで徹底的に戦国時代を研究してきたコーエーテクモゲームスが、看板作品「信長の野望」30周年記念というでかすぎる看板を引っ提げて世に放ったこのタイトル。「戦国武将との恋のときめき」と「エンターテインメントとしての面白さ」を徹底的に両立させた良作です。中でも、長年信長について考え続けてきた人たちによる「ぼくのかんがえた さいきょうの おだのぶなが」像は一見の価値があります。

システムもとてもシンプル。マップ上にいる武将にひたすらに会いに行く、それだけ。慣れない人でも安心です。選択肢ミスをしなければ確実にエンドに行けるので、慣れないうちは素直に攻略を見ましょう。ミニゲームも一回クリアしてしまえばスキップできるのでらくちん。

徹底してスタイリッシュに演出された世界観も素晴らしい。炎や風、輝く瞳が揺らめくグラフィック、ジャズやロックを基調とした音楽、そして染み渡る美しい日本語。

あらゆる点で乙女ゲーム最初の一本にふさわしい。特に今は「麒麟がくる」が放送中ですので、時節的にもふさわしいといえます。乗るしかない、このビッグウェーブに。


ゲーム体力:中

コンスタントにまとまった時間が取れるし、せっかくならある程度集中してやりたいよね!ゲームも多少ならやったことあるし、戦闘とかあっても大丈夫!なあなたには、

遙かなる時空の中で3 Ultimate

ネオロマンスが乙女ゲーム史にその名を刻んだ、不朽の名作です。ストーリー、システム、キャラクターがすべて最高水準でまとまっており、これ以上の作品は今後もなかなか出ることはないでしょう。こちらは2009年に発売されたPSP版を新規スチル+フルボイス収録でVita版に移植したもので、今から始める場合はこちらがおすすめです。

ごく普通の女子高生、望美はある日不思議な少年に出会ったことで、平安時代末期の日本に似た異世界に飛ばされます。そこでは現実世界と同じように源氏と平家が戦いを繰り広げており、現代に帰還するべく望美は「龍神の神子」として源氏と行動を共にすることになるのですが…といったストーリー。戦闘が入りますが、きわめてシンプルかつ難易度が低く設定してありますので、RPG慣れしていなくても大丈夫。

主要攻略対象が8人も存在していながら、つまらないルート、いわゆる「捨て」ルートが一つも存在しないという驚異のシナリオ構成力もさることながら、フルボイス化することによって際立つベテラン声優陣の素晴らしい演技、感動を盛り上げる音楽(つい劇伴、といいたくなってしまう)、新しく追加されたべらぼうに美しいスチルとどこをとっても満点のできばえ。生い立ち、性格、好みなど作りこまれた充実した設定のうちどれひとつとして無駄なものがなく、当時のコーエーのシナリオチームの実力を感じさせます。

難を上げるとするならば、Vita移植に慣れていないのかシステム周りが多少不便なところですが、そこを踏まえてもなお人に堂々とおススメできる一作です。何も知らずにプレイできるあなたが羨ましい。頭まっさらにしてもう一回プレイしたい。


ゲーム体力:高

せっかくゲームするんだから、腰を据えてじっくりやりますわよ!余暇の時間は全部ゲームに突っ込みますとも!作業バッチコーイ!なあなたには、

金色のコルダ2ff

個人的なイチオシ!マシュ主さんも読んでらした漫画版コルダのメンツが織りなす続編です。2となっていますが、初代の説明も冒頭でしてくれるので大丈夫。というより、漫画とアニメで初代の内容は詳しく説明されているので、多分いきなり初めてもオッケーおっけー!

ストーリーはいたってシンプル。普通科に通っていたあなたは、ある日突然同じ学校の学内コンクールに出場することに。その後、コンクールを終えて音楽の楽しさに目覚めたあなたは、いろいろあって仲間たちと一緒にアンサンブルコンサートを開くことになります。学院で日常生活を送りつつ、練習を重ねアンサンブルのメンバーを集める日々。秋から冬に移り変わる季節の中で、あなたが絆を深める相手は…?

シンプルなストーリーラインの脇で、練習を重ねることによって仲間たちと着実に関係が深まり、絆が生まれていく様子をじっくりと描いた一本。人が死なず、記憶喪失にもならず、ただ学校生活を送って音楽の練習をしているだけなのに、日々がドラマティックに彩られていく様子を描くコルダの魅力が最大限に引き出されたシリーズ屈指の名作です。秋のひんやりとした空気感、冬の凍り付くような寒々とした風が液晶越しにも伝わるような素晴らしい演出と、それらを彩るクラシックの名曲たちに思う存分浸ることが出来ます。

システムは育成方式に近く、練習コマンドを繰り返すことによって進行していきます。仲間と練習して絆を深めるか、一人でもくもくと練習して腕を磨くかはあなた次第。自由度の高さに最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてくれば自分なりのやり方が見つかるはず。システム上どうしてもプレイに時間がかかるところはありますが、その中で同時攻略など、効率のいい方法を見つけ出す楽しみもあります。

漫画版の香穂子と月森が音楽を通して惹かれあったように、音楽というかけがえのないものを通して生まれていく絆はこの上なく輝いています。わたしの生涯の推し作品です。プレイしよう。そして語ろう。


Playstation Portable

学生時代にめちゃくちゃモンハンやったからPSPは持ってますよ!というあなたは、上記に出ている作品のPSP版をどうぞ。

全部PSPで出ていますので、とりあえず手持ちのハードから初めて見るのもありです。ただPSP版はパートボイスの物が多く、ボイスを求めるあなたにとっては少し残念かもしれません。ただ、上記作品の続編「遙かなる時空の中で3 運命の迷宮」「金色のコルダ2f アンコール」などはPSPのみで出ていますので、あえてPSPでプレイするのも全然アリ!特にこの2本はPSP版との連動要素があったりするので、フルコンプを目指したいのであればPSP版もやる必要が出てくるかもしれないですね。必ずしも目指す必要があるわけではないですが。

スマートフォン

忘れちゃいけない、誰もが持ってるハード、スマートフォン。スマホ移植はコエテク的にあんまり得意でないのか商機を見出してないのか、そもそも複雑すぎて出来ないからか全然出てないのですが、唯一スマホでプレイできるのが

水野十子先生がLaLaで連載していた漫画版の原作です。平安時代の雅な世界観を見事にゲームに落とし込んだ一作。スマホ版は未プレイで申し訳ないのですが、操作性も簡単なので、スマホでやっても多分やりやすいのではないでしょうか。独特の色彩感覚のスチルは追加された分も合わせてほれぼれするような美しさです。アクラムも攻略できるよ!

上記にあげた遙か3、6に共通する「龍神の神子」といった世界観はこの作品で生まれました。友人二人と一緒に異世界に召喚された主人公あかねは、元の世界に帰還するべく、自分を守護する「八葉」と共に、怨霊と、それを操る「鬼の一族」と戦うことになる…といったストーリーです。すでにこの作品で設定がすべて出来上がっており、プレイした後に後続作品をプレイすると「あ、あれ初代の!」と楽しめることうけあいです。映画「舞一夜」は名作。ぜひ見てほしい。

あ、あと初代やったら是非2もプレイしてね!この2本はセットでプレイして完成形だよ!

と言った感じでまとめてみました。この時点で6000文字越えちゃったよ。どの作品も一回最後までプレイしてもらえば絶対好きになってもらえるはず(圧倒的な自信)なので、とりあえず自分のライフスタイルに合わせてプレイしやすいものを手に取っていただけたら嬉しいです。

ネオロマンスはいいぞ。

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