作家の頭の中をのぞいてみよう(4):風乃あむり(あむりん)先生
梧桐はついにクマを倒しました。心の中で。
このマガジンでは作家の皆さんにお話しを伺い、これから作家デビューを目指す方の参考になるような記事を提供したいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
第4回:『女王陛下は一途な恋心(きもち)をかくしたいっ!!』作者、風乃あむり先生
――こんばんは、梧桐です。今回は『女王陛下は一途な恋心(きもち)をかくしたいっ!!』の作者、風乃あむり先生(以下、あむりん)にお話を伺うことになりました。
彼女は「魔法のiらんど大賞2020 小説大賞<ファンタジー・歴史小説 特別賞>」を受賞した「ファラオは恋心《きもち》をかくしたいっ!」を改稿・改題し、デビューしています。どうもこんばんは。
あむりん:こんばんは。ご無沙汰してますー
――ご無沙汰です。こんな状況なんでオフとか開くのも難しい感じですもんねえ。声聞いたのも久しぶりで。今日はよろしくお願いします。
■友達と小説や漫画を作った小学生時代
――小説を書き始めたのはいつごろからでしょう?
あむりん:小学校高学年ですかね。小説より漫画かいてたんですよ。月刊で。一冊にまとめて回し読みできるような感じで。まとめ役してましたね。
――早い! その時点ですでに連載同人作家ですね!
あむりん:そうですねー、昔カクヨムに『光のあなた』っていう作品を挙げてたことがあって、それが小学生のころから書いてた作品です。
読んでた漫画の影響を全部詰め込んでましたね。スレイヤーズとか。髪が赤くて女っぽい主人公とか。スラムダンクとかダイの大冒険とかみたいなハイファンタジーを書こうとしてました。
――少し読んだことがあります。そうだったんですね。男装の少女と女装の少年の話ですね。
あむりん:あ、そうですそうです。当時読んでたのはなかよしからキャリアスタートして、ジャンプ系に移っていったんですが、その影響が大きいです。
あと小学生のころに髪を切っていた美容室に「ぼくの地球を守って」があって、それは衝撃的でしたね。ちょっと小学生には早かったんですけど、引き込まれました。
ただ花ゆめは雑誌では読んでなくて、なんかどっかから踏み込んだんです。天使使禁猟区とかが好きでした。中学のときは書き続けてたんですけど、高校でいったん離れて、読んではいたけど、みたいな感じになってきて、そのころは村上春樹とか読むようになってました。
■カクヨムに来てから本格活動開始!
――じゃあ再度書いたのはカクヨムに来てからですか?
あむりん:そうですね、だから五年前ですね。二回目のカクヨムコンに出したんですけど、書籍化しようとか、そういう野望はなくて、だらだらかいたものを完結させたいなあ、と思って調べて行き着いた、みたいな感じですね。
そしたらコンテストやってて、出して。勉強しようとか思ってなかったけど、投稿すると、そこから勉強しようかなという気になって。
――どういう形でステップアップしようと思いましたか?
あむりん:最初は長編をまとめる力がないなって思って、ちゃんと完成したもの、完結したものを作ってみようと思いました。
それで短編を結構書いたりしてみました。
――短編結構書いてましたよね。OLの失恋の話とか、不倫ものとか。
あむりん:そうですね。あの時は新潮社の「女による女のためのR-18文学賞」を出してみたいと思っていたんです。
コンテストで求められてたのはそんなエロい感じじゃなくて、マリーアントワネットが主役のとか、結構幅があってやりやすそうだなって。
ただ、そのあたりでどこかで方向転換して「恋に落ちた私は、彼のフォロワーになった」を出したあたりから、中高生書いてみたいなって思うようになりましたね。
――それも覚えてます。いい短編だったなって。SNSでつながった同じ学校の先輩と仲良くなる話ですね。
あむりん:そうですね。自分もTwitterやってたし、リアルな話を書いてみたいなって。最近の子供たちにある、同じ学校の先輩後輩でもともとつながりないんだけどTwitterでは関係がある、みたいなリアルを書いてみたかったんです。
――これはベンチマーク作品とかはないんですか。ありそうな気はするけど、私は似たものをあまり見たことがないですね。
あむりん:これはアイデア一発です。ズバッとかけた気がしました。カクヨムでやってた15センチにまつわるコンテストっていうので書いたんですけど、もともとのきっかけは赤坂パトリシアさんと馳月基矢さんが「スマホって15センチだね」って話をしていたんですよ。骨格は少女マンガのよくなかよしで目にしたような読み切りを使って、それを形に起こした感じですね。
――短編はやっぱり漫画からとるのが多くなりますよね。そもそも小説で短編ってあんまり本屋で手に取ること多くないと思うんですよ。
あむりん:それはありますよね。やっぱり長編が圧倒的に多い。短編っていうと漫画ってなりますね。
ここから先は
¥ 100
クマを素手で倒すためにサポートをお願いします。