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リンパ節の組織診断アルゴリズム

現状の分類では、少し考え方が古くなっているが、大枠は変わらないので一度掲載する。

(1)はじめに

反応性を含めて、リンパ節の構造全体がどのようになっているのかを把握する。基本構築は保持されているのか、そうでなければ、どのような細胞がどのような分布で増えているのか。

(2)次にリンパ腫であった場合

弱拡大でどうみえるか?細胞の大きさ、異型はどうか?に着目する。大きく以下の3パターンに分けられる。

Ⅰ.均一な小型~中型細胞が増殖する場合(blue tumor)

弱拡大で全体に青みが強く見え、多くは Low-grade B-cell lymphoma である。MCL は実際には低悪性度とは言えないが、低異型度であることが多い。HE 染色のパターンでおおまかな診断を探ることはできるが、ここは最終的には免疫染色での表現型が鑑別の決め手になる。FCM も参考にするとよい。

Ⅱ.大型細胞がびまん性に増殖する場合(pink tumor)

細胞質が豊富であるため、弱拡大で全体にピンクがかって見え、頻度としては DLBCL が多いが、T-cell lymphoma などのこともある。DLBCL では Hans 基準による GCB(germinal center B-cell)亜型と ABC(activeted B-cell)/non-GCB 亜型の区別が、主たる亜分類である。CD5 の発現状態や EBV 関連か否か、Burkittとの中間的な性質を有する場合などに気をつける。

Ⅲ.多彩な細胞が増殖する場合(Hodgkin pattern)

まず、頻度からはホジキンリンパ腫を考える。ホジキンリンパ腫には亜型があり、各亜型でも多彩な像を示すので、注意する。一方、非ホジキンリンパ腫で、多彩な細胞が浸潤する場合には T-cell lymphoma が多く、特に follicular helper T-cell(TFH)の性質を有する AITL  やその類縁であることが多い。もちろん B-cell lymphoma でも多彩な細胞浸潤を伴うものもある。この辺は形態と免疫染色を合わせて、しっかり丁寧に組織を見ていく必要がある。



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