領域外の世界みてみませんか

以前、慢性疼痛に関わる医療者の役割の一つとして、患者さんを「領域外の世界に連れ出す」ことを挙げました。
領域外の世界に連れ出す事がなぜ大切なのか考えてみたいと思います。

慢性疼痛疼痛患者の多くは痛み中心の世界に生きている

慢性疼痛で苦しんでいる方は、短い方でも数ヶ月以上、長い方では10年以上も痛みと闘って生活しています。
上手く痛みと付き合い生活されている方もいますが、痛みのため満足に生活出来ていない方も大勢います。

「痛みのせいで〇〇ができない」
「痛みがなければこうなっていた」

の様に、「痛み」が思考の中心となって、痛みの存在で日常生活の領域が狭まってしまっているのです。

領域外の世界とは

そんな、痛み中心の生活をしている患者さんを領域外の世界に連れ出すには、誰かのサポートが必要です。
自力ももちろん大事なのですが、他力も同じくらい重要です。
医療従事者がチームとして関わる事で、患者さんに小さな成功体験をつませ、

「意外と普通にできる事が多い」
「痛みはあるけど、以前と変わらぬ生活が送れそう」

という状態を目指していくわけです。

慢性疼痛患者さんにとって領域外の世界とは、以前普通に送れていた日常なのです。

以前の日常を少しでも感じられる様になると、些細な事に感謝できたりして、日常生活の中?に小さな幸せをみつけられる方も多くいます。

すると、医学的な状態としては変化ぎなくても、世界が広がる事で、相対的に痛みが軽くなることもあり得ます。

患者さんの痛みは良くならないと諦めるのではなく、少しでも患者さんの領域を広げていける様な医療者になりたいと思います。


今回もお読みいただきありがとうございます。
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