続・便座の温もりは
※一部センシティブな表現があります
今年も余す所1ヶ月。
テレビに電子レンジ、パソコンと色々な物を買い換えた1年であったが、その中でもやはりこちらのnoteを書くきっかけとなったウォシュレット、彼女にMVPを与えたい。
(勝手に性別を♀としてます)
我が家の人間は猛暑の最中でも便座が冷たいのはダメらしく、常に一定の温度で温まっている。
逆に私は生温いのが苦手なので、隙を見つけては電源をOFFにしていた。
加えて皆長便所で、必ず誰かがトイレに籠城している。
一体何故そんなに長時間トイレに居られるのか。
特に相方はドアを開けば便座に座っており、ここに住みついているのではないかと思う程である。
ある日私は階段を踏み外し、腰をしたたか打ち付けた。
いつもは気持ち良い便座のヒンヤリ感が苦痛となり四苦八苦していたのである。
私の呻き声が廊下にも響いていたのであろう。
すると、どこからともなく
『便座の電源をONにするのです···』
という少々野太い声が気になったが、とりあえずそれに従うと······
桃源郷が見えました。
痛む腰をまろやかに包んでくれる、この温もり!!
不要だと思っていた便座の温もりがこんなにも心地よいとは!!!
『はあ~~~・.♡。*んふぅ~···あぁ~~♡♡』
(官能小説ではありません(^_^;))
思わず漏れる吐息。
すると、更に野太い声で
『お尻をウォシュレットで洗うのです···水勢は中くらいが良いでしょう···』
実はこの機能も苦手で、1度も使った事が無い。
しかし今は腰が痛く身体を曲げられない。
恐る恐る···
『·········( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) ✧( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) ✧』
······クセになりそう···(By ルシウス)
本気で歓喜の涙を流していると、
ドアがス~~ッと開き、満面の笑みを浮かべている平たい顔族が。
当然分かってはいたが怪しげな天の声の主である。
人の用足し中にドアを開けるとは、神をも恐れぬ所業である。
ここでもテルマエのルシウスの如く『無礼者っ!!』と言い立ち上がろうとしたが、腰が痛くまたぞろ便座に座る事となった。
平たい顔族(相方)は
『ママもやっとこっちの世界に来たな!』
一体どっちの世界だか知らないが、ウォシュレットに1目置いた事は確かである。
この平たい顔は得意げに各機能を私にレクチャーし、
『これからは僕の事をトイレの精霊と呼びなさい』
と。
絶対呼ばないし。
第一そんな呼び名で呼んで貰って嬉しいのだろうか。
精霊は無視してその後、私は彼女に『トト子』という名前を付け(TOTO製の為)
『今日も宜しく、トト子』
と言い、本棚を作り本を持ち込み、時折トト子との会話を楽しみながらトイレタイムを満喫している。
かくしてトイレに籠城する人間がまた1人増えた訳であるが、優秀なウォシュレットを設計・設置してくれた全ての方々に感謝しながら家族とのトイレ争奪戦は今日も続くのである。
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