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音楽ライブを360°VRで撮影するということ

〜VR撮影後記 LOW IQ 01 & GANG PARADE〜

とある東京の片隅に、neno(ニーノ)という小さな会社を立ち上げまして、360°VR映像の撮影をしております。VRでライブを撮りたい!と言い出して、ようやく紹介できそうなアウトプットがあったので初note、いってみよ!

2018年12月28日、撮影を担当したLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSGANG PARADEの360° VR動画(※)が公開されました!

360°VR動画 LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS "WHAT A HELL’S GOING ON"

360°VR動画 GANG PARADE "CAN'T STOP"

仮想現実で現実のアクションを喚起させたい

VRでライブを撮るからにはできるだけ現場の観客と同じような体験を演出したい。この類の映像だと、ステージ上にカメラを設置して撮るケースもありますが、あくまでもカメラは観客側に拘りました。
フロアに置くと熱狂したオーディエンスにカメラを粉々にされるので天井に吊るし、それなりに「二階VIP席」的な見え方になったような気がしないでもない。

とはいえ、完璧に観客目線の再現ではないし、現場の空気感や隣の人の熱、腹に響く低音などは映像からは伝わりません。なので、この映像では"行ってみたい!と興味を持ってもらうこと"が大きなテーマです。

現場にいた人からすると、この映像で"当日の興奮を追体験してもらうこと"というのも裏テーマとしてあります。「このライブ良かったなぁ〜」て何度も思い出せる映像って素敵ですよね。

現実を仮想現実で代替するのではなく、お互いに協調する世界感を大事にしてます。

VR180はライブの大事な要素が表現できない

VR180というGoogleが策定する動画フォーマットがあります。名前から想像できるように、360°ではなく180°前方だけの視界で後方は黒塗りです。何がいいかというと、

・後方は撮影者や機材が写り込まないので撮影が楽。
・データサイズが削減できる or 高画質化できる。(スマホも嬉しい)

というメリットがあります。そして、

・ほとんどのライブは前方ステージだけでパフォーマンスされる。

という事実。

「あれ?実は360°もいらないんじゃない?」

と思うかもしれません。実際、VR180はそういうニーズから生まれたハズです。それでも自分は360°を推します。なぜならオーディエンスも含めてライブであると考えているからです

お客さんがライブを作る

私はライブ中、周囲を見回すのが好きなのですが、その度にライブはお客さんあってこそだと感じます。アーティストのパフォーマンスがあっても、オーディエンスからのフィードバックがないとどこか寂しい。コミュニケーションがライブの本質ではないでしょうか?

360°の映像はアーティストとお客さんを丸ごと封じ込めるのに最適です。VR180が求められる機会もあるでしょうが、360°にも拘っていきます。

Twitterの反響

"すげー!(◎_◎;)
これを見ると現場に行きたくなる!"

"CAN'T STOPの360°VRはオタクの方に回して見るとおもろい
ギャンパレちゃんたちが見ている景色が見れる😊"

"ギャンパレ の遊び場が伝わって来る
360度vrで一番感動したわ"

"ギャンパレVR、自分が完璧に写っててしんどいなと思いつつ、楽しげに撮ってんなこいつとも思った。"

"何これめっちゃスゴい!遊び人さんの手が後ろの方まで上がってるのもよく見えて楽しい!!"

"ギャンパレちゃん、サビのオタクの一体感までみれて笑う"

"これすごい。
推しメンずっと追える。
し、遊び人の様子も見れる。"

うん、見事にGANG PARADEファンの発言だらけですね。やっぱりアイドルの拡散力はすごい。パンクロック勢は恥ずかしがらずSNSに出てきてほしい。

現場行きたい!という声も、アーティストよりむしろお客さんの方ばかり見てる人もいて、少しはその価値を伝えられたのかもしれません。みんなライブにも行くんだぞ…!

謝辞

今回、映像監督のUGICHINさんとの縁で撮影の機会に恵まれました。本当にありがとうございました!
UGICHINさんは Hi-STANDARD、安室奈美恵、KEMURIなどを担当したMV界の巨匠です。ご一緒できて光栄の極み!

UGICHINさんの主宰する VAM - VIDEO ADDICT MADNESS - をみんなチェック!


できるだけ早く次のnoteが書けるように引き続き精進いたします!

お読みいただきありがとうございました。

※実写360°の映像をVRと呼ぶの?というのは一部で紛争を起こしそうな議題ですが、「VRヘッドセットで再生されているときにVRという用語を使い、通常のディスプレイで再生されているときに360°映像という用語を使う」と専門書も言ってるので、ここではVRに含めます。

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