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友人のこと

友人が亡くなった
38歳だった。

近くにいたのに
本当に近くにいたのに
会いに行かなかった。
「忙しいんかな?」って思ったときに
「元気?お茶でもしよー!」くらいメッセージ送ればよかったのに。
「こんなことになるなんて」と思っている私は
いつまでも何度も同じことを繰り返すのかな。

彼女が亡くなった日
私の祖父の一周忌の法要だった。
「14時からだよね。」と時計を見たのが13:56だった。
「あと4分か。お坊さん来ないな。」と思ったのを覚えている。
彼女が息を引き取ったのはその時間だったらしい。

私が離婚しようか悩んでいた時に
「絶対離婚して戻ってきた方が楽しく生きられるよ!」と言ってくれた。
離婚して実家に戻った時には
「大丈夫!未来は明るいよ!」と言ってくれた。

離婚したてで無職の私に、彼女は事あるごとに簡単な仕事を振ってくれた。
彼女が主催のイベントの手伝いをしたり
二人で旅行のポータルサイトの撮影に行ったのは楽しかった。

離婚したかった時
私は死にたかった。
何が悲しいのかも分からなかった。
どうしたいのかも分からなかった。
いろんな人が後押ししてくれたおかげで、今生きている。

私がどれだけ救われたか、感謝しているか
彼女に伝えられただろうか。
「助かる〜マジでありがとう」なんていう
軽い言葉しか言ってなかったんじゃないか。
「離婚を決意して、今ここで楽しく生きてるのはあなたのおかげだよ。」
何でちゃんと伝えなかったんだろう。

彼女が病気と闘っている時
私は何も知らなかった。
私は何もしてあげられなかった。

最後に会いに行った
棺の中で眠る彼女は少し痩せていた。

彼女はストイックだった。
「ジム通い始めたらやりすぎて、痩せすぎちゃった!
やばい!流石に戻さないと〜!!」
って笑ったこともあった。

あの時みたいに
「痩せすぎちゃった〜やばいよね〜」って笑ってくれそうな気もする。
「何で教えてくれなかったの!!」って言ったら
「こういうこと言ったら心配かけるかなって思ってさ〜」って笑うのかな。
彼女が笑うとえくぼが出来て、可愛かった。

何事にも一生懸命だったよね、頑張ったんだね。
お疲れ様。

いつか、また会えるときが来るのかな。



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