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「#シラカミサウナハット」 誕生までの軌跡


みなさんはじめまして。
秋田県は田沢湖にあるフィンランド式湖畔サウナ「タザワコサウナ」の企画・運営を行なっている、サウナのおにいさんと申します。

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田沢湖畔のほとりにテントサウナが佇む
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シラカミサウナハットを着用


今回ご紹介する「白神の里手作り工房」の皆さんよりサウナのように熱いお声がけを頂き、サウナ入浴中に被る帽子「#シラカミサウナハット」の企画・プロデュースのお手伝いをしております。


「白神の里手作り工房」の皆さんと初めてやり取りを交わしたのが2020年10月。

みんなで日々、サウナハットのことだけを考え続け(るくらいの気合いで)、朝から晩まで「サウナハット..サウナハット..サウ..」と呟き続け(るくらいの熱意で)、ついに努力が形になり完成したサウナハットです!

「白神の里手作り工房」の皆さん、そして「#シラカミサウナハット」誕生までのストーリーを少しだけ紹介させてください。


🐑 羊毛アーティスト集団 「白神の里手作り工房」


日本初のユネスコ世界自然遺産登録“白神山地”の麓、秋田県最北部に位置する藤里町(ふじさとまち)。

自然豊かな地域で活動する「白神の里手作り工房」のお母さんたちは、空き店舗をリノベーションした「羊毛ハウス ちくちく」で活動しています。

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一点一点丹精込めて作り上げた“羊毛フェルト”のハンドメイド作品は、全国から注目を集め始めています。販売箇所が限られていることもあり、陽の目を浴びる機会が少ないのですが、作品を手に取った方々は目を輝かせ、その高い制作技術に感動さえ覚える完成度です。

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お母さんたちの手から生み出される作品には、
環境問題やECOを意識したたくさんのこだわりがあります。

まず、工房が使用する羊毛は藤里町の「大野岱放牧場」で育った羊たちの、”廃棄されるはずだった羊毛”が使用されています。


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また、羊毛の洗浄には藤里町の温泉水を使用し、さらに町の自然を守るために、環境に優しい廃油を使った、手作り石けんで洗い上げます。

さらに、一部の染色は自然由来のものを使用しており、黄色は「玉ねぎの皮」、茶色は「栗のイガ」、オレンジ色は「マリーゴールド」など、なるべく天然の素材を使用し、発色の研究を重ねています。


🐏 サウナハット制作プロセス

刈り取った羊毛を、作品に使用できる状態にするまでは、とても難儀な作業で、大きく5つのステップを踏みます。

STEP①「選別」作業
STEP②「洗浄」作業(温泉水を使用)

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STEP③「乾燥」作業

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STEP④「不純物除去」作業

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STEP⑤「綿ほぐし」作業(ドラムカーダー)


以上、数ヶ月に渡り5つのステップを経て素材を確保し、やっと本題の制作作業に取り掛かります。

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羊毛にお湯と石鹸、摩擦をかけることで繊維のキューティクルが絡み、巻きつき収縮させて生地を作ります。(この過程を“フェルト化”と言います)

小さな返しがついたニードル(針のような専用器具)を何度も何度も繰り返しチクチク刺すことによって、その羊毛を絡ませて形を作っていきます。


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お分かりの通りかなり地道で、根気の要る作業です。一点一点に手間と時間が掛かっている分、愛情が籠らないはずがありません。


🐏  「#シラカミサウナハット」とは

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藤里町産の羊毛を活かして町おこしができないかと、代表の菊地昇一さんを筆頭に、9人のお母さん達が立ち上がりました。


世の中は空前のサウナブーム。
テレビで偶然目にした、“タザワコサウナ”の生中継取材。体験者が被っていたサウナハットに目を奪われます。

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(※写真は「#シラカミサウナハット」の作品を着用しています。)


「これだ!藤里町の名物にしよう!」


そうして間もなく、手探りのサウナハット制作プロジェクトが始動しました。

▼そもそも「サウナハット」とは?
サウナ室の中で被る帽子、サウナハットは、日常的にサウナに入る北欧やロシアなどでは一般的なアイテムです。その目的は「頭部と髪を守る」「のぼせを防ぐ」の2つあります。サウナハットは、断熱性が重要で、ほとんどが100%ウールフェルト素材で作られています。断熱性と保温効果が高いウールフェルト素材で作られたサウナハットは、長く快適にサウナを楽しむことができます。


まずは情報収集と協力者集めから。お母さんたちが、藤里町から田沢湖まで車で片道数時間かけて会いに来てくれました。


皆さんの熱心なお話を聞くにつれて、藤里町への想い、サウナハットへの関心の高さ、今回のプロジェクトに懸ける熱量をひしひしと感じました..!熱心すぎて、皆さん一同に話し出すので話の収拾がつかなくなる場面も..(笑)
想いに共鳴して、一緒に作りましょう!となってからは長いようで早かったです。


みんなで力を合わせて、
サウナー(サウナ愛好家)から意見を聞いたり、
慣れないインターネットから情報を掻き集め、
試作品を何度も何度も作り直したり、
県内のサウナイベントで使用感を聞いたり、
試行錯誤しながら幾度もテストを重ねた結果・・・


構想から8ヶ月、ついに皆さんのお手元に届けられる精度のサウナハットが完成しました!!!!

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「藤里町のために!」と、手作業で丹精込めて制作したサウナハットは
すべて一点物であり、この世に二つと存在しません。

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サウナのように熱い想いが一点一点の作品に込められています。
実際に手に取っていただくと、その温かい想いが伝わってきます。

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あなたの町のサウナ施設で、
アウトドアのテントサウナで、
全国各地の至る所で「#シラカミサウナハット」が活躍しますように。


皆さんのサウナライフがより快適なものになりますよう一同願っております。



🐏  「白神の里手作り工房」の皆さんからメッセージが届いています


工房の皆さんより一言メッセージを頂きました。
サウナハット製作にかける一人一人の想いを受け取ってください。

♈︎ 菊地昇一さん(「白神の里手作り工房」代表)
今回のプロジェクトは、サウナハットをきっかけに藤里町の活性化を目的としております。今後は、「#シラカミサウナハット」を全国に向けて展開していきたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。

♈︎ 山田芳子さん
この色はどうかな?大きさはどうかな?と、使ってくださる方を想い浮かべながら作っています。気に入ってくれるといいなぁ!

♈︎ 伊藤絹子さん
全国のサウナーの皆さんへ。白神山地のネームに恥じないようにクオリティの高いハットを心を込めて製作しております。白神山地の麓でのびのびと育った羊の毛で作ったハットを被り、身も心も癒されてほしいです。

♈︎ 細田邦子さん
サウナハットに初挑戦しました。色とりどりの花が咲いたようでとても嬉しくなりました。このハットの花が山の中でサキホコレますように。

♈︎ 市川恵子さん
白神山地の自然豊かな大地で育った羊毛の温もりを感じてもらえたら嬉しいです。藤里町から世界へと放牧されました!宜しくお願いします!

♈︎ 市川一枝さん
どなたが被ってくれるかしら?藤里はコンビニもなく、鉄道も国道も通ってないけど、素敵なことがいっぱいある町です。サウナハットを通じて皆さんに知ってもらいたいと、想いを込めてチクチクしています。

♈︎ 細田祐子さん
羊毛を撫でて、擦って、ひたすら撫でて、擦って..最後はメンバーの手も借りてサウナハットを仕上げました。みなさんに気に入って頂けたら嬉しいです。



【おまけ】作品制作中の風景をご覧ください♪羊さんも🐏

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