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人生で初めてテニミュを観た話

※舞台の感想もありますが、それ中心というよりは、私の体験の覚え書きになります。初心者が見てきたよ!という報告です。



テニプリと私


「テニスの王子様」というジャンルは、20年近くオタクをやっている自分にとって、つねに近くにはあったのに、真剣に触れたことがない文化だった。
小さい頃アニメは見ていたし、中学時代は全盛期で友達はほとんどハマっていたし、なぜか千石清純のキャラソンのCDも持っていたのに、真剣にテニプリに向き合ったことはなかった。
なんとなく、触れる機会を逃してしまったなあ、と感じていたところに、テニミュの話題が流れてきた。感想などを色々見ていると、みんなすごい熱量というか、愛を持ってテニミュに向き合っているのが伝わってきた。テニミュってずっとやってるし、愛が深いのは当たり前だよな。凄い文化だな………と感じた。
そして、「あんなにテニプリ全盛の時代にオタクだったのに、自分は全くテニプリを知らない」ということが、なんかすごく惜しいというか、後悔のような気持ちが湧き上がってきた。
「あの時代にオタクをしていたものとして、人生で一度はテニミュというものを体験しておかないと、なんか悔しい気がする」
と、そういうようなことをTwitterで呟いたところ、なんと友達がお声をかけてくれた。一緒に行こうと誘ってくれて、私は人生で一度も見てなかったテニミュを観に行くことになった。
こんなことがまさか起こるとは思わなかった。声をかけてもらわなければ、自分で調べてチケット取るようなことはおそらくしなかったと思う。私は新しいことに自ら挑戦するのが非常に苦手なタチなので、きっかけをくれて、本当にありがたかった。

今回はルドルフ・山吹公演らしいと知って、なんとなく運命を感じていた。
チケットを取ってくれた肘樹さんは、ルドルフが好きなんだなぁということは呟きからなんとなく知ってはいたが、実は中学時代の友人にもルドルフ好きな子がいたので、ルドルフのキャラクターはなんとなく知っていたのである。千石清純もなんか見た目が好きだったのでCDを持っていた。
チケット取っていただいた時点でのモチベーションは「ルドルフと山吹かあ。千石清純とか木更津とか柳沢とか見れるんだな。馴染みがあるし楽しめそうかな」みたいな感じであった。
ありがたいことにアプリで山吹戦あたりまで原作を無料で読めるキャンペーンをやっていたので、それを読んで予習とした。新鮮な気持ちを味わいたいから、過去のミュの映像等は予習せずに行くことにした。
きちんと読むテニプリは懐かしくて、なによりすごく面白かった。

観に行く

そのときは日本青年館で東京公演をやっていた。
肘樹さんとの数年ぶりの再会に喜びつつ会場へ。日本青年館というのはなんと明治神宮球場のお向かいにある。野球観戦で何度か来ているので、特に緊張もせずにたどり着けた(ひきこもりのため、知らない場所に行くことは自分にとって大変緊張することなのである)。

2.5次元と呼ばれるものは一応触れたことがある。モブサイコの舞台を見に行ったことがあった。ただその時は、ミュージカルではなかった。
2.5のミュージカルって、どんなんだろう。けっこうドキドキしていた。初めての文化に触れる時、いつも緊張する。でも初めて野球観戦行った時だってめちゃくちゃ緊張したけどどうにかなったし、なんていったってあのテニミュなんだから、2.5次元ミュージカルの始祖みたいなもんなんだから!大丈夫、ファミ通の攻略本だよ!みたいな感じで席についた。

開幕からあまりの情報量に度肝を抜かれた。
ものすごく大勢のキャラクターたちが、ラケットを持って踊る。
それがこんなにかっこいいこととは知らなかった。
とにかく凄い人数だから、あっ越リョ……不二パイ……あっ手塚………みんないる……すご………実在してる………と思ってるうちにかっこいい歌とダンスが終わった。
そしたら神尾の自転車が盗まれる歌とか、堀尾のバナナの歌とかが始まった。待って待って、追いつけない追いつけない!!とにかくみんないる!!すご!!みたいなクソ雑魚初心者の感想になってしまうが実際そうだったので仕方ない。
でもだんだん慣れて、各校校歌とかあたりには慣れてきた。漫画で見たあのキャラが、あのシーンが、カッコよく再現されて目の前で繰り広げられている。私に見えていたのは俳優さんというよりはキャラクターそのものだった。
後ろでセリフないとこで絡んでたりとかしてる〜これ毎回見てたら毎回発見があって楽しいんだろうな〜!!と思った。継続して見ることでそういう後ろの芝居みて楽しんだり、日替わりらしき場所では笑いが起こっていたり、これはパークのショーパレと同じような感じなんだな!と楽しみ方が少しわかったような気がした。
すべての俳優さんが舞台上でずっとキャラクターになりきっていて、徹底ぶりがすばらしく、これは根強いファンがいるわけだわ………と実感した。
その中で観月はじめの演技に心揺さぶられたり、白熱した試合だったり、亜久津の亜久津ぶりがすさまじかったり、最後にはリョーマがもう完全にリョーマに見えていたので、リョーマ様❤️❤️❤️になったり、客降り(この時はまだやっていた)で、わああ!!本物の千石清純が!!ノムタク先輩にお手振りしていただけた!!わああ!!となってるうちに舞台が終わった。

あっという間だった。色んな細かい感想はあったはずなんだけど、情報量の波に押し流されて、結果言えたのは、「すっごくエンタメだった!!」という感想だけだった。
初めて見たテニミュがこれなので、私にとってのテニミュはこれになるのだ、と思うと感慨深かった。

私は、すごく楽しかった、流石テニミュ!!という感想を抱いたが、それはつまり、「キャラクターがいっぱいいて歌もカッコよくてすごかったなぁ!」ということで、テニミュという歴史の深い素晴らしいコンテンツを、私はうわべだけしか楽しめてなかったのでは?という気持ちが、観た後少しずつ膨らんでいた。
公演が続いていくようすをTLで眺めながら、私は、「もういちどテニミュを観よう」と決心した。

2回目を観る

肘樹さんとは1回目を観た後、また会ってドンブラザーズの映画を見に行ったのだが、その時に「もう一度見ようと思う」と伝えると、また一緒に行ってくれるということになった。またしてもチケットまでもぎ取ってくれて、その節は感謝しかありません。肘樹さん、心からありがとう………。カンシャ エイエンニ………。

凱旋公演は天王洲の銀河劇場だった。ここは以前モブサイコの舞台を見たところでもあるので、スムーズに到着できた。
席はすごいところだったが、その場にいることが大切なので、ありがたさしか感じなかった。

2回目は、堀尾の歌がなくなってしまったり、けっこうな内容の変更があったが、裕太くん勧誘の歌(観月はじめが皆の光となる歌)が入ったことで、ストーリーがすっきりしたな……という印象を受けた(堀尾の歌も好きだったけど)。
また、2回目のため、今回は情報量ではなく内容に注目することができた。
1回目から2回目の間に私はけっこうかなりテニプリにハマっていたため、キャラクターの感情に思いを馳せたり、初心者なりにではあるけど細かいところを楽しめたのではないかと思う。
あとなんとなくではあるが全体的に役者のみなさんが仲良くなったのかな?という印象を受けたし、一体感が非常に感じられて良かった。客降りがなくなったことにより長編になった日替わりの観月と不二パイと不動峰の絡みもめちゃくちゃに最高だった。
私が見た回の日替わりでは、最後に観月が「全国行ってやりますよ」みたいなことを言っており、個人的にそれがもう大感動だった。ルドルフこれからもがんばれ………と切に願っています。

大千秋楽の配信も観る

私はすっかりテニミュという文化の最高ぶりに魅せられてしまい、また行きたいという気持ちになったが、もうチケット取るのは無理なので、最終日を配信で観ることにした。
スイッチング配信だったので表情まで見れたのは良かった。日替わりの不二パイが観月に裕太くんクイズを出された瞬間のもんのすごくうんざりした顔とかを拝めて最高。


そしてキャストのみなさんのすごい汗や息の上がり方、そしてこれで最後だという気迫みたいなものを感じて、私はすごく「青春」を感じて泣きそうになってしまいました。
テニプリって、「トンデモ展開」とか「テニスじゃないなにか」みたいな部分が一般的にクローズアップされがちな気がしてる(し私もそこも大いに楽しんでいる)んだけど、あれって実際めちゃくちゃ「青春スポ根漫画」ですよね。原作をきちんと読んでそれを実感した。私も今まではテニプリってトンデモ漫画だよねと思ってた節があったけど、今回テニプリに真剣に向き合った結果、新しい発見があった。

そんなテニプリの持つ「青春」要素と、さらにテニミュではキャストさんも卒業をする。
メインキャラは続けて出るのかもしれないけど、今後本編に出ないようなキャラクターの俳優さんてきっとこれが最後。最後に全力で出し切ってキャラクターを演じ切り、夏の終わりに卒業する。それもまた「青春」な気がして、架空の青春と現実の青春が重なって、こんな言葉で表せるかわからないけど、それってすごく"エモい"なって思った。
若い人たちが頑張ってるだけでもう涙が出そうになってしまうようになったので、もう大大大感動でした。若さを浴びたし、これからも頑張ろうって思えた。
2.5次元のキャストさん同士の写真とかもTwitterに上げられてるの見ると、仲が良さそうでいいな、テニプリっていいな(許斐剛)になりますね。


まとめ


今回は友達のおかげで一歩踏み出せて、新しい世界と出会えたことにすごく感謝をしています。
個人的なことですが最近は一つのジャンルがっつりではなく、いろんな知らない世界に飛び込んでみることに挑戦していて、たとえば野球観戦だったり、エクササイズ始めてみたり、今回のテニミュもそうだけど、この歳になってやっと世界が広がっていくのが楽しいなと思うようになりました。
2.5次元ミュージカルの楽しさも、テニプリの面白さも、テニミュという文化の最高さも味わえた今回は、ほんとにいい経験でした。
新しい経験はたのしい!ので、これからも色んなことに挑戦しつつ、テニミュ・テニプリにはすっかりハマってしまったので、楽しんでいけたらなと思います。
テニプリってジャンルはもはや独立した文化ですよね。奥深すぎる。


さいごに、誘ってくれて一緒に行ってくれた肘樹さん、本当にありがとう!!!!


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