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闇の深すぎる伝記映画


アナデアルマス主演のnetflix映画、『ブロンド』を観た。
伝説的女優マリリンモンローの伝記映画だが、タイトル通り、「1950年代理想の、ブロンドの女性像」をテーマとした感じで、実際のマリリンモンローという女性を描こうとしている空気はほぼなかった。ので、彼女の本当の人格を侮辱している映画だという批判もけっこうある。

批判の理由

たしかにもし自分が以前からマリリンモンローのファンだったとしたら、こんな映画を作った人間にいい気はしないなと観てて思った。伝記映画というより、過激な描写や鬱展開、グロいキャラクター造形を作ることそのものに専念している映画だから、映画自体の良し悪しは置いといて、これを実在の女優をモデルにしてやってしまうのはどうなのか感はする。

良かったところ

・アナデアルマスの演技力。
前にグレイマンやエクスマキナの感想を書いていた通り、とにかくアナデアルマス主演の映画を観たかったので、実質アナの独壇場であるというのがこの映画最大の長所だ。批評家連もこの映画の内容のめちゃくちゃさには辛口な一方で、彼女の演技力だけは唯一評価に値すると批評したらしい。映されるものがアナ9、その他1くらいの割合なのでひたすら鬼気迫るアナのモンローを観ることになる。

全体として

思ってたのとは違うというか、もっとマリリンモンローという人の核心に迫るようなストーリーをアナデアルマスの美しさと演技力で観れると思っていたから、実際の内容にはあれれ?となった。エログロ満載なのも予想してなかったし、どこまでも鬱描写の連続なのでだんだん心が虚無になる。でもアナのビジュアルはびっくりするくらいモンローにくりそつで、そしてそれが激しいスポットライトに照らされていたり、煙や蒸気に囲まれていかにも不安定な空気の中にいたりするという映画のビジュアルは良かった。ストーリーが混乱している分、幻想的な映像が引き立っていて、ときどき飛ばしながらも一応最後まで観れた。モンローがODで死ぬ場面がどう映されるのかは必ず観ておこうと思ったからだ。
まあマリリンモンローだけじゃなくて、その他のモンローの関係者、当時実在した有名人に喧嘩を売りすぎな映画ではあった。アメリカではそういうエンタメが別に珍しくないのかなと思った。


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