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心の拠り所をどこにつくるか

「ほんとの自立というのは、他人との協力、依存関係を成功させることのように思われます。なにがなんでも自分一人で生きるなどというのは不可能ですし、強引にそうしようとしたら、知らず知らず他人を犠牲にしてしまうし、自分も辛くなるにちがいありません。なぜなら、自分だけでやるというのは、すごく勝手な面と残酷な面を合わせもつからです。強い、他人を思わぬ人間の「自立」は、弱い立場の人間に奉仕させることで成り立ちますし、弱く、ハンディをもつ人間が他人の世話にならずに「自立」することなどできっこないのです。」

毛利子来『新編 若い父母へのメッセージ』

なにもかも一人っきりでやり遂げなくてはいけない、はやく強くなりたい、「自立」したい、と焦燥感に駆られている時期がずいぶんと長かったけれど、他人との協力、依存関係を成功させることこそが自立だという言葉に出会ってからは少し肩の荷が降りたように思う。周囲と支え合える関係を築こうと視点を変えてみると、不思議なことに社会の中でなんだかすっぽりと収まることのできる居場所を得たような感覚がある。あれだけひとりぼっちだと思っていたのにね、自分で自分を隔離させていただけなのかもしれないね。

このままではいよいよダメだと思って、もうどうしていいのかわからなくて、藁にもすがる思いで手に取った『セルフケアの道具箱』という本が今この心理状況にドンピシャで最適な処方箋だった。基本的に「こんなときはこうしよう!」系の書籍は、メンタルヘルスだろうがビジネスだろうがマナーだろうがちょっと小馬鹿にしてきた節があるけど(すみません)、考えを改めないといけない。必要な人にはほんとうに必要な情報が、まさしく道具箱のように詰まってる。藁にすがって良かった。
まずは自分をひとりぼっちにさせないと約束してください、と書かれていて、情緒がバグってるので軽々しく号泣した。そうだよなあ、完璧主義なのも相まって、わたしはすぐ自分のことをひとりぼっちにさせてきたよなあ。

2022夏、わたしの敬愛するギャル(概念)とお仕事でご一緒したときも、インタビュー中に「どんなに周りに優しくしようとしても自分がハッピーじゃなかったらうまくいかないから、ぼくはいつも自分が自分の味方でいることを大切にしてるんです」と言われて、これも本人の目の前でimmediately号泣。ウケる。いやウケないけど。
泣いてるわたしを見た現場のみんなも大爆笑だったけど、自分の味方しようだなんてこれまで考えたことが皆無だったので心底驚いてしまったし、自己を罰してばかりのくせにつらいとか苦しいとか助けてほしいとか思ってばかりでゆとりがなくなって、周囲に優しくできないことをまた罰して… の繰り返しで息苦しくなってたことにも初めて気が付いた。

どれだけ大人になったつもりでいても常に新しい学びや気付きに出会うし、その度に自分の不完全さや未熟さを嘆くのではなくて成長を楽しめるバチイケおねえさんになりたい。
弱くて不完全な自己を認知して、受け入れて、それを抱きしめながらも寄りかかることのできる他者を探していくこと。そして、依存先を少しずつ分散させること。これまでずっと苦手だったので、30代で取り組んでいきたいテーマのひとつになりそう。

ここ最近の頑張っていること:
他人との依存関係を成功させるイメージを持つ、忙しくないことは悪いことではないと言い聞かせる、土日に仕事用のiPhoneやPCをなるべく触らない、バチバチのメイクよりも少し抜け感のある仕上がりを意識する(あんまり戦闘態勢にならなくても大丈夫だよのおまじない)、ジムに通う、会社のひとたちとバスケをする、お茶のお稽古に通う←New!

2023.03.12

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