AWS SAP 合格体験記

はじめまして。ねむみんと申します。
AWS SAPに無事合格したので、合格までの体験記を残しておきます。
長いですが、参考になれば幸いです。

前提

・情報系修士卒
・SIer新卒入社4年目
・AWSを活用した大規模プロダクトの開発・運用に3年間従事
・実務では特に以下の経験あり
 ・アプリケーション開発
 ・CI/CD環境構築
 ・AWSアカウント管理
 ・問合せ/障害対応
 ・クラウドコスト削減
 ・Disaster Recovery対応
AWSのProServeの方と同チームで指導をいただきながらの実務経験あり
・AWS SAA 取得済み (2020/3)

実務経験はありますが、SAPの試験範囲すべてを網羅しているわけではありません。
特に、分野レベルだと
・ネットワーキング
・セキュリティ
・移行
サービスレベルだと主に
・VPC
・Direct Connect
・Route 53
・AWS WAF
・AWS Directory Service
など、知識不足なものは多かったです。

個人的には一番重要だと思うのは、AWSのProServeの方と同チームで指導をいただきながらの実務経験ありだということです。
皆さんAWSのプロなので(当たり前)、一緒に仕事をしているだけで自然とクラウドアーキテクチャに関するベストプラクティスが身についてきました。
学習開始から試験当日まで、実務経験にはずっと助けられたと思います。

試験結果

画像1

見ての通り、めちゃくちゃギリギリです。当日はほとんど手応えを感じなかったのでむしろ合格していたことに驚きました。

合格までの過程で改善すべきだと感じた点も記載します。
とりあえず要点だけ知りたい方は、一番下のまとめをご覧ください。

学習時間

8月末から学習を開始し、だいたい3週間ほど、一日平均約3時間を学習に充てていました。
合計の学習時間は約60時間ということになりますね。

学習方法

※冒頭に記載した前提を頭の片隅に入れて読んでください!

1. 参考書での学習

AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説 を、1周しました。

現状、SAPの学習を日本語の参考書で行おうと思った場合の選択肢はこれ一択になります。そもそも他に本が出ていないです(たぶん…)。

こちらで学習するのは普通にお勧めできます。
ただし、この本だけですべて網羅できるわけではないのでその点だけ要注意です。他の学習手段も併用するべきです。

具体的には、以下のように読み進めていきました。
(1) AWSの各サービスに2章を読んで、各サービスごとにどのような機能があってどのようなユースケースに適するのか自分なりにドキュメントにまとめる
(2) 3~8章以降のケースごとの問題を解いて理解を確かめながら、(1)でまとめた内容に不足していた分を追記していく
(3) 9章の模擬試験前に、(1), (2)で作成したまとめを読み返してから模擬試験の問題を解く
(4) 模擬試験の結果、まだ理解できていなかった分をまとめに追記する
(5) もう一度まとめを読み直し、模擬試験の間違った問題だけ解きなおす

また、私の場合ですが、本番同様の3時間通しでの模擬試験は行いませんでした。集中力が持たなかったのと、本番なら大丈夫だと思っていたからです (実際大丈夫でした)。
まあ通しで受けられるなら受けておいた方がいいとは思います。

2. AWS公式のサンプル問題での学習

参考書での学習の後、どう進めていけばよいか分からず、とりあえずAWS公式のSAPのサンプル問題を解きました。

たった10問ですが、これは役に立ちました。この10問の中に間違えた問題があれば、その分新しい知識が身に付けられるということですからね。
サービスに関する学習が終わればとにかく問題をたくさん解くのが大事だと思いますし、そういう意味でも良かったです。

ところどころ日本語が怪しいかもですが、本番のほうがもっと怪しいので大丈夫です(?)

また、もし他の学習方法でたくさん問題を解けるなら解いた方がいいです。場数を踏めば問題の傾向をつかめますし、自信もついてきます。

ただ、古い問題には注意してください。最新情報が反映されていない問題だと、サービス名や機能名が異なっていたり、最新の機能が利用されていたりなど、実際に受験する試験内容と異なる可能性があります。

3. BlackBeltでの学習

いくら問題を解いても知らないサービスや機能が出てきたらその時点で詰んでしまいますが、ここまで問題を解いた中で、私は明らかにそのパターンが多かったです。
つまり、そもそもサービスに関する学習が根本的に不足していたのです。

そこで改めてサービスに関する学習をした際に利用したのがBlackBeltでした。

ページのタイトルはAWS サービス別資料になっていますね。
その名の通り、AWSの各サービスについて、細かい機能や様々なユースケースまで広くカバーしたドキュメント(一部動画)です。当然AWS SAPの範囲は網羅されています。
はっきり言って、これ以上の参考資料は無いです。絶対見るべきです。
もっと言うと最初に見るべきです。

また、少し脱線しますが、結局我々の目的はAWS SAPに合格することではなく身に付けたAWSのスキルを活かしてプロダクトを生み出しユーザーに価値を提供することなので、AWSを活用するならSAP関係なくこの資料は見ておくべきだと思いました。

参考: ちょっとやったけどすぐやめた学習方法
他にも、調べて出てきた学習方法をいくつか試しましたが、少なくともちょっと触った範囲では微妙に感じたものもあり、それらは結局ちょっと触っただけで終わりました。
ネガキャンするのは本意ではないので具体的な名前出しません。また、そもそもちょっとしか触ってないので全体を把握しておらず、偏った意見になっていると思いますし、あくまで自分に合わなかっただけで他の方には十分参考にできる方法だとも思います。

学習の改善点

一点だけ明確に改善すべきところがありました。
学習の順番です。

参考書に記載されている各サービスの説明は概要レベルで、詳細までは記載されません。また、参考書は問題を解くことに重きを置いています。
前述の通り、参考書のみで各サービスの詳細を理解することはできません。

つまり、本来あるべき学習の順番は以下だったのです。

1. BlackBeltでSAPの範囲のAWSサービスのドキュメントをすべて網羅する
2. 参考書で問題を解いて理解を深める
3. 模擬試験などでとにかく場数を踏む

当然といえば当然ですが、私は最後になってようやく気付きました(手遅れ)。
同じ轍を踏む方がいないことを願います。

参考: 学習の過程
↓問題の質にキレちらかしてる様子(なんかめっちゃキレてんなこいつ)

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↓本番まで1週間を切り、受かる気配がせず現実逃避している様子

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↓本番2日前で、なおも受かる気配がせず現実逃避している様子

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当日

時間について

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AWS SAPは試験時間180分・問題数約75問なので、単純計算で60分間で25問解かないといけないんですね。
当然受験者ならそんなこと知っていて、それを踏まえてペース配分を行うわけですが、私の場合25問解き終わった段階ですでに70分経過していました。

焦りに焦った結果、集中力の観点から本当はやりたくなかったとにかく1問ずつ経過時間を確認するということを行い、50問解き終わった段階では予定より5分遅れ、75問解き終わったときにはなぜか10分余るという状況になっていました。結果的にはこの方法は自分に合っていたのかもしれません。

当たり前ですが、時間配分には気を付けましょう。

問題について

受験者行動規範によって問題内容に関する言及はできないのですが、選択肢を選ぶ際の感覚は以下のような割合でした。

絶対これ!間違いない! : 10%
微妙だけどまあこの選択肢の中から選ぶならこれかな : 35%
2つまで絞り込めたけどこれ以上はわからん : 40%
なんもわからん : 15%

確信をもって回答できる問題は非常に少なく、体感では分からない問題のほうが多かったです。

また、今回まさにそのケースだったのですが、最初のほうに分からない問題が偏っているとメンタルがボロボロになってしまいます。私は試験中「そもそもSAPはAWS認定の中でも難易度高い方だし、まあ不合格になってもしょうがないよね」という現実逃避をして何とか平静を保っていました。

結果的に、後半は比較的解ける問題が多く、10分余ったのもそのためだと思います。そういうケースもあるので諦める必要はありません。

分からない問題は、大抵その場で時間をかけても分かりません。考え始めてから事前に決めておいた時間(3分とか)が経過したらとりあえずそれっぽいものを選んで進み、後から見返すようにしましょう。それで正解にたどり着けることもあります。

まとめ

・何はともあれ、まずはBlack Belt読み漁ることから
・解く問題数は多ければ多いほどいいけど、古い問題には注意
・本番同様の通しでの練習は必須じゃないけど、時間配分は決めておくべき
・実務経験は大切

以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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