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サザンでめぐる四季と古都

ことしもやってきました!6月25日。
サザンオールスターズデビュー43周年でございます。

産まれる前からサザンファンのわたしとしては、いつもいつもここに愛を書き留めたくてしかたない。
だけど、語りたすぎてずっと何を書けばいいかわからなかった。

そこで今回、6月25日を迎えたということでここはあえて、オリジナリティ全開の記事を書くことにした。


サザンオールスターズ=夏という世間のイメージは根強い。

たしかに夏を歌った曲は名曲ぞろいだし、知名度も高い。

しかし、しかしだ。

最大のヒット曲「TSUNAMI」。
じつはこれ、冬のリリースされたものでMVやジャケットもみぞれのような雨が降っていて、歌詞も夏らしい部分はなにひとつない。

そのほか、サザンの曲には冬やクリスマスをテーマにした曲(「シャ・ラ・ラ」「クリスマス・ラブ」など)、春(「彩〜aja~」など)、秋(「YaYa(あの時代を忘れない)」など)をイメージした曲もある。

でもそれだけじゃない。1曲のうちで四季をめぐれてしまうものもある。いわば『枕草子』の「春はあけぼの~」のくだりのような曲だ。

今回は、そんな特徴的な歌詞をもつ2曲を紹介したい。


「通りゃんせ」(2000年)

ハードロック調なのに鎌倉の四季を歌い上げるという、サザンの要素の多さが詰め込まれた隠れた名曲。なにがヤバいってイントロがお経。

じつはこれ、先ほど触れた「TSUNAMI」のカップリング。最大のヒット曲の裏で、こんな野心的な作品がぶっ込まれていたのだ。

「桜舞う頃」からはじまり、「若葉や花菖蒲濡る頃」、そして「盂蘭盆会」「蝉しぐれ」をすぎ、「萩見て流鏑馬の頃」、「もみじが朱に染まる頃」、「薪能」、さらに「大銀杏に小雪舞う頃」で終わる。

一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居、大町小町、、半僧坊、七里の磯、太刀洗、化粧坂、六地蔵、そして大銀杏。

鎌倉のディープなスポットが歌詞にふんだんに使われていて、サザン好きと鎌倉好きどっちも大満足の1曲になっている。

まるで俳句に触れたかのような感覚になれる、なのにハードロック。このわけわかんなさこそがサザンだ。

歌詞の全文はこちらから。


「イヤなことだらけの世の中で」(2015年)

こちらはドラマ『流星ワゴン』の主題歌だったので、そこそこ知名度はあると思う。

男女の悲恋を京都の四季を舞台にして歌いあげた、バンドサウンドながらも歌謡曲テイストの1曲。
ここ数年、桑田佳祐氏がハマっている作風だ。でも当の本人はこの曲をなぜか失敗作扱いしている。理由は本人にしかわからない。

こちらも「通りゃんせ」同様、春の描写から歌がはじまる。そして「蝉時雨」、「いろは紅葉」はさっきと違って漢字表記。そしてこちらもまた「小雪が舞っている」。

一方、「通りゃんせ」と異なり登場するスポットは、鴨川、祇園囃子、嵐山、花見小路と京都のわりとメジャーどころ。

そしてこちらはどちらかといえば、京都とその四季は、男女の悲恋をひきたてるいわば脇役。

そのため、1曲丸々かけて四季をめぐった「通りゃんせ」と異なり、こちらは二番のサビ前には四季をたどり終わる。

だけど、この曲の真骨頂は二番のサビにこそあると思う。

ある朝目覚めたその場所は
君と結ばれた花見小路
憎たらしいほど惚れさせて
いつか地獄の底で待ってる

これだよこれ…!
バンドサウンドなのにこんなに歌謡曲感全開の歌詞。サイコーだね。

この曲のメインは「嘘ばかりつく女」と「それを真に受けた男」の物語なんだけども、これ、タイアップしたドラマ「流星ワゴン」を観ていると、女が井川遥さんにしか思い浮かばないし、男のほうも西島秀俊さんしか思い浮かばなくなる。

こうしたタイアップ先を全力で連想させる歌詞もまた、桑田佳祐のつくる曲の魅力だ。

歌詞の全文はこちらから。

まとめ

これでもだいぶ熱を抑えて書いたつもりなのに案の定長くなってしまった。

ほかにも、サザンは二番のサビこそメインって話とか、「四六時中も好きと言って」でおなじみの「真夏の果実」の歌詞はいくらなんでも要求が高すぎなんじゃないかとか、そもそも聴き取れない曲多すぎる問題とか、語りたいことだらけなので、おいおい書いていこうと思います。

勢いで語るより、明確に文章化すると頭の中が整理されてよいですね。愛が深まる。

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