329.バイきんぐ夢
直ぐに履歴書を出さねばならなくて、私はとても焦っていた。
今って履歴書って、パソコンで作って印刷するの?
それってWord?Excel?
何故履歴書が必要かと言えば、私は新卒で就活しているから。
卒業するのは来月だけど、今まで一切就活せずに家業手伝いをしていたのだった。
なんで卒業目前になるまで就活しなかったのかなぁと泣きそうになる。
でもそう言えば家業ってなんだ?
喫茶店?
それは母の仕事。結婚するまで私も会社で働きながら手伝っていた。
…結婚?
私は結婚してたんだった。
就活なんてする余裕ない、婚家の家業でいっぱいいっぱい!
幼い三男の手をひいて、私と夫は流行りのレストランに並んでいた。
お寺さんの近くにある予約不可のお店。
並ぶしかない。
並んでいると、小峠英二氏から親しげに声をかけられた。
夫と旧知の間柄らしい。
夫と小峠が話している間に、列がかなり進んだ。
外に並んでいたのが屋内になり、次に入店出来るグループになった。
夫と小峠とはいつの間にかはぐれてしまった。
夫を放っておくわけにはいかない。
「次、入店するよ、すぐ戻ってきて」とメールすると、何故か店内から小峠が
「すんません、すんません、奥さんにも入るよって声かけたんだけど」
と、恐縮した様子で現れた。
えっどゆこと?
予約不可のお店だけど、芸能人の小峠は顔パスらしい。
なんかヤな感じ。
お店は無国籍レストランで、エスニックメニューが多く、居酒屋みたいな雰囲気。
むりやり割り込んだからか、私たちはちっこいテーブル。
もう夫と小峠は料理を頼んで飲み始めている。
なんかヤな感じ。
小峠さん、好きか嫌いかで言えば断然好きな方の芸人さんなのに。
何故こんな夢を。
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