少女漫画より深夜アニメを見始めた頃
小学2年生の誕生日の月、近所のコンビニで初めて『ちゃお』を買ってもらった。
恋なんてディズニープリンセスでしか知らなかった私は、そのきらきらした少女漫画に釘付けになった。
どこか自身を重ねてしまう弱気な主人公に、いつも優しくしてくれる彼と、ドSで意地悪な彼。
その間で揺れ動き、様々な恋敵が現れ、なんだかんだで結ばれるお話。
ひとりで居る私とはかけ離れた学園生活。
そこに劣等感は無く、ただお伽噺を読むように、私はその世界を見つめていた。
だけどいつからか、少女漫画を殆ど読まなくなった。
読まなくなった、というより、違うものにのめり込んでいった。
それが深夜アニメ。
どちらかというと男性向けの、女の子が沢山出てくるアニメ。
俗にハーレムものと言われるようなものを1番好んで見ていた。
それは多分、恋や嫉妬の感情を知ったからなのだと思う。
勿論、趣味嗜好が変わって、オタクになって、というのはあるけれど。
私は「恋敵が出てくる」展開がいつの間にか地雷になっていた。
そりゃあ、恋敵が現れて、ピンチを乗り越えたからこそ、そこに大きな愛が生まれるってもので。
というか物語の構成としてピンチは必要なのでそれは当たり前のことで……なんてのは分かっているんです。
それでもその展開がもやもやした。
歳を重ねて、自己投影していた主人公は実は高スペックでそりゃあイケメンも寄ってきますよ、な人間であるという世の理には気付いてしまったけれど、主人公に感情移入するのは変わらない。
昔だったら「恋敵」キャラはプリキュアの敵キャラみたく倒す相手でしかなかったのだけど、色々知っていく度に、私がその「敵」になったかもしれない可能性や、現実にその敵が現れるかもしれない恐怖に、耐えられなくなっていった。
そこで、ハーレムものはすごいぞ。
そもそも感情移入がしづらい。
だって異世界でチートで更に性別も違って、可愛いお姉さんに囲まれるシチュエーションなんて、無いもの。
そういう距離感で見られる作品が1番楽なんだなあ。
作品を見る体力が無くなってくるって残酷。
とは言え少女漫画は楽しいので読みます。
きゅんってまだ出来るんだね。
少女になりきれず、なろう系主人公にもなれなかったおばさんのお話でした。
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