やりたいことリスト3

リスが見れる場所とは、カフェのことだった。
少し前の猫カフェブームにでも乗ったのだろうか。しかし、店名が「リスCafe」とはまたそのままだ。リスが見れるカフェなんてそうそう無いから、区別する必要がないのか。そんなことを思いながら店内に入る。

「いらっしゃいませー、2名様でしょうか?」
「はい」

出迎えてくれたのは、30代前半くらいの少し太った女性だった。店内は一見すると昔ながらの喫茶店にしか見えないが、確かにリスがちらほらいた。僕らの他には、カウンターのところにマスターらしき60代くらいの男性が一人と、テーブル席に老夫婦が一組いるだけだった。テーブル席に案内され、僕はアイスコーヒー、彼女はアイスティーを注文した。リスがいることを除いては、本当にただの喫茶店みたいだった。彼女はテーブルの横にいるリスに夢中になっていた。僕はそれほどリスに興味はなかったが、店内の落ち着いた雰囲気と楽しそうな彼女にすっかり満足していた。アイスコーヒーの味もまた無類だった。これならもっと流行ってよさそうなものだが、やはり目立たない場所にあるからだろうか。それとも単純にリスの人気がないからだろうか。どちらにせよ、僕は来てよかったと思った。1時間ほどリスと戯れてから、僕らは店を後にした。



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