どうしたら人を嫌いになれますか?

このnoteは下のブログを元にvoicy / youtubeでお話しした内容を文字お越ししているものです。

「人を嫌いになってはいけないと思っています。どうしたら人を嫌いになれるのでしょう?」

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どうもこんにちは。

カウンセラーの根本でございます。

いつも聞きくださいましてありがとうございます。

ということで今日も神楽坂のセミナールームの方に来ております。

今日は個人セッションデーでございますね。

今日は晴れるって聞いてましたけど、ずっと曇り空でございます。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

ということで、今日はまたブログで書かせていただいたものを元にこちらでもお話をしていきたいと思うんですが。

けっこうよく耳にするお話です。

人を嫌いになっちゃいけないっていうか、嫌いになることっていうことをすごく悪いことのように、すごく申し訳ないことのように捉えてるっていう話でございますね。

皆さんいかがでしょうか。

嫌いなものを嫌いって言えるでしょうか?っていうところなんですが。

この人を嫌いになっちゃいけないから嫌いにならないようにするし、嫌なところが見えてもできるだけ良いように見ようとしたり、良い一面を見つけようとしたりとか、好きになろうとしたりするっていう、とてもいい人なんです、本当にね。

もともと多分すごく優しくていい人なんだと思います。

というような声を実はちょくちょく耳にするわけですけども。

ちょっと意地悪な質問があってね。

そういう方に「人のことを嫌いになっちゃいけないんですよね?じゃあ自分のことも好きになろうとしてるってことですか?」っていう話をすると、「・・・え?それは・・・え?」みたいな感じの空気になることが多いんでございますね。

だから自分のことは大嫌いでいたりとか、自分のことは好きになれないというか、好きになろうとしていないけど、人のことは好きになろうとしたりとか、嫌いならないようにしようとするっていう方ももしかしたら多いんじゃないかなって思います。

なんでそうなのかっていうと、嫌いにならないようにする目的とか、良い一面を見ようとするっていうことって、決してもちろん悪いことではないと思うんですが、それがなぜかしんどいっていう理由としては、やっぱりその「目的」なんですよね。

嫌いにならないようにするのはなんでかとか、無理してでも相手の良い一面を見ようとするっていうのは、嫌われないためとか、孤立しないため、いじめられないためとか、バカにされないようにするためみたいな、「補償行為」なんですね。

だからしんどいんですよ。

で、補償行為で嫌われないようにするために相手のことを好きになろうとするので、もちろんしんどいんですけども、実はこれは相手のためではないんですよね。

自分のため、自分を守るためというと聞こえはいいんですけども、自分のためにやろうとしてる上に、たとえば皆さんなんでもそうなんですけども、食べ物でもいいんですけども、嫌いな食べ物を好きになろうとして好きになれたことって成功率どれくらいだと思いますか?っていう話で。

あんまり高くないと思うんですよ。ゼロじゃないかもしれませんけども。

だから人を嫌いになっちゃいけないなと。

で、この人の良いところどこかなって、嫌いにならないようにしようっていうことは、多分嫌いなんですよ。実は。

嫌いなんだけど、嫌いになっちゃいけない、人を嫌ってはいけないって思ってる分だけ、その人を嫌いな自分を認められないので、その嫌いって気持ちを見ないようにするために、なんとか頑張って好きになろうとしてるんじゃないかなっていうふうに僕は見てるわけですね。

もちろん全てのケースがそうではないかもしれませんし、さっきも言いましたように、もともと多分優しくていい人なんですよ。

だから相手の価値とか良いところを見て、それを表現していく、伝えようとするっていうことは素晴らしいことなんだけども、でもそれっていうのが、あくまでも自分の怖れから、あるいは罪悪感とか自己嫌悪っていうところを理由にそうした行為をしようとするのであれば、それって補償行為で犠牲的なので、ただただしんどい上にどんどん自分がプレッシャーというか、強迫観念に負けてしまうっていうことになるのかなと思うんですね。

だから実はここはすごく重要なポイントなんですけども、「嫌いになってはいけないって思うということは実は嫌いなんだ」っていうことですね。

まずこれを一つ目に説明させていただきました。

そして、これは自己肯定感そのものなんですけども、今の自分、今ここにいる自分っていうものを、やっぱり受け入れられない自分というのがあるんですね。

つまりさっき一番最初に意地悪な質問があるんですけどってお聞きしましたけども、実は自分のことが嫌いなんですよ。

自分のことが好きになれないんですよ。

だからそれを投影するんですね。

嫌われるって思います。

昔あるセミナーで、「僕みんなに嫌われてるんですよ」って男の子がいたんですね。

で、その子におもしろいなぁと思って「なんでみんなに嫌われてると思うの?」って聞いたんですよ。

そしたらその子は、なんと、みんなに「僕のこと嫌いだよね?」って聞いたらしいんですよ。何人かの人に。

で、「なんて答えたの?みんなは」って。

「みんなはそう聞かれて“うん”って答えないじゃないですか。僕のこと嫌いでしょ?って聞いたら、いやそんなことないよとか、いやいや全然そんなこと思ってもないよっていうふうに、みんな気を使って嘘をついてくれるんです」って言うんですね。

「なんでそれが嘘だってわかるんだろう?」って率直に思うんですけども、その彼の中では自分は嫌われてると思ってるのでそれを確認しに行ったんですけど、嫌われてると思ってるから、そうじゃないよっていう意見が耳に入ってこないんですね。

「いやいや嘘つかないでいいよ。嫌いだから嫌いって言ってよ」みたいな感じなんだけど、いや相手は嘘もなければ、そんなに別に嫌ってはないけどって素で答えたとしても、自分はそうは聞こえないんですね。

じゃあなんで彼がみんなに嫌われてると思うかっていうと、自分が自分のことを嫌いだからなんですね。

自分が自分のことを嫌いだから、相手のことを嫌っていくっていう心理的な背景っていうのがまず一つ大きなものがあります。

で、二つ目なんですけども、人のことを嫌っちゃいけないって思うようになったのはなんでなのか?誰の関係がきっかけだったのか?

たとえばお母さんがすごい厳しくて、「なんでも好きになりなさい!」みたいな教育をしてたりとか、お父さんだったりお母さんがすごく過干渉・過保護だったりとかして、「嫌いなんてそんな怖いこと言わないで」みたいな感じで、嫌いな気持ちっていうのを持つことを嫌うようにしたりとか。

そういった環境だったりとか、あるいは学校でとか、先生との関係でとか、そういうところで多分嫌いになっちゃいけないと。

だからもともと優しくていい人が、もっと優しくなろう、もっといい人になろうっていうふうに頑張っちゃうようになった、なんか理由っていうのがあると思うんですね。

その理由っていうのがなにかっていうと、「痛み」なんですよ。

傷ついてるんですよ。

だから本当はなんでそういうことをやるようになったのか?っていう理由を探っていくと、実はそこに大きな「自己嫌悪」っていうのがあったりとか、「トラウマ」っていうものがあるかもしれなくて。

それをちょっと癒やしていくっていうことをやりたいよねっていうのが、僕らのお仕事になってくるわけですね。

ただ、やっぱりさっきちょっと自己肯定感という話をしましたけど、今の自分のままで十分いい人で優しいんですよ。

ところが僕らって、その長所に対して自己嫌悪があるともっと伸ばそうとするんですね。

だからいい人で優しい人は、そのままでいて優しいんです。

普通に歩いてるだけで優しいんですよ。言葉が優しいんですよ。考え方が優しいんですよ。

でもそれが自分にとってはデフォルトなので、わからないんですね、それがね。

普通だと思ってるんです。

だからもっと人に優しくしたいとか、もっと優しくしなきゃっていうふうに思うようになりますし、それが補償行為として、怖れとか自己嫌悪からもっと優しくしなきゃなんていうふうに思うと、もう今の自分で十分100点満点なのに、120点、150点取ろうとして頑張るような感じなんですよ。

100点満点のテストで100点取ってる人が150点取ろうとするっていうことは、どんだけ大変か、できないっすよ・・・みたいな感じですよね。

だから、そこがやっぱり今の自分の持ってる魅力、いい人、優しいだとか、人の気持ちがわかるとか、場の空気を読めるとか、ちゃんと相手に配慮しながらコミュニケーションをとれるみたいな、そういう長所がたくさんあるはずなので、そういった長所っていうのをぜひともまず受け取りましょう、認めましょうっていうところ。

「私ってそういうところがあるんだな」

「僕ってそういうところがあるんだな。なんだ、素のままで十分僕って魅力的なんだな。いいんだな」

っていうふうにまず自分で自分を承認する。

つまりどういうことかというと、自分で自分のことをもっと好きになってあげるっていうことですね。

自分のことを好きになると、さっきの投影の話に戻りますけど、それを周りに投影するので嫌われてるって発想がなくなっていきます。

「みんな僕のこと好きでしょ」っていうふうに感じます。

まぁ出し方によってこれはウザくなりますけどね。

でも「みんなに愛されてるな、みんな好きなんだな。僕のことが好きなんだな」っていうふうに思えたらどれくらい人生が楽になるか。

でもそれって自分が自分のことを好きになって、自分が自分のことを愛してあげればあげるほど、それが投影となって返ってくるわけですから、ものすごく簡単に幸せになれるんですね。

あとはなにが難しいって、自分で自分を認めるというところにみんな困難を感じるんですけども。

でも「今のままで十分魅力はあるんですよ」っていうところを皆さんが理解できると、それだけでもいいかなっていうふうに思います。

ということで、今日も最後まで聞いていただきましてありがとうございました。

根本でした。

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