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顔データの可能性

iPhoneX以降に搭載されたFace IDは、顔認証を世の中に広めました。個人的には、Touch ID(指紋認証)の方が好みなのですが、それは、おいておいて。今回は、顔データの可能性を考えてみたいと思います。

顔という最強のID

iPhoneが採用したということからもわかる通り、顔認証による個人特定はかなり高精度になっています。

中国は顔認証機能を搭載したサングラスで、6万人もの観衆が集まるコンサートで、逃亡犯を見つけ出すことに成功しています。

顔認証には個人の認証という特徴以外にも、以下のように、様々な特徴があり、今後は更に注目が高まると思われます。

特徴1. 非接触で認証が可能

Touch IDの場合は、認証するために認証端末に触れる必要があります。スマホのように、利用する際に必ず触れる必要のある端末であれば、問題ありませんが、非接触の方が便利な場合があります。

例えば、コンサートや、駅の入場ゲートのような場所では、「わざわざ端末をかざす」や、「チケットを見せる」などのアクションが不要になります。また、そのための読み取り機械も不要なのです。顔認証であれば、カメラ一つあれば、実現出来てしまいます。

これは、大幅なコスト削減となります。さらに、事前に登録さえしておけば個人も特定出来るため、決済サービスと紐付けることも出来るのです。Appleが決済サービスとして、顔認証機能を他社に提供すれば、それだけでシームレスが決済サービスが可能になってしまうのです。

Appleすごい。。
(まだ、世間が顔認証に慣れていなく、反発がありそうなので、やらないと思いますが。)

特徴2. 複数人同時に認証可能

非接触であるため、顔認証は複数人を同時に認証することも可能です。「一人一人、順番に。」ということすら不要になるのです。

ただ、カメラの前を通るだけ。これで、認証が済み、様々な個別サービスが受けられるのです。カメラで撮られていることすら気づかないまま、個人としての認証が済んでいるという体験も可能なのです。

特徴3.感情が読める

僕らは、普段コミュニケーションを取る際に、相手の顔を見て話すと思います。「顔色を伺う」という言葉もある通り、人間の表情からは多くの感情が読み取れます。

僕は、顔の特徴として「感情が読める」というのが今後、ビジネス的に大きく注目されると考えています。エンターテイメントが巨大な市場となる中、観客の感情を数値化することにはとても大きな需要があるはずです。

現状は、感情を数値化するためには、アンケートに答えてもらい、判断するしかありませんでした。どのシーンが興味を引き、どのシーンでは飽きていたか。などの細かなデータは取れていないのです。

映画館にカメラを置き、観客の表情を数値化することで、映画作りの手法を大きく変えることも考えられます。

また、単純にiPhoneのインカメラを利用することでも、今までにないデータが取れるでしょう。

例えば、ストリーミング配信されたライブで、アバターを通して、自分の表情を配信者に伝えられるようになるアプリなどが考えられます。配信者は「どの場面では、この属性の人は楽しい表情をしていて、この属性の人は少し飽きてしまっていました。」などがわかるのです。

CMなどを見た際の表情を解析しても、注目度やその時の感情で売上予測などがたてられるかもしれません。

まとめ

顔認証は今後確実に注目されるでしょう。しかし、顔のデータを利用されることに、抵抗を示すひとが多いのも事実です。

Appleが流石だなぁ。と感じるところは、いきなりビジネスとして顔データを使おうとせず、ミー文字などのエンタメ要素たっぷりの使い方を提案し、顔をデータとして利用することの楽しさを全面に押し出し、不安感などをなくしている点です。

今後も、しばらくはエンタメ向けの使い方が続くでしょう。そして、どこかのタイミングで、感情と表情を紐付けるようなサービスをリリースし、「この表情の時はこの顔なんだな。」というデータを集めていくはずです。

「ビジネスで私の顔が使われる。」という抵抗感よりも、ゲーム性のある楽しいコンテンツとしてリリースし、顔データを提供することに対する抵抗感をなくしていくことが出来るか、注目です。

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