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ITシステム運用現場のマインドセット

IT運用の現場は荒れやすい。

来る日も来る日も、ユーザからの問い合わせや、障害への対応。

自動化されない単純作業。手順書の無い作業依頼。

システムは動いてて当たり前。

止まったら、現場から上まで大慌て。

そんな大切なシステムを運用してるのに、なんだか安く見られてる気がする。

そんな悩みを抱えていました。

私は、SIerとして金融系企業のITシステム運用業務を数年経験し、その後、要件定義から、運用設計などインフラ基盤のシステム構築全般を行い。近年の2年くらいは、製造業のシステム運用に関わっています。

途中、ITコンサルタントに転職して、オフショアでの運用業務などにも関わっています。

その中で学んだ、ITシステムの運用業務における閉塞感を打ち破るために必要な、マインドセットを3つ挙げてみます。

閉塞感打破の為のマインドセット

1.既存のやり方に文句をつけまくる
2.手順書という資本
3.障害はチャンス

1.既存のやり方文句をつけまくる

まず、一番大切な事は、常に「今までのやり方」に文句をつけていくという考え方です。

「なんでこんな、非効率な事をしなきゃいけないんだ。こうしたら効率的なのに。」
「どんな設計してんだ。俺ならこう設計するぜ。」

と言うように、おかしなやり方をしているものにはドンドン文句を言いましょう。実際に口に出すときは、言葉遣いには少しだけ気をつけてくださいね。

ここで、重要なのは「俺ならこうする。」と言う解決方法まで考える事です。

代案なき批判はなにも生み出しません。

そんな、正しい文句と改善案は、あなたがSIerとして、運用を請け負っている場合、そのまま「改善提案」として営業活動につなげることができます。

お金を生み出す提案が出来る人材は、営利企業の中では「神」です。評価が上がればあなたの社内での自由度は上がっていきます。

もし、あなたの提案で仕事とお金を生み出してるにも関わらず、評価されないのであれば、今すぐその実績を携えて転職しましょう。

職場は選び放題です。

2.手順書と言う資産

例えば、運用しているシステムであなたにこんな依頼があったとします。

「アプリの大型リリース作業があるので、バックアップを取得してもらえませんか?」

割と良くある話かと思います。この時、運用担当の方は手順書を探し始めます。

しかし、ここで問題発生。

「手順書がない。。」

先輩に、やり方を聞くと。

「あぁ、それは普通にバックアップコマンドをググって、前のバックアップが置いてるディレクトリに同じように置いといて。」

とのこと。。

流石にこんな酷い現場はなかなか無いかも知れないですが、こんな状況は良く発生します。

ベテランさんが個人的にやり方を知っていて、誰かにやってもらうたびに手順を説明するのです。上の例では説明すらしてませんが。。

そして、実際に作業した際に出てしまう、細かな、環境依存のエラーなどは、また、その人に聞くか、調査しながら進めるしかありません。

こんな現場の難しい所は、「ベテランさん」は、みんなからは仕事が出来る人という評価になっていることです。

SIerにいた頃はこのような人が何人か居ました。確かに、属人化すると、その人を頼らざるを得なくなり、「あの人が居ないと回らないよね」状態が発生します。

こうなると、頼られているように感じるかもしれません。

しかし、あなたがもっと高い志があるのであれば、こんな仕事の仕方は辞めましょう。

運用現場で飼い殺されます。

手順書は資産です。

次、同じ作業がある時には、自分以外の人に手順書を渡すだけで作業をアウトソースできます。

(※ 作業者は全ての操作がどんな意味を持つか、考える事は当然の事として考えてください。しかし、その作業にどんな意味があるか、手順書に適切にかくと言うことも大切な事です。)

また、その中で出たエラーのナレッジも手順書に随時反映させる事で、作業効率も高まっていきます。

空いた時間はより自分の身になる仕事にチャレンジしていきましょう。手順が無いのであれば、あなたが作るのです。

3.障害はチャンス

最後に、運用現場で最もピリつく状況。

障害。

これをチャンスに変えるマインドセットを身につけておきましょう。

まず、障害発生した場合、あなたのオペミスが原因であったとしても、責任逃れなど考えず、正直に状況を上司に伝えます。

ここで少しでも情報を隠すと、後々あなたの責任となります。逆に、ここで全てさらけ出して、上司を巻き込みまさえすれば、あなたの責任は大したことありません。

失敗は誰にでもある事です。

起こってしまったことは仕方ありません。むしろ、あなたがそんな障害を起こせる状況にある事が本来間違った事なのです。

だから、全て隠さず話します。

障害現場で唯一の罪は、情報を隠すことです。

障害が起こると、普段見過ごしてきた危険なオペレーションに見直しが入ったり、煩雑なオペレーションの改善に予算が付く事があります。

ここで、しっかりと、原因を整理し、現実的な改善案を出します。

恨むべきは仕組みであり、個人ではありません。

障害が起こらない仕組み作りを目指しましょう。

まとめ

以上の3点を心に刻み、明日からの運用業務に精を出しましょう。

本来、運用現場は学びの宝庫です。

様々なシステムの全体像を把握できる運用資料にアクセス可能。多くのシステムの障害ポイントが経験出来る。など、本来は喉から手が出るほど良質な情報なのです。

少し、マインドセットを変えるだけで、運用現場は大きな可能性に繋がっています。

とはいえ、その知識を生かす為には1つの現場に居続ける事はお勧めしません。

3年以上、同じシステムに関わって居るのであれば、すぐさま現場を変えてください。

学びという面において、流れの速いIT業界で同じ現場に居続けるメリットは一切ありません。

それでは。

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