2021.12.14
もう2年ほど前になるか、岩手の山奥で39度の熱を出したことがあった。所属していたサークルの夏合宿初日。いつもの合宿所に着いたとたん、寒気がして早めにその日は寝させてもらったのだが、次第にひどくひどくうなされて、暗闇の中どちらが上なのか下なのか、それすら判別つかないほど意識がぐるぐるとかき乱されて言葉にもならず布団の上でただ錯乱し、動けないのでとにかくうーうーとうなっていた。ふと気が付くと、心配してくださった先輩に体をゆすられ、顔をのぞき込まれ、熱をはかると39.8℃あった。原因はいまだによくわからないが、おなかもひどく壊していたので何か食べ物に当たったのかもしれない。「たぶん牛タンがよくない、よしのはもう牛タン食べちゃダメ」、という人もいた。
非常に高い熱は意識をひどく混乱させる。それが怖いからできるだけ熱は出したくない。風邪もひかないように気を付ける。
それなのに昨晩は熱もないのにふと目が覚めて、高熱に似た混乱状態に陥ってしまったので驚いた。特に原因も思い当たらない。夢にうなされているにしては現実の手触りが確かすぎた。不眠で眠れない、あるいはすぐに目が覚めてしまうようなことは何度もあったけれど、突然パッと目が覚めて高熱の時のように何もかもよくわからずただうなるしかないような、そんな状態になるなんてことはこれまでになかった。
翌朝目が覚めて、2年前の高熱を思い出した。高熱でなくとも、ふと眠りから覚めて意識が暗闇でひとりあばれだしてしまうこともある、ただそれを知った。何かしでかすでもなく今夜部屋に一人でよかったと思った。その間ずっと雨の音がしていた。
その後は静かに家事を済ませ、本をいくつか読み進め、ドトールで詩の推敲をし、『どろろ』を2話みた休日。夕飯は塩焼きそばだった。ひさしぶりに家族3人そろって食事をした。
今日読んだもの:三浦雅士『考える身体』、『いぬのせなか座 2号』
聴いた曲:シャムキャッツ『GIRL AT THE BUS STOP』