見出し画像

たかがメインカメラをやられただけだ!

メインカメラをやられた。いや、コンタクトを落とした。
私は、円錐角膜という角膜の病気を患っており、その治療として特注のハードコンタクトを作っている。角膜の変形なので、ピント調節がうまくできなくなり、乱視と近視によりものがうまく見えなくなるのが主な症状であり、また、いろんな要因で角膜が薄くなったり、最悪そのコンタクトでさえ視力を出せなくなる。
辛い。なんか前世で悪い事したのかな。そう思う程には、辛い。

さて、コンタクト…純粋な視力低下で用いるソフトコンタクトは、月々いくらなのだろうか。
私が円錐角膜の診断を受けた10年前、私はローズKというコンタクトを使っていた。
その値段は、1枚2万円。両目で4万円。ハードは脱落しやすいので、替えを用意する事が一般的だ。つまり、2セット9万円近くする。
ハードは、脱落しやすい。寝る前に取って、朝起きたら無くなってるケースもある。そして、死ぬほど小さい。マーブルチョコレートやiPhoneのホームボタンを一回り小さくしたくらい。小指の指先程度。恐らく、この程度でも問題なく扱える人も多いと思う。しかし、ハードコンタクトを使う程度の進行ということは、視力がほぼ出てないということだ。
つまり、相当気を使わないと、あっという間に紛失する。本当に、あっという間に。
私は、診断直後の時期はパニックになりやすく…冗談抜きで、総額だけで良いゲーミングPCが購入できる程度のお金が無くなった。
これは、あくまで私の例だが、こういった「お金」の問題でどうにもできない患者もいる。そして、かつての私も、それが原因で病院嫌いになったのも事実だ。


左目のコンタクトを落としたのは、9月の終わり。
歯医者の支度をしてる時に、落とした。しかし、先述の要因が思考を蝕み、病院に行けなかった。それから約1ヶ月後の11月頭に右目も落とし、そこから色々とあって電車で2時間の専門医に行った。だるかった。しかし、良かった。
おニューのコンタクト、とてもクリアに見える世界、美しい空、そして、詳細に見えるpixivのホーム…こんなにも世界は美しいのかと、感動した。
その反面、前述の莫大なお金を用意しないといけないのか…と、覚悟を決めていたが、メニコンで月々2000円程度で利用できると聞いて、ビックリした。円錐角膜は、金がかかる病気と思っていただけに、驚きで泣きそうになった。
2000円×12ヶ月と考えると、本当にありがたいサービスだ。また、保証サービスもある為、かなりありがたい。本当に、ありがたい。


かつて、時の戦士が言った。「たかがメインカメラをやられただけだ!」と。
彼は、簡単に言うと失明に近い状態で戦いに挑み、勝利した。
一般人では、そんなこと出来ない。つまり、私はニュータイプではない。私は、一般兵なのだ。
病は恐ろしいものだ。しかし、無闇に恐れると、本当の強大なものとなってしまう。
正しく病を知り、正しく病を恐れる事こそ、人間として生きていく上でとても大切な事、なのかもしれない。

そんなことを痛感する、約1ヶ月だった。
今回を経て、病気や病院に対してのハードルが下がりつつあるので、長年放置していた治療や挑戦を積極的にしていこうと思った。
実りある体験だったが、それとは別に、ちゃんと病院に行こう。
そう、自戒した出来事だった。

さて、爪噛み防止の付け爪が取れそうなので、メンテナンスをしたら寝ようと思う。
おやすみなさい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?