東陽町「NiHITARU」で街サウナの気概を味わう(サウナレポ)
たまたま休みがとれたので、少し足を延ばして東陽町「NiHITARU」に行ってきた。
行く前日(10月29日)にオープンしたばかりの、できたてホヤホヤのサウナで、期待が高まる。
最近できるサウナはどこも個室が多く、こうして気軽に行ける値段でもないので、新鮮な気分だ。
東陽町は初めて降りたが、一目でみて団地の街、という感じがした。オープンまでの時間をぶらぶらしていると、団地の中に商店街があるような表示があり、覗いてみると団地の敷地内にスーパーや居酒屋、メシ屋が軒を連ねており、なかなか面白い光景だった。
団地の中ですべてがそろうというコンセプトだろう。なんというか、「昭和の夢」といった感じだ。
「NiHITARU」は駅からかなり近く、道を一本入ればすぐある。一見して美容院か何かのようなおしゃれなたたずまいだ。
開店してコースを選び、2時間コースとポカリを注文。中に冷水器等はないので、頭に入れておくとよい。
脱衣所もさすが新しい施設らしくきれいだ。
浴室内に入ると、おしゃれで清潔な内装でかなり良い。アイボリーや茶色の落ち着いた色調で、タイルの色味などもきれいだ。変なたとえだが、こじゃれた美容院かカフェのウェブサイトみたいな質感だ。
通常のお風呂(熱い風呂)があるのもうれしい。最近できる施設は風呂をオミットしてシャワーのみにしている施設もあるが、個人的には熱い風呂なり炭酸泉なりがほしいと思っている。服を脱ぎ浴室に入って即サウナだと、なんだかちょっとせわしないと感じるからだ。
お風呂にゆっくりつかってから、サウナへ。「HITARU」と銘打たれたプレートがある扉を開けると、小さなサウナ室がある。
基本は席が2段×4人ほどの幅。小さなサウナ室に比べるとけっこうでっかい、しっかりしたサウナストーブとがある。奥のほうに目を向けてみると、隠された3段目が1席分あるのも遊び心があって良い。
いい感じに落ち着く音楽が流れるサウナ室の温度・湿度は、過不足ない……というか、すごく適度だ。熱すぎて息苦しいことも、ぬるくて物足りないこともない。加えて、オートロウリュが起こるとぐーっと湿度が上がって、マンネリ感もない。”浸る”という名前がぴったりの、しみじみ良いサウナだ。
水風呂ももちろんある。風呂と同じぐらいの大きさがあり、横に広いタイプなので足を延ばして入ることができる。水温はけっこう冷たい。冷たいのが好きな人も満足できるはずだ。横に広いので、複数人が入ることになってものびのびできるのは良い。
外気浴は、水風呂から出てすぐのところに6席とサウナの前に1席、そしてなんと外気浴スペース(文字通り外のスペース)が2席ある。これにはけっこう驚いた。どうやって空間を捻出したのか、と思って出てみると、ちょっとした庭みたいなエリアを壁で仕切って作り出していた。
外気浴スペースから適度な風が入り、室内にも(たぶん)扇風機があって風を送ってくれるのがいい感じ。
もちろん導線もばっちりなので、かなり満足度の高いサウナ行為だった。
「NiHITARU」のすごいところは、これら全部の施設が、かなりコンパクトな敷地内にまとまっているところだ。たぶん文章を読んで想像しているのの2/3ぐらいの広さしかない。しかし、必要な施設はすべてそろっているので、コンパクトさは感じても狭さは感じない。
店側が入館人数を絞っているのか、単に平日だったからか、人が浴室内に少なかったのも、狭くても快適なサウナ体験を支えているのだろう。これはすごいことだ。
「NiHITARU」はSNSなどでも「街サウナ」という言葉をよく使っていて、これがたいへん良いなと思った。狭くても、この街のサウナをやっていくぞ、という気概が感じられた。
冒頭にも書いた通り、最近のサウナブームを受けて開店する施設は少なくないが、その多くは個室サウナや予約制の時間貸しサウナだ。おそらくそのほうが、スペースに対する利益が出るからだろう。しかし、それでは「街サウナ」=この街のサウナにはなりえない。わざわざ予約をして、高いお金を出してまで個室サウナを使うのはごく一部のサウナーに限られるからだ。そうではなく、誰でもいつでもウェルカムな「街サウナ」をやっていこうという「NiHITARU」の姿勢には、たいへん感銘を受けるところだった。
機会があれば、近くの人はぜひ、東陽町の街サウナ「NiHITARU」に行ってみてほしい。
サウナに行きたいです!