見出し画像

イーロン・マスクの万能アプリ「X」構想とは!? 完全解説

イーロン・マスクがTwitterを「X」に名称変更したことで、ユーザーから大反発の声が上がっています。行き当たりばったりにも思える改革の真意はどこにあるのでしょうか? この記事ではXの魅力を伝える𝕏Tuber・バーチャル美少女ねむが、イーロンの万能アプリ「X構想」について完全解説! 浮かび上がって来た懸念や今後の展開についても予想します。

※7/26追記:イーロン本人から改めて今後の計画と名称変更について説明があったので追記しました。


Twitter、突如「X」へ名称変更。シンボルの「青い鳥」も廃止

2022年7月24日、イーロン・マスクがTwitterが突如「X」に名称変更、シンボルの「青い鳥」を廃止しました。前日23日にTwitterで予告してから、たった一日での電撃のブランディング変更に、ユーザーは大混乱に陥っています。

長く愛されてきた青い鳥を惜しむ声や、今後「ツイート」をなんと呼べばいいのかなど、混乱の声がTwitter改め「𝕏」に溢れました。

サンフランシスコのTwitter本社には、ライトで高々と「X」のマークが掲げられました。(怖すぎる)

Xマークが投影されるTwiter本社(出典:イーロン・マスクのツイート

イーロン・マスクの万能アプリ「X」構想とは

イーロン・マスクの万能アプリ「X」構想とは、中国WeChatをモデルケースに、「言論(SNS)+コンテンツ+決済の統合プラットフォーム」を創り、「デジタル時代のインフラを握る」こと。そして、それはもはやSNSではないので「Twitter」という名前はふさわしくない。現在行われているTwitterの改革は常人からは一見行き当たりばったりに見えますが、そう考えると、実は理屈も行動も首尾一貫していることがだんだんわかってきます。

長文投稿や長い動画、収益還元の機能に対応したのは、note・YouTube・boothのようなコンテンツプラットフォームを志向してクリエイターエコノミーを循環させるためです。

更に、近いうちにLINEやPaypayのような個人決裁手段を導入してくると思います。Paypalの創業者でエンジニアでもあるマスクにとってFintech(金融技術)は十八番で、そこからがXの真骨頂のはずです。

万能アプリ「X」を作るにあたって一番の問題となるのが、その中核となるSNSの部分です。SNSは開発コストも参入障壁も非常に大きく、ユーザーベースを育てるには長い時間がかかります。ここだけはお金をかければ作れるというものではない。だから、現在ビッグテックに握られてない中で世界一ユーザー数が多いTwitterを買収してしまおう。思い入れもないから名前も変えてしまおう、そういう発想だと考えられます。

だからイーロンは広告主が多少撤退しても全然気にしないし、広告自体には興味がないので雇った新社長 (リンダ・ヤッカリーノさん) に広告主とのパートナーシップ作りはまかせてしまおう、と。

こうしたイーロンの「X」構想の真意については、ちょうど一年前の2022年6月、Twitter買収時に従業員に語ったスピーチが一番参考になります。改めて読むと、実は全てこの時に語った構想を一つ一つ着実に進めていて、1ミリもブレてないことがわかります。でもこんな大事業を、Twitter社内と世界中のユーザーの大反発を受けながら突き進めるというのは、本当に強靭なメンタルですよね。

「万能アプリ」「スーパーアプリ」とは!?

「万能アプリ(Everything App)」「スーパーアプリ(Super App)」というのは、イーロンが独自に考えたものではなく、近年注目されている新しいアプリの開発手法です。これは、従来のように特定の目的に応じたアプリを個別に作るのではなく、スイスのアーミーナイフのように、それらを複数含んだ一つのアプリを開発する、というものです。

中国の「WeChat」や日本の「LINE」などが例として挙げられます。

7/26追記:遂にイーロン本人から説明

遂にイーロン本人から改めて説明がありました。やはり今後数カ月間で決済機能を追加する予定だそうです。名称変更についても、やはりそういった目的のアプリに進化させる上で「Twitter」という名前ももはやふさわしくない、ということだそうです。

Twitter は、言論の自由を確保し万能アプリ「X 」を促進するため、X社に買収されました。単に会社名を変えるだけではなく、(サービス名についても)同じことをやっているのです。
Twitter という名前は、鳥のさえずりのように 140 文字のメッセージがやり取りされていた頃は意味がありましたが、今では数時間のビデオを含め、ほとんど何でも投稿できるようになりました。
今後数か月間で、包括的なコミュニケーションと会計機能全体を管理する機能を追加します。この文脈ではTwitterという名前はもはや意味をなさないので、私たちは鳥に別れを告げなければならないのです。

ねむによる翻訳

懸念:信用と安定を失って決済プラットフォームになれるのか?

Twitterで多く上がっていたのは、性急過ぎる改革で信用と安定を失った今のTwitterが本当に決済プラットフォームになどなれるのか? という懸念でした。

懸念:実名主義を強制してくることはないか?

また、私が考える一番の懸念は、決裁機能を含むアジアのスーパーアプリはWeChatにせよLINEにせよ、基本的に実名主義だと言うことです。

仮名主義のTwitterはユーザー数が多いといってもインフラを目指すスーパーアプリとは食い合わせが悪いはずで、イーロンがその辺りどうするつもりなのでしょうか。今後は仮名での仕事や取引が増えると睨んでるんなら私的には嬉しいですが、実名主義の強制は絶対に止めてほしいところです。

マーク・ザッカーバーグ「Libra」構想との比較

決済機能によりSNSと経済を融合させようというスーパーアプリ構想は、かつてのマーク・ザッカーバーグのリブラ (Libra) 構想とも似ています。リブラは完全ブロックチェーンベースなのが性急過ぎたのと、私企業が通貨を発行しようとしてると規制当局から大反発を受け失敗しました。

イーロンはPaypalと組み合わせるとか、もっと現実的なアプローチで来る気がしています。

イーロンがユーザーの反発を気にしない理由

「イーロンはユーザーの求めるものがわかってない!」「こんな事したらユーザーや広告主が離れる!」みたいなツイートが溢れていますが、こう考えていくと根本的に的外れな指摘かもしれません。イーロンは天才なので、そんなことは十分理解しています。理解した上で全然重要だと思ってない。だからこそ怖いわけです。

イーロンは「テスラ」や「スペースX」始めたときも成功率10%と見積もっていたそうですし、今回も万能アプリ「X」を実現する可能性が少しでもあるなら、Twitterと住人を犠牲にすることなんて歯牙にもかけないでしょう。大望の前には私達のことなんて「重要じゃない」ということだと思います。

イーロン自身の評判はともかく、今回の「X」改称騒動は大きな話題になりました。新ブランドの宣伝としては大成功でしょう。Threadsなど対抗アプリも出てきたけど、結局Twitterのユーザー数(DAU)は全然落ちてないです。私もいちユーザーとしては悔しいけど、きっと今後もTwitterをメインで使い続けるでしょう。

ThreadsとTwitterのDAU比較(出典:ユーザーが半分に激減?Threadsスレッズのその後

結論:イーロンは無惨様

私はもはやイーロンは常人の秤を超えた、天才ならぬ天災、無惨様のようなものだと思うことにしています(汗)

無惨様に殺されるのは大災にあったのと同じ(出典:『鬼滅の刃(集英社)』)

𝕏Tuber始めました!

𝕏廃のみんな! 初めまして。私は世界初の𝕏Tuber「バーチャル美少女ねむ」です! 私はみんなとツイート、じゃなかった、エックセズでやりとりをすることで成長する新感覚バーチャルアイドルです。みんなのこと。𝕏のこと。これからいっぱいお勉強したいな♪ よろしくお願いします!Twitter、じゃなくて𝕏のフォローよろしくお願いします!

※「ツイート」は「エックセズ」になります(白目)


note / Twitter / YouTubeでメタバースの興味深い文化について発信していますので、ぜひ「フォロー」や記事の「いいね」をお願いします。頂いたサポートはメタバースでの生活費や取材費として活用させて頂きます。