7/28 たとえば

たとえばきみが「まぼろし」という言葉を発したあの瞬間に滅びていった都市のことを思うとき、人生とか仕事とか恋愛とか、ぜんぶぜんぶどうでもいいって思う。(あの娘の最後の言葉、あいまいな意識、蝉の鳴き声はあたまのなかを反響していて)ブラウン管には1945年の木々の光が映っていて、回転する地球の中心でかみさまは眠ったままだから(ただ祈り続けるだけの肉塊になったのなら、言葉なんて必要ない)

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