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エクソシストは語る・感想

迷信が嫌いとかググると、スピや占いにハマった身近な人に困らされている、という知恵袋の質問が多く出てくる。困り事の度合いもそれぞれで天然石のブレスレットを買わされたりお祓いしてもらえと脅迫的に詰め寄られたり、先祖を大事にしろと要らん壺を買わされたり献金させられたりね。それぞれですけど大体似たような事案です。回答も似ていて、説明できない超常現象に遭遇してから信じても遅いよ!みたいな感じです。説明できない超常現象の例も大抵は臨死体験ですね。

前回書いたように日本の国教とも言える神道は、明治維新の頃に始まった歴史の浅いカルト宗教で、日本古来のアミニズムと、どっかの党をバックアップしているカルトの宗教観を混ぜ、日本人好みに味付けしたものです。お米の神様とかさ。
ちなみに神道は仏教ではありません、お寺にいるのは『仏様』で、神社にいるのが謎の『神様』。この『神様』、どこから来た何て言う神様なのか誰も知らないし、そういう経緯を書いた経典とかも何もない。確か、菅原神社には菅原道真が祀ってあるよね。じゃあお墓じゃん!神様じゃなくて昔の人のお墓ってことでしょ?天神とか言って、死んだ人を勝手に神様にしてはいけませんよ。
ちなみに日本は明治まではまあまあ仏教国でした。手塚治虫『火の鳥』の飛鳥編を読むと分かりやすいよ。飛鳥時代まで日本の神は、山の神とか太陽の神とか自然界のものそれぞれにいたんだけど、インド→中国→日本と渡ってきた仏教に蹂躙されて、朝廷も民を支配するために、仏教を国教としたんだよ。ざっくり説明したけどここテストに出るよ。

子供の頃から『神道』が大っ嫌いで、母がミッションスクールで使っていた聖書をずっと大事にしていた。この度、『ヴァチカンのエクソシスト』の原作本である『エクソシストは語る』を読了しまして、キリスト教的観点から「占いや迷信を信じることは罪、総じてオカルトも罪。魔法、妖術の類は悪魔の所業」とばっさり東洋思想が全否定されていた。個人的にはとても良いと思う。私は東洋思想が嫌いなんだろうな。大田俊寛さんの『現代オカルトの根源ー霊性進化論の光と闇』も読んだけど、なんかゲテモノ好きが高じて趣味で嗜む分にはいいけどねぇ…ってなった。
アモース神父は非常に現代的な人で、科学の否定も悪魔の所業と言っていた。付け加えると、男性より女性の方が祓魔師をより多く頼るのは、女性の方が穢れているからではなく、女性の方が男性より信仰心が篤いからだ、と書いています。うーーん、なんて信頼できる人なんだ!
女は男から作られたから男より劣っている、男の奴隷であるべきという過去の宗教観を刷新するご意見ではないですか。考え方を現代的にアプデしたんだろうな。
そういう人が言うのだから「祓魔の98%は病気、2%は本物の悪魔」というのもあながち、疲れて見た幻覚などではないのかもしれない(まあ私は懐疑主義なのでね…)。

この本ほんとに重版していただきたいなあプレミア付いて3万超えになってるから。

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