遠いようで身近な自然

どこにいても空気はある。食べ物を放っておけばカビが生えるし、土があれば草も生える。でも、都市部にいるとそんな当たり前にもあまり気付かなかったりする。

そこで、身近なものから世界の自然まで視野を広げる過程を描いてみる。そうやって見れる事が、人と自然のつながりを見つめる事に繋がると思うから。

今君がいる場所はどこだろうか。そこには何があるだろうか。おそらくそこには空気があるはずだ。

その空気はどこを漂ってきたのだろうか。都会を漂っていたかもしれない。山の上で雪を降らせていたかもしれない。森の中の草木の呼吸で出てきたものかもしれない。川の中に溶けていたのかもしれない。

空気一つをとっても、自分と関わりのある環境が本当はたくさんある事に気づくはずだ。それに気づくと、なんの関わりもないようなこともちょっと気になるかもしれない。

呼吸をするのは人間だけ?そんなことはない。道端の雑草も、その側を歩くアリも、その上を飛んでいく鳥も呼吸している。何が関わっているのかだけじゃなく、同じものは何かという事にも目を向けると視野がもっと広がる。

空気だけじゃない。例えば、今日飲んだ水はどこから来たんだろうか。その水が作られた過程にはどんな生き物がいて、どんな所を通ってきたのだろうか。今着ている服はどうやって作られたんだろうか、その原材料はどうやって作られて、どこから来たのだろうか。今日食べた物も、どこで原材料が作られて、どうやって作られて、食べられた後にどうなるのだろうか。

とにかく想像力を働かせてみよう。そうすると、実は遠いと思っていた自然の存在も感じる事が出来るかもしれない。そこで見つけた自然の片鱗に、今見えているものと共通するところはきっとあるはずだ。そうやって見つけていった自然の片鱗は、地球の殆どの場所で同じだったりする。

道端の草も、アマゾンの森林も光合成をして酸素を作ってる。植物の近くには虫もいて、その虫を食べる鳥もいる。

ちょっと気にするだけで、たくさんのものが見えるようになると思う。そして、そうやってたくさんのものを見て、色んな物を想像して、またたくさん見て、ということを繰り返していく。その繰り返しが、遠くの土地の話でも身近に感じられる足掛かりになるんじゃないだろうか。


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