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今の時代だから流行った?葬送のフリーレン

 「葬送のフリーレン」、なんとなく見始めたTVアニメ版が先日終了した。
漫画版の途中で切りよく終了したけれど、アニメ版2期の作成が待ち遠しい(最終回時には作成発表はなかったけれど)。
 物語を知らない方に内容をざっくり説明すると、魔王を倒した勇者一行の後日譚ファンタジー (剣と魔法の世界観)で、魔王を倒した勇者一行の「その後」のお話。魔王を倒したパーティーの一人である魔法使いのエルフの女性(人間ではないが、人に限りなく似た外見の長寿種)が、人の心を理解するための旅の物語。寿命が数千年と思われる長生きのエルフにとっては、勇者を含めた人間等の3名との魔王討伐の旅路は10年間ほどと短い。でも勇者が死んだ葬儀の日に、なぜもっと仲間のことを知ろうとしなかったのかエルフのフリーレンは後悔し、人の心を理解するための魔法使いフリーレンの旅が始まる。物語には戦闘シーンもあるけれど、魔王討伐の旅路と同じ北を目指す旅の中で、勇者一行と一緒にいたころや再び訪れた地での思い出の振り返り等で、ほっこりするシーンが多い(勇者はやエルフの魔法の師匠(人間)も長寿なエルフが自分たちの死後、一人孤独にならないように各地に旅の思い出等を残している)。これまでだとメジャーには絶対流行らないジャンルだと思うけど、今の時代に合ったのかな。旅路の中で、かつての仲間や今の旅仲間の気持ちを知り成長するフリーレンを見ていると優しい気持ちになれる。
 「葬送のフリーレン」はメジャーなバリバリの少年漫画の「週刊少年サンデー」で現在(2024年3月)も連載中。メジャーな週刊少年誌は、ほかに週間少年ジャンプがあり「ONE PIECE」「NARUTO -ナルト-」や、比較的新しいところでは「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」等。どれもヒットしているのは、少年が戦って成長するという戦闘がメインの物語が多いけれど、亡くなった仲間の弟子とともに旅を続けながら、過去の仲間との思い出を静かに振り返り変えることが物語のコアとなっているのは珍しく、寿命が長く他者への関心が薄い主人公は、今の停滞しているようで、また人によっては他者との関係が希薄化していると感じる日本で受けたのかなと思う。
 他の少年漫画の主人公と一線を画していて面白いのは、主人公の女性エルフのフリーレンは魔王を倒した一行の魔法使いとあって、めちゃ強いが、その強さを見せつけることなく、普段は生活に役立つ魔法(しつこい油汚れを取る魔法や失くした装飾品を探す魔法等)を披露することが多く、また旅先でその類の魔法を収集しているから、余計にほっこりする。そもそも強くなることに執着がない。なることは無いけれど、フリーレント自分が同じ立場だったら?性格が関わりそうだけど、世の中の流れに関心があるし、合理性重視の性格から、世界を巡りつつ、巡った土地で見つけた生活に便利な魔法から戦闘向きの強い魔法まで、探すことはないけれど興味がある土地に行き、その土地で見つけた魔法を行き当たりばったりに習得しそう。魔族も残党がいるみたいだから、訪れた土地で強い魔法があれば習得しとくか、みたいな。人によっては更に強さを求め、より強力な魔法を探すのかな。

 それから「葬送のフリーレン」は該当しないけれど、少し前から「異世界転生」という漫画のジャンルも流行っていて、元の世界で死んだりして転生先で活躍する内容だけれど、こちらも今の日本社会の閉塞感から「生まれ変わって人生をやり直したい」「もし自分が活躍できる世界に生まれ変われたなら」という願望がベースにありそう。
 私がもし転生したら、転生先を選べるとしたら?転生先でどうしたいのか?転生願望は無いけれど、明治維新直後の日本、東京や横浜が面白いかも。生活も体制もガラッと変わって、混乱期だけど新しい時代がやってきて、世の中の変わりようをダイレクトに見ることが出来るから。電気が通り始めた。決められた身分がなくなり、職業も事実上は自由になった。衣類も着物から洋服に変わってきた、髪型も変わった、みたいな世界。停滞は平和であれば、それはそれで良いけれど、変化のある世界が好きなのだと思う。
 話が少しズレてしまったけれど、「葬送のフリーレン」は今の時代だから広い層に受け入れられたと感じるアニメだけど、こんなアニメもいいよね、と思えた。
 あとは、小説を音楽にするユニットで世界的に有名になったYOASOBIのオープニング主題歌「勇者」もストーリの世界観とマッチして聴き入ってしまった。Webから曲をダウンロードして購入したし。
 
 先週日銀が17年ぶりに利上げをしてマイナス金利政策解除した。これが日本の経済の転換点になるのかな。日本の状況が変わったら、また世相に合わせたアニメや漫画が出てきそうだけど、次はどうなるのかな?

それはそれで楽しみだ。まったねー。
 

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