見出し画像

故意でない寝ている間の責任とれない

私は、自由奔放に生きたいと願うが、眠っている間が一番自由で、その自由さゆえに迷惑をかけてしまったことがある。

大学3年の時、仲良し6人で秋の京都観光をした。宿泊は長楽館という洋風の古いホテルで、ベッドが密着して設置されていた。日中歩き回り、疲れてよく眠った。

翌朝、隣で寝ていた友人が「猫柳ちゃんに蹴られた。私のおなかを猫柳ちゃんが蹴って痛かった。」と苦情を言ってきた。そんなことを言われても、全く身に覚えはなく、反省もできなかった。せめてベッドが1メートルくらい離れていたら、爪先がぶつかるくらいですんだろうにと思った。

時を経て、社会人となり会社のスキー旅行に出かけたら、高熱を出した子がいて、その子専用部屋を割り当てたら、狭い部屋に10人程が隙間なく布団を敷き寝ることになった。寝返りを打つのも厳しいくらいの窮屈さに、足蹴りを気を付けて寝た。

次の朝起きると、とても仲の良い友人が悲しい顔で「猫柳ちゃんの鼻息が、私の顔にかかった」と言われた。思いもかけぬ指摘に「だってこんな狭い部屋なんだから」と言い訳をした。その友人は鼻炎持ちで、いびきがうるさいのだが黙っていた。

寝相が悪いのは、子供の時からで、歯ぎしりといびきも家族から聞いていた。鼻息が荒いのは、言われて初めて気付いた。

私はひどい寝姿で毎日、気持ちよく寝ている。暑いと布団を蹴り、縦長にして寝たのに、起きたら横長の布団に変わっていることは数しれない。

長年の歯ぎしりの結果、歯が削られているのは歯科医が見たら一目瞭然らしく、マウスピースを使うのをすすめられた。私は鼻呼吸用の口に貼るテープを使っても、寝てる間にはがしてしまう。マウスピースも、口から取り外して投げ捨てることだろう。

誰かと一緒に泊りがけで旅行に行かなければ、迷惑をかけることはないが、万一入院して、大部屋で寝る日が来たら、いびきや歯ぎしりをうるさいと思われるだろう。でも、どうにもできない。願わくば、お互い様と言い合える程度の寝言いびき歯ぎしりの人たちと同部屋になりたい。