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Blenderおすすめ初期設定(Blender 3.3 / Blender 3.6)

 2023/12/16時点ではBlender 4系はLTS(長期サポート安定板)がリリースされていないのでLTSであるBlender 3.3, 3.6 での作業メモ。

 Blenderは2系初期のころ適当に触って「設定項目が多すぎ」でどこで何の設定ができるか探すのにくたびれて(存在し無いを確証えるのは普及していないソフトはとても大変)挫折したことがある。

 今回Blender3系を触って以前と同じ失敗を繰り返さないよう、最近のBlender系動画などでお勧め紹介されている初期設定などを参考にインストール後の推奨設定を自分なりまとめてみた。

 日本語化しない方がいいというヘビーユーザーもいるが、3系以降はかなり安定してきたとも聞くので本記事では日本語化する場合でのパターンを前提にしている。

設定項目を開くには「プリファレンス」
歯車のアイコンが目印

1.日本語化した時に「ファイル名の和名化」は無効にしておく

 Blenderは言語設定(図中の②)を行うと「ファイル名も日本語化」するらしい。日本語など全角文字は英語圏主体のアプリ、とくにオープンソース系ではトラブルの要因になりやすいので「影響:新規データ」を無効にしておく。ファイル名を手入力する場合も半角英数が無難だ。

日本語化する時に「新規データ」を半角英数のままにできるのを知らずに
全角文字のトラブルに遭遇し「とにかく英語で使え」という人もいるらしい。
個人的には慣れるまで初学者は日本語の方が学習効率が高いと思う。

2.アンドゥ回数は100回前後でまずは様子見。

 Blenderに限らず制作系ツールのアンドゥ回数は可変できるタイプは「とりあえずアンドゥ回数を増やせ」とする初期設定推奨が一般的だ。とくにAdobe系やClip Studioなどでよく目にする。しかし、ソフトによってはアンドゥのメモリーまわりの作法が雑でPCの物理メモリを食い尽くすものがある。

 Blender本体は普通だが「アドオン(プラグイン)のメモリまわりの行儀が悪い」ケースでトラブルが起きることがあるようなので、初期値32は少なすぎるとしても100前後でまずは様子見がお勧めだ。

 こういったパラメータ系を無条件にとんでもない大きな数値にすると「奇跡のような大作」が完成した頃にPCが不安定になってBlenderがダウンしデータが壊れたなどの事故も起きやすい。

アンドゥ回数の初期値が32なのは開発側で昔トラブルが多かったからだろう。
大抵、こういったパラメータが低めなのは暗に「過去に何かあった」ことを示している。
何かあったらCTRL+Zで戻れまくる設定は便利だが依存しすぎるとトラブルが増えやすい。

3.視点の操作を直感的にする

 Blenderの初期の視点操作は回転軸が選択範囲を中心としない。そのせいで、選択中に回転すると制作物を見失うケースがある。また透視投影が自動適応されるせいで「あれ?なんで見えないんだ?」となる事がある。

 これらは慣れや好みの問題であるが、芸術的大作をいきなり作らない初学者には「選択範囲を中心に回転」と「透視投影は勝手に実行しない」ほうが混乱を招かないと思われる。

初めのうちはズーム方法などもしっくり来ない場合はお好みで修正するに限る。
初期設定がしっくり来ない時は我慢せず、使いやすいように、どんどん変更してみよう。

4.ファイル圧縮は無効が推奨

 Blenderの保存オプション「ファイルを圧縮」は普段使いでは「無効」を推奨したい。これはファイルを圧縮できる代わりにBlenderのバージョン依存度が高まったりファイルのセーブやロードが遅くなる。

 ストレージ拡張ができない極限状態での容量制限をクリアしたい時などには使えるかもしれないが、物理的ストレージであるなら、物理拡張をおすすめする。とくにHDDであるなら、数TBでも5千円しない。頻繁に使わないデータはHDDに押し込んで日々使うものだけSSD運用にすればこうしたオプションはあまり使う必要が無いはずだ。

「圧縮」のような機能は常時使用ではなく、特定状況下での使用がお勧めだ。
ストレージ容量の節約より、うっかり有効のままだった時のトラブルの方がダメージが大きい。

5.初期値に戻したい場合

 本記事の設定は、あくまで筆者個人の設定なので、実際に適応してみて「初期値が良かった」という場合もあるかもしれない。そういった場合は簡単に初期値に戻せる

制作ツールは自分好みにすることが大事。
いじりすぎて訳が分からなくなったら初期値に戻せば大丈夫。

 本記事がBlender初学者の参考になれば幸いである。この手の設定カスタマイズの正解は、ユーザーの数だけあるので、本記事の内容に囚われず、自身の使いやすい設定を読者の方が自由に見つけていかれることを願う。

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