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大学院試験対策の総まとめ

みなさん、こんにちは!

来春から東京大学大学院学際情報学府 文化・人間情報学コースに入学する予定である、地方国立大学4年のねこです。

この文章は、私が大学院試験を通じて体験したことをまとめ、今後大学院試験を受験する方々の参考になることを目的として書きました。大学院試験対策について、1から10まで網羅的に書いたので、これから対策を始める人も、もう既に十分に対策をしている人も学びになることは必ずあると思います。
気になるところだけでもぜひ読んでみてください!

1.研究テーマの決定

大学院での研究テーマを決定することが、大学院試験の第一歩です。学部での研究に関係のない分野を修士、博士で専門とする方もいらっしゃいます。学部での研究を継続するのか、修士、博士で新たな分野の研究に挑戦するのかも含めて検討してみることをおすすめします。研究室訪問に行く前には、研究テーマをざっくりとでも決めておいた方が良いと思います。ここでは、研究テーマを決める上でやった方が良いことを紹介していきます。

1-1.関心のある分野の論文、専門書を読んでみる

関心のある分野の論文、専門書を読んでみることが、研究テーマを決定する上での初めのステップだと思います。面白そうだなと思った分野が見つかったら、とりあえず大学の図書館でその分野の専門書を2、3冊借りて、読んでみてください。その分野の大枠を本当にざっくり理解することができると思います。

1、2冊目は、知らないことばかりで読み切るのに時間がかかると思いますが、休み休み読んでみてください。おすすめの読み方は、ポモドーロ・テクニックを用いた読書方法です。ポモドーロ・テクニックとは、25分の作業と5分の休息を繰り返すという時間管理術のことです。専門書は、かたい文章で書かれていて、ページ数も多いので、読むことが嫌になってくることがあります。そういう時は、ポモドーロタイマー(アプリ)を用いて、25分読書、5分休憩を繰り返してみてください。驚くほど、読書が進むと思います。

また、誰かを誘って一緒に読むこともおすすめです。誰かと一緒に読むことで、責任感が生まれ、自分の気分に寄らず計画的に読書を進めることができます。

もしこの分野は違うかなと思ったのであれば、また他の分野の本を2、3冊借りて読んでみてください。合わないなと思った分野の本を読んだ時間は、無駄な時間ではなく、自分の研究の幅を広げる営みになっていると思います。

専門書を読む中で、リサーチクエスチョンになりそうだなと思う内容が出てきたら、それと関連する論文を読んでいきます。リサーチクエスチョンに含まれるキーワードを検索ワードとして、GoogleスカラーやCiNiiなどで論文を検索し、片っ端から読んでいきます。リサーチクエスチョンは、専門書を読む中で抱いた漠然とした問題意識を、5W1Hのどれかを用いた疑問文に落とし込むことによって、明確になります。例えば、「ゲームとは何か」、「なぜゲームの売り上げ高は伸びているのか」などです。

論文を読む際は、似たような研究がされていないか、それらの研究とは異なる独自性を出すことができるかを意識していました。読んだ論文で用いられている概念や研究方法は、自分の研究でも使えることが多いので、メモしておくことがおすすめです。

1-2.学会の発表大会に参加してみる

関心のある分野が決まったら、学会に参加してみてください。学会に入会するためには、入会費が必要です。加えて、年次の発表大会の参加にも、参加費が必要です。たしかに、お金はかかりますが、メリットは沢山あります。特に、私は口頭発表を行ってみることで大きなメリットを得られると考えています。私は、大学3回生の時に、初めて学会で口頭発表を行ったのですが、この発表が転換点だったなと思っています。

学会の発表大会に参加してみることによるメリットは以下のようなものがあります。

・学術的な発表を経験することができる
・著名な先生方からフィードバックを得ることができる
・懇親会などで著名な先生方とお話しすることができる
・関心のある分野の多様な研究に触れることができる

最初の学会での発表は、悲惨なものになると回りからも聞くので、勇気を持って一度発表してみてください。学会で発表することで、実績にもなりますし、大学院試験の口述試験でも自信を持って、自分の研究について話すことができると思います。

また、有志で研究会が開かれていることがあるので、知り合いの先生に紹介してもらう、もしくは自分で研究会を見つけて、主催者とコンタクトを取るなどして、参加してみるのもおすすめです。研究者の知り合いや刺激を得ることができます。

1-3.課外活動に積極的に取り組む

これについては、賛否両論があると思います。研究内容によっては、課外活動での経験が全く必要ないものも多々あると思います。ただ、私は、研究テーマの決定に際して、課外活動での経験から大きな影響を受けました。研究テーマの決定に、自分自身の原体験が加わることで、研究に対するモチベーションが維持しやすいと思っています。なかなかしっくりくる研究テーマが見つからない時は、新しく課外活動を始めてみたり、これまでの課外活動を振り返ってみたりすることも効果的だと思います。

2.志望する大学院、研究室の決定

研究テーマが決定したら、それを研究することが可能な大学院、研究室を探すことが必要です。見つけ方は、簡単で心に残っている専門書、論文の著者をインターネットで検索するだけです。検索すると、その著者のこれまでの研究内容や所属する研究機関、研究室の活動などを閲覧することができるます。そこで、自分の研究テーマと合っているか確認してみてください。個人的には研究テーマが近いなと感じるのであれば、一度研究室訪問に行ってみることがおすすめです。

2-1.研究室訪問をしてみる

研究室訪問に行くためには、まずアポを取る必要があります。「研究室訪問 メール 例文」で検索すると、先生にメールを送る時に役に立つテンプレートを見つけることができます。そのテンプレートを参考にすることで、メール文をスムーズに作成することができると思います。

次に、質問事項をまとめておく必要があります。こちらも、「研究室訪問 聞いておくべきこと」で検索すると、研究室訪問の際にしておくべき質問項目を見つけることができます。自分は以下のような、事柄について質問をしました。

・受け入れ可能な研究内容
・研究室の指導方針(指導で大切にされていること、所属学生に求めること)
・ゼミ活動・定例報告会の内容
・ゼミ生の学会活動(所属学会など)
・研究室の配属人数
・卒業生の進路
・大学で使っているテキスト
・自分独自の疑問点

自分独自の疑問点は、先生の論文や著書を読んで気になった点や先生の専門領域で日頃気になっていることなど検索しても出てこない自分だけの疑問のことです。

また、上記の質問項目を何も考えずにするのではなく、事前にインターネットを通じて知ることができないか見ておく必要があります。なぜなら、調べれば知ることができる事柄を質問することは、先生の貴重な時間を無駄にすることになるからです。なので、上記の質問項目をより深掘りするような質問や自分独自の質問を心掛けるとよいのかなと思います。

最後に、研究質問の際に、気になる細かな事柄についても自分の考えを書いておきます。研究室訪問に行く時の服装は、私服で大丈夫です。遠方に行く際は、お菓子を持っていくのが無難かなと思います。ただ、持って行かなかったからといって、合否に影響はないと思います。

2-2.入試説明会・研究室公開に参加してみる

個別での研究室訪問に行くだけでなく、研究科や専攻、コースが行なっている入試説明会と研究室の一般公開にもぜひ参加してください。入試説明会と研究室公開に参加するメリットは4つあると思います。

・大学院試験へのモチベーションが上がる
・大学院試験で活かすことができる情報を手に入れることができる
・研究科、研究室の雰囲気を知ることができる
・先生に直接質問することができる
・他の受験生の質問とその回答を聞くことができる

入試説明会、研究室公開では、先生からの簡単なスピーチを聞くことができます。私は、学際情報学府の入試説明会で、「学際情報学府では、アマゾンの未開の地を開拓し、新たな道を作るような挑戦的で独創的な研究を奨励する」というお話しを聞き、この研究科で研究をしたいと心から思うようになりました。このように入試説明会に参加することで、大学院入試へのモチベーションを上がることもあると思います。

また、入試説明会、研究室公開は、求めている人物像や研究テーマによく見られるキーワード、出願書類の注意点など大学院入試で活かすことができる情報が盛り沢山です。大学院試験は、有利に進めるためにも、ぜひ参加してください。

研究室公開では、研究室の雰囲気を肌で感じることができます。研究室に所属されている方と直接お話しする機会が設けられていることも多いので、インターネット検索だけではわからない空気感を知ることができます。

あと、踏み込んだ質問を他の受験生がすることがあります。具体的には、研究計画書を採点する際に注意してみる箇所についてなど、採点基準に踏み込むような質問を聞いたことがあります。このように、自分が聞いたらダメだと思っていた質問の回答を、他の受験生の質問によって聞くことができることが割とあります。なので、個人的には、入試説明会、研究室公開が完全に終了するまでいることをおすすめします。

追加でなのですが、先生や研究室のTwitter、ブログをこまめにチェックすることも情報を得るために効果的です。研究室公開や研究室のイベントの情報がこれらの媒体でしか流れないことがあるので、見逃さないためにも、頻繁にチェックしてください。加えて、ゼミ活動の内容等も更新されていることが多いので、研究室の活動内容を大まかに把握するためにも、確認するようにすると良いと思います。通知機能を使うこともおすすめです。

3.研究計画書

研究計画書は、大学院でどのような研究をしていくかについて説明する書類です。大学院試験で最も重視されるのが、この研究計画書だと思います。なぜなら、研究計画書には、研究への熱量や論理的思考力、研究作法といった執筆者の研究能力が色濃く反映されているからです。口述試験でも、この研究計画書について多くの質問がされます。ここでは、専門書や論文、実体験によって得られた漠然とした問題意識を、5W1Hのどれかを用いて疑問文に落とし込み、リサーチクエスチョンを明確にすることができたということを前提に説明していきたいと思います。

研究計画書を作成する際に意識した方が良いと思うことは、次の4つです

・実現可能性(2年間で実施することができるか)
・オリジナリティ(これまでの研究にない部分はあるか)
・具体性(テーマを絞りこめているか)
・愛(強い興味を持っているか)

次に研究計画書の構成について紹介します。構成は、特に指定がなければ、以下よのような形が良いのかなと思っています。

・研究背景
・先行研究レビュー
・仮説
・研究目的
・研究方法
・期待される成果 
・参考文献

一般的な構成では、先行研究レビューと仮説が研究背景に含まれているのですが、こと大学院試験においてはこれら2つのトピックを設けるとプラスになると思います。なぜなら先行研究レビューが十分にされていること仮説を立てれていることの2点で受験生間の差が生まれるので、その箇所を強調することで、他の受験生よりも研究能力が高いことをアピールすることができるからです。ここからは、それぞれの構成要素ごとに、どのようなことを書く必要があるか説明していきたいと思います。

3-1.研究背景

研究背景では、研究対象の説明や研究対象についてこれまで学習・研究してきたことについて書きます。研究背景では、社会的背景と学術的背景の2つの背景を意識して書くと良いと思います。社会的背景では、研究対象に関する社会で起こっていること、学術的背景では、研究対象についてこれまで研究として行われてきたことをまとめると良いと思います。加えて、これまでの学習・研究を通じて研究対象に対してどのような問いを持ったのかも書くと良いと思います。

3-2.先行研究レビュー

先行研究レビューでは、自分が持った問いに対して、先行研究はどこまで明らかにしているのか、逆にどこが明らかになっていないのかを書きます。また、先行研究から尺度や概念、研究手法を借りる場合は、併せて書くとよいと思います。先行研究レビューで、これまでの研究との比較を行うことで、オリジナリティを強調することができます。

3-3.仮説

仮説では、自分が立てた問いに対してどのような答えが得られそうかを推測して書きます。推測の際には、これまでの学習、研究、体験、先行研究レビューから考えるようにしてください。仮説を立てられている受験生はそこまで多くないと思うので、差がつく部分だと思って、気合を入れて書いてください。

3-4.研究目的

研究目的では、この研究で何を明らかにしたいのかを書きます。具体的には、問いに対する答えを明らかにしたい、問いに対する仮説が正しいか明らかにしたいといった内容を書くと良いと思います。加えて、問いに対する答えを明らかにすることで、このような形で社会に役立つことを目的としている、まで書けるとなお良いと思います。

3-5.研究方法

研究手法では、問い、仮説に対する答えを得るためにどのような研究手法を取るかについて書きます。ここでどこまで具体的に書けるかが、実現可能性を強調する上で大事になってきます。理想はその研究方法を辿れば、今すぐにでも研究をすることができる状態まで考え抜いておくことです。

3-6.期待される成果

期待される成果では、研究を通じてどのようなことを明らかにできるのか、そして明らかにできたことがどう社会に役立てられるかについて書きます。ここを具体的にイメージできるくらいまで詳細に書くことで、この研究の意義や必要性を伝えることができます。

3-7.参考文献

参考文献では、引用した文献をリストにして書きます。参考文献を書く際には以下の点について意識すると良いと思います。参考文献の記述ルールに従って書くことができているか、参考文献の質は高いか(Web記事など信頼性の低いものばかりではないか)、英語論文など海外の文献を読めているか。
英語論文を読めているかは、研究者の素養として、割と重視されることが多いと思います。また、参考文献は評価対象として、しっかりとチェックされているので、最後まで油断せずに書いてください。

研究計画書を作成することができたら、現在のゼミの先輩や指導教員、志望大学院の先輩などに添削をお願いしてください。特に、現在の指導教員と志望大学院の先輩には見てもらうことを強くお勧めします。客観的に、漠然としている箇所や説得力が欠けている箇所を指摘していただくことで、完成度が段違いに上がります。

4.自己推薦書

自己推薦書では、自分の学力や能力を自分自身が評価して書きます。自己推薦書をこれまで書いたことがない人もいらっしゃると思うので、Googleなどで「自己推薦書 例文」と検索して、どのようなものなのかを把握してください。上記のように調べると、大学の推薦入試、AO入試や就職活動の自己PRなどが多く出てくると思いますが、参考だと思ってそれらも読んでみてください。

私が、自己推薦書で意識した点は、以下の4つです。

・やってきたことから考える
・アドミッションポリシーと結びつける
・将来のビジョンを示す

自己推薦書を書くためにする必要があることを順番に説明していきます。はじめに、主に大学生活でやってきたことを列挙していきます。具体的には、勉強、研究、大学の授業、課外活動などで自分が頑張ったと少しでも思えることを出せるだけ出します。例としては、学会での口頭発表や論文の寄稿、授業の成績、課外活動での役職や取り組みなどを挙げていきます。実績と書かれるとそんなものはないなと考えてしまうのですが、大学生活でやってきたことを思い出していこうぐらいの軽い気持ちで取り組むのがおすすめです。

これまでやってきたことの列挙が終わったら、研究科のアドミッションポリシーを熟読して、その中から所属学生に求める能力や人物像を抜き出していきます。アドミッションポリシーは、「教育研究上の目的」や「入学者受入方針」などに言い換えられている場合があります。学際情報学府を例にすると、求めている人物像として、「文理融合」や「情報学全般にわたって広い知識を持つ基礎を具えている」などを挙げることができます。

アドミッションポリシーから所属学生に求める能力を抜き出すことができたら、列挙しておいた大学生活でやってきたことの中から、求められている能力に結びつく事柄を選んでいきます。できる限り、親和性の高いものだけを選ぶように心がけてください。ここまできたら、後は、「私は、(求められている能力)を持っている。具体的には、(大学生活でやってきたこと)をしてきた」のようなイメージで文章を書いていってください。

最後に、将来のビジョンについても提示してください。将来のビジョンというのは、志望の大学院で学習することで、どのような人間になり、どのように社会で活躍したいと思っているかということです。この箇所についても、アドミッションポリシーにどのような人間を育成し、どのように社会で活躍してほしいかが書かれていることが多いです。自分の思いと、アドミッションポリシーに書かれていることをうまく結びつけて書いてください。また、この箇所が、大学院側が自分を取るメリットの提示にもつながります。なぜかというと、大学は、卒業生が社会で活躍してもらうことで、評価が上がり、受験生が増えるためです。なので、将来のビジョンについても、丁寧に書くのが良いのかなと思います。

書き上げた自己推薦書は、現在の指導教員や志望する研究室の先輩などに見てもらうことがおすすめです。自己推薦書は、人に見せるのが恥ずかしいと思う人もいると思うので、友達ではなく、先生などの少し距離がある人にみてもらうのが良いのかなと思います。

5.推薦書

推薦書では、自己推薦書とは違い、他者に研究面と実務面の能力の評価を書いてもらいます。学部生の場合は、卒業論文の指導教員にお願いすることが多いと思います。注意すべきことは、推薦書の指定のフォーマットの配布が遅いことがあることです。大学の先生は、出張や会議等で提出直前にまとまった時間を取ることができない場合があります。なので、遅くとも1-2ヶ月前には、昨年のフォーマットを送るとともに推薦書の執筆の依頼をした方が良いと思います。

また、先生に、これまでの経験や実績をまとめて送ってほしいと言われることがあります。自己推薦書を書く際に、経験や実績を箇条書きでまとめておくことがおすすめです。また、自己推薦書と内容が被ることについては、問題ないと思います。理由は2つあります。1つ目は、優れている点は、自己評価と他者評価で、被っている方がむしろ説得力があること。2つ目は、推薦者独自のコメントが付け加えられるため、同じ実績でも新たな側面が加わるためです。後日談で推薦書を依頼した先生から聞いたのですが、箇条書きからいくつかの実績を選んで、内面の評価を付け加えながら書いたとおっしゃっていました。

推薦書は、提出書類の中で、唯一自分以外の人に依存しなければならないものなので、できる限り早め早めを意識してください

6.英語(外国語試験成績証明書)

英語試験の代わりに、外国語試験成績証明書の提出が求められることがあります。一般的に大学院試験で、提出することができる証明書は以下の3つです。

・TOEFL-PBTまたは、TOEFL-iBT
・TOEIC L&R
・IELTS

ここでは、自分が提出したTOEIC L&Rの勉強法について紹介します。また、この勉強法は、日本の大学院に合格するために必要な点数を取るためのものです。なので、満点といった高得点を目指している人は、「TOEIC 勉強法」でYouTubeやインターネットで検索をして実践してください。

注意することとしては、大学院試験で最も重要であるのは、研究計画書や個別試験であるので、TOEICの点数に固執しすぎないことが大切です。目安として、夏季募集で受験する予定であれば、2月までに自分が納得のいく点数を取っておいた方が良いと思います。私は、875点を既に取っており、これ以上受かるために点数を上げる必要がないと考え、ここでやめました。

ここからは、具体的な勉強方法について説明します。使った教材は、以下の3つです。

・TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
・スタディサプリ ENGLISH TOEIC L&R テスト対策
・公式TOEIC Listening & Reading 問題集シリーズ

6-1.出る単特急 金のフレーズ

出る単特急 金のフレーズで英単語を覚えました。TOEIC L&R においては、英語→日本語の能力しか問われません。なので、英語を見聞きして、日本語訳が出てくるかを繰り返しチェックしました。リスニング対策については、「abceed」というアプリをダウンロードすることで、金のフレーズを購入した人は無料で、音源を使うことができます。

目安としては、英単語を見聞きして、1秒以内に日本語訳が出てくるようになるまで繰り返しやっていました。ここまでくると、英単語を見聞きして、すぐに意味がわかるようになり、リスニングやリーディングでの解答スピードが圧倒的に速くなります。TOEICは、時間勝負なので、英単語から意味が瞬時に出てくる力が必須になります。

英単語の暗記法は調べれば沢山出てきますが、個人的には、1周目はできる限りはやく全体を把握するように行う、毎日最低100単語チェックする、隙間時間は復習にあてる、だけを意識して繰り返していました。おすすめの復習の仕方は、通学中や移動中に「abceed」で、昨日見た単語を聞くというやり方です。あとは、起床後や就寝前などにまとまった時間をとって、毎日最低100単語はやるようにすると良いと思います。

もう大体の英単語を覚えたという状態になったら、いつも詰まる英単語が見つかってくると思います。その段階になったら、なかなか意味が出てこない英単語をチェックしておいてください。その後、チェックした英単語のみをやり、苦手な英単語を無くして行ってください。ただ、苦手な単語ばかりをやっても、前に覚えた単語を忘れてしまうことがあるので、全ての英単語に触れる時間も確保するのが良いのかなと思います。

6-2.スタディサプリ

金のフレーズと並行して、スタディサプリで問題演習を重ねてください。スタディサプリは、月額3278円と一見高いのですが、これ一つでTOEIC対策の全てを補えるので、参考書をたくさん買ったり、英会話教室に習いに行ったりするよりも経済的だと思います。

スタディサプリの良いところは、4つあります。

  1. 復習機能が充実している

  2. ゲーム感覚で進められる

  3. 演習問題が多い

  4. Partごとの解答方法が丁寧に解説されている

まず真っ先に思い浮かぶのが、復習機能が充実していることです。勉強では、復習をすることで初めて点数を上げることができます。しかし、復習をすることは、面倒くさくて、やる気が起きません。かくいう、私も問題を解くことは好きなのですが、復習はいつも後回しになっていました。しかし、スタディサプリでは、問題演習と復習が繋がっていて、復習をするのが当たり前になります。特に、ディクテーションやシャドーイングといった、点数が上がると分かっていても、面倒くさくてしない復習方法を、穴埋め形式で楽しく簡単にできるように工夫されています。復習をすることが苦手で、点数が上がらないという人は、お試しください。

ゲーム感覚で進められることも、魅力の一つです。総学習時間や今週の学習時間、連続学習日数が可視化されていてモチベーションが上がります。また、問題演習では、正解数に応じて、金、銀、銅のバッジを得られることができ、金のバッジを揃えようと問題演習に積極的に取り組むようになります。スマホアプリなので、通学時間などの隙間時間にゲームをする感覚で、取り組むこともできます。

加えて、多くの演習問題が収録されています。具体的には、TOEIC L&R テスト20回分の演習問題が収録されていて、それら全てに復習機能がついています。全てを丁寧に取り組むとなると300〜500時間程度かかると思います。

それぞれのPartごとの解答方法についても、解説講義で丁寧に解説されています。TOEICは、早く解答するための技術を知っていることが点数アップに繋がると言われているのですが、その点に関しても解説講義を通じて、十分に学ぶことができます。

その他にも、パーフェクト講義-英文法編やTEPPAN 英単語といった、英文法や英単語を学ぶためのコンテンツも用意されています。これからTOEICの勉強を始めるという初心者の方にもおすすめです。

6-3.TOEIC 公式問題集

出る単特急 金のフレーズやスタディサプリで自信をつけることができたら、TOEIC 公式問題集にも取り組んでみてください。TOEIC 公式問題集は、本番の予行練習として使うのがおすすめです。紙の解答用紙に鉛筆でマークする、イヤホンでは聞かずスピーカーで音を流すなど、本番に近い形で取り組んでください。そうすると、本番でも、焦ることなく問題に解答することができると思います。点数は、あまり気にせず、参考程度に考えるのが良いのかなと思います。

7.口述試験

口述試験は、いわゆる面接試験です。大学院試験では、ほとんどの場合、最後に口述試験があると思います。ここでは、よく聞かれる質問とその回答をまとめる、スライドを作る、その他の3つに分けて紹介していきたいと思います。

7-1.よく聞かれる質問とその回答をまとめる

前提として、大学院試験の口述試験では、研究計画書の深掘りをされることがほとんどです。AO入試や就活の面接のように、決まった質問をされることはほとんどありません。そのため、研究計画書について他者に見てもらい、様々な角度から質問をしてもらう、日頃から研究計画のことを考え続けるなどして、予想外の質問に対応できるようにすることが1番大事です。しかし、このような質問は予想することが困難であり、対策もなかなか立てることができません。

その上で、予想外の質問の他にも、比較的よくされる質問というものがあります。このような質問は、事前に回答を考えておくことができます。無駄になる可能性も高いですが、聞かれた時のために準備をしておくことで、本番でも精神的に安心すると思うので、ぜひ対策してください。

まずは、よく聞かれる質問を集めてください。私は、大学院試験対策や大学入試のAO入試対策、海外大学院試験対策、就職面接対策に関する書籍やWebサイトをチェックしました。加えて、志望先の研究室の先輩にも、大学院試験の時にどのような質問をされたのか聞きました。その結果、集められた質問のリストが以下になります。

・志望理由を説明してください
・研究計画を説明してください
・研究計画のリサーチクエスチョンは何ですか
・研究計画における研究方法を具体的に教えてください
・先行研究との相違点と類似点を説明してください
・その研究がなぜ本研究室で可能なのか
・現在所属している大学ではなぜだめなのか
・他大学院は受験するか
・学部での卒業研究について説明してください
・修士課程終了後のビジョンを教えてください
・そのビジョンの実現のためになぜ本研究科なのか
・本研究科のアドミッションポリシーを教えてください
・なぜその教員を主指導として希望するのか
・大学院入学後に、研究や勉強を通じて、どのようなことを身につけたいか
・筆記試験の出来はどうだったか
・学部の成績について教えてください
・本研究科にどのような貢献をすることができますか
・試験に落ちた場合どうするのか
・これまでの学習で最も印象に残っていることは何か
・最近読んだ論文は何か
・なぜ大学院に進学するのか
・あなたの強みと弱みを教えてください
・趣味や関心のあることを教えてください
・1分間で自己アピールしてください

最低限これらの質問には、スムーズに回答できるように考えておくことがおすすめです。ただ、丸暗記をしてしまうと、本番で慌ててしまって何も思い出せなくなってしまうこともあるかましれません。なので、それぞれの質問に対して、キーワードや短文を覚えておき、その場でそれらを繋ぎ合わせるのが良いと思います。

最後に、質疑応答で重要なことについても紹介します。質疑応答で心がけるべきことは以下の3つです。

  1. 何を問うているか正確に把握し、その答えになっている返答をすること

  2. 答えられる質問は一生懸命に答えること

  3. 答えられない質問は、素直に答えられないことを認めた上で解決策を提示すること

口述試験の質疑応答は、学術的な対話をすることができるかチェックする試験でもあります。最低限、会話のキャッチボールが成り立つように心がけてください。いざ本番になると、うまく返答できないこともあるのですが、そこで気持ちを切らさず、最後まで一生懸命に向き合うことで、高得点に繋がると思います。

7-2.スライドを作る

口述試験では、最初の何分間かで、スライドを用いて、研究計画や志望理由などを説明する場合があります。ここでは、そのような口述試験におけるスライド作成法を紹介していきたいと思います。

まずは、スライドの構成について紹介します。私は、15分間で研究計画と志望理由などを説明する際に、以下のような構成にしました。

・研究背景
・先行研究レビュー
・先行研究との比較
・研究目的
・研究方法
・期待される成果
・問題点と克服策
・大学院での学習計画
・志望理由
・貢献できること
・進路

また、10分間の説明の際は、「期待させる成果」、「問題点とその克服策」、「貢献できること」を省略した上で、各スライドの説明時間を短くしました。スライドの構成については、発表時間や内容によって異なると思うので、上記の構成を参考にしながら、自分の説明に合ったものを作ることが大切だと思います。

次に、スライドのデザインについて、説明します。実際に、入試用のスライドを作成しようと思うと、どんなデザインにすべきか悩んでしまうと思います。かくいう、私も、スライド作成の際にデザインで悩みました。そこで、私は、プレゼンのスライド例をインターネットで調べまくりました。その中から、使えそうなところを見つけては、繋ぎ合わせ、1つの発表資料を作るような意識で作っていました。意識することは、白黒基調で、配置をシンプルに、文字は大きくの3つです。

正直なことをいうと、スライドのデザインが合否に大きな影響を及ぼすことは、少ないと思うので、時間が無い場合は、テンプレートを使って作成しても問題ないかと思います。また、使うアプリケーションは、Googleスライドでも、PowerPointでも、keynoteでも、何も使っても問題ないと思います。私はPowerPointを使って説明しました。

最後に、実際にスライドを使って説明する時に、意識すべきことを紹介していきます。それは、ハキハキと話すことと、時間制限を守ることです。特に、時間制限については、厳格なので、事前に時間内に収まるか確認することが大切です。

さらに、オンラインの場合と現地の場合に分けてためになることをいくつか紹介していきます。オンラインでの試験の場合は、PowerPointの発表者ツールを使ってみてください。発表者ツールを用いることで、タイマーや原稿を見ながら、発表をすることができます。発表者ツールで原稿を見ながら説明することで、緊張していても、わかりやすく、まとまった説明をすることができます。また、zoomで画面共有をした状態で発表者ツールを用いても、相手にはスライドのみが見えており、発表者ツールは見えません。注意点としては、画面共有をした後に、スライドショーを開始し、発表者ツールを表示するようにしてください。資料の配布が可能な場合は、PowerPointをPDF化して、Googleドライブに入れ、そのGoogleドライブのURLを共有するとスムーズだと思います。

現地の場合は、大きな画面にパソコンを繋ぐことが多く、発表者ツールを用いることが困難になります。そのため、事前に準備した原稿を見て発表することができません。なので、対面の場合は、キーワードを繋げてその場で文章を作る必要があります。最初は、グダグダだと思うのですが、何度も練習していると、説明する内容が固まってきて、スムーズに話せるようになると思います。時間制限については、5分前や1分前に試験官の先生から何かしらの合図があると思うのですが、事前に指定の時間内に終わるか何度も確認するようにすると良いと思います。

7-3.その他

その他では、口述試験において為になる雑多な事柄を紹介していきます。まずは口述試験の時の身だしなみについてです。服装はスーツが良いと思います。髪の毛や髭は、清潔感があるように見せる為に、整えておくほうが良いと思います。私は、証明写真を撮る前と、口述試験の前に髪を切りに行きました。どうしても、口述試験だと視覚情報が優位になってしまうので、身だしなみを整えることは大切だと思います。

スマホやパソコンの通知をオフにすることも忘れないでください。急に通知がくると、心が乱れてしまって、頭が真っ白になってしまうこともあると思うので、念入りにチェックしてください。

あとは、面接のマネーを学習しておいてください。YouTubeで、「面接 マナー」と検索するとたくさん出てくるので目を通しておいてください。オンラインの場合も「オンライン面接 マナー」と検索すると出てきます。

口述試験がオンラインで行われる場合は、パソコンスタンドとヘッドホン、ライトを買っておくと良いのかなと思います。パソコンスタンドは、パソコンのカメラと自分の目線を同じ位置に調整することで、見下した感じにならず印象が良くなります。加えて、外付けのWebカメラも買っておいた損はないと思うのですが、自分は買いませんでした。

オンラインの場合が続くのですが、次はzoomの設定についてです。zoomのアカウントの名前は本名に、アイコンは無地のものに変更するのが良いのかなと思います。加えて、zoomの設定で、外見の補正や明るさの調整を行うことができます。設定の方法は、「zoom 外見の補正」で検索してみてください。もし、特にこだわりがなければ活用してみることがおすすめです。バーチャル背景については、無地の白を準備しておくと良いと思います。ただ、多くの場合は、バーチャル背景が使用不可になると思います。

加えて、メモ帳とペンを用意しておくことも効果的です。一度に2つ以上の質問をされることがあるので、その際には、簡単なメモを取ることで、質問を忘れにくくすることができます。

8.最後に

最後になりましたが、あまり根を詰めすぎず、自分のペースで学習・研究を進めてください。
たまには、気分転換に散歩でもしてみてください。ストレスを溜めすぎないことが大切です。

あと、試験前日はしっかりと睡眠を取ってください。せっかく対策をしてきたのに、睡眠不足でパフォーマンスが落ちてしまったら最悪です。自分は、loopの高級耳栓を買って、前日どんな状態でも安眠できるようにしていました。

この文章を読んだ人が、大学院試験に合格することを心の底から祈っています。

・・・研究成果物と記述試験については、学問ごとに差が大きく出てしまうため、今回は扱いませんでした。ご了承いただけますと幸いです。

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