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《アヒルボート》



《アヒルボート》

公園の池に浮かんでるボートってアヒルじゃなくて白鳥なんですね。知らんかった。

この絵は2022年の夏に描きました。大きさはF50号です。
当時大学4年生で、卒制に天王洲での壁画制作にライブペイントにと、すごく充実した夏休みを過ごしていました。就活は3年生が終わるきわきわに終わってたので本当に絵ばっかり描いてる毎日でした。

ある日突然コロナに罹りました。コロナは1日で症状が治り始めすぐに元気になったけど、隔離のため大学の製作室に行けず自宅で描いてました。

コンクリートの塀に囲まれた広い水辺に浮かぶピンク色のスワンボート。首にはネックレスがかかっています。中には女児が乗り込んでいて、ハンドルには手をつけず、外の景色も見ないでシール帳を見つめています。

この絵を描いた時は深層心理学にはまっていて、特にユングの夢占いとか元型論に興味がありました。《アヒルボート》はグレードマザーという概念から着想を得ました。グレードマザーとは、全てを受け入れ育てる存在。裏返せば、全てを取り込み自立を阻む存在です。
グレードマザーの負の側面をモチーフ選びや構成に象徴させました。実物の絵は全体的に絵の具の透明感がありますが、水面は絵の具を比較的厚く塗り重ねて重々しい印象にしています。

古い絵をいつまでも置いていても仕方がない派なので、完成した絵はある程度時間が立ち展覧会に出せなくなったらパネルから剥がしてしまうのですが、この絵はすごくお気に入りなので、完成から2年以上立ってますがパネルに張ったままにしています。

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