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感想文部 / 毎週ショートショートnote

「感想文部?」
保健室の麗先生は眼鏡を外してユリを見た。
「麗先生なら知ってるかな、と思って。」
「生き字引って言うんでしょ。国語のじぃが言ってた。」
麗先生の眉がピクリと動く。
「情報通って言ってくれないかな。」
マキはぽかんとしている。
「生き字引だと年寄りって言われてるみたい。」
マキとユリは慌てて訂正した。
「ごめんなさい。」
ユリが『感想文部 シオン』と刺繍されたハンカチを見せる。
「中庭で拾ったの。」
「ユリったら、文系で眼鏡で細身の理想の男子なんじゃないかって。」
ユリが顔を赤くした。
「うーん…そうだ、もう随分前だけどあったわ。確か部長の名前がシオン君だけど、二人とも会ったことあるよ。」
マキとユリは顔を見合わせた。
「今は国語の教師。」
「えっ!…まさか、じぃ?」
「昔はイケメンだったのよ。よく保健室にも来てたなぁ。」
麗先生はウィンクした。
美魔女の麗先生の年齢はこの学校で絶対に明かしてはいけない七不思議だ。

#感想文部 #毎週ショートショートnote

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