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白骨化スマホ /毎週ショートショートnote

どこまでも鬱蒼とした森の中でスマホを見るがやはり圏外だった。
死にたく無い。いや、死にたくて来たけど彷徨っているうちに気が変わった。
助けて神様。
するとスマホから声が聞こえた。
「左さ曲がれ」
黄泉の国への案内かそれとも神の助けか。
声に従い歩いていくと森の中に小屋を見つけた。
『休憩所』と書かれた木の看板が揺れている。
「いらっしゃい。すぐ行くけ、座っとき。」
声と一緒にシャッシャッと音がする。
包丁を研ぐ音に似てるなぁ。と足が何かを蹴った。髑髏だ。
慌てて飛び出し、メロスよりも走る。
何とか道に出ると停車していた車を見つけた。
「あんたの持ってるのスマホじゃなくて骨になっとるね。」
運転するおじさんに言われて思い出した。自殺するつもりで何も持たずに来たのに、いつの間に骨なんか掴んだのだろう。
ガタンと揺れ、車が森の中へと入っていくと手の中の骨がスマホに変わった。
「山姥の術はこの辺りまでしか効かねえんだな。いや耳に当てたって山姥としか話せねぇよ。どうせ死ぬつもりだったんだべ。覚悟決めて晩飯になんな。」



#毎週ショートショートnote
#白骨化スマホ

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