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伝書鳩パーティー② / 毎週ショートショートnote

「パーティーに参加してもいいですか?」
薄茶色の小さな鳥は白い鳩に尋ねた。
「ここは手品鳩パーティーの会場ですよ。参加は無理かな。」
白い鳩は小さなシルクハットを少し上げて挨拶すると扉を開けて行ってしまった。
ガッカリして歩いていると茶色の鳩がやってきた。
「あっちのパーティーに聞いてみようよ。」
二羽の鳥は隣の会場へ移動した。
「パーティーに入れてください。」
「入れてください。」
足に手紙をつけた鳩が首を傾げた。
「ここは伝書鳩パーティーだよ?君たち何だかいい匂い。もしかして鳩サブレとひよこ?」
薄茶色のひよこはしょんぼり。鳩サブレはポケットから袋を取り出し鳩胸を張った。
「僕たち伝書鳩だよ。個包装だから、外側にお手紙書いて渡すんだ。」
ひよこも自分の包み紙を出して見せた。諦めてはいたけれど。
伝書鳩は少し考えて片方の翼を広げた。
「それなら、どうぞ。一緒に楽しもう。」
ひよこは嬉しくて飛び上がった。ちょっと背中が割れて白餡がいい匂い。




ひよこも鳩サブレもいい匂いですが
「パーティーで友人を食べたりはしません。」
と伝書鳩たちも胸を張っていますので、ご安心を。

#伝書鳩パーティー
#毎週ショートショートnote

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