大相撲を支える人たちの小さな本

知れば知るほど 行司呼び出し床山
相撲編集部/編著 ベースボール・マガジン社/刊

先日は、子ども向けの相撲の図鑑について紹介したが、さらに詳しく知りたくなった方にこの本をおすすめしたい。

この本は、相撲を支える裏方の仕事の人たちが主役の本だ。行司、呼び出し、床山、そして伝統的な衣装や道具を作る職人の仕事が写真付きで紹介されている。

行司の項だけでも、歴史、装束の違い、着付け、衣装コレクションから装束を扱うお店、草履の職人、軍配コレクション……。 かなり広範囲にわたって知ることができる。

裏方人たちの仕事は、テレビや動画をちょっと見るだけではわからない。画面ではほんの数秒映るか、映らないかのものもあるかも知れない。
でも、丁寧に時間をかけて準備して、守り、次の世代へ繋いでいる人たちがいる。なぜだろう。答えは簡単には見つからないが、直接応援をしてくれる観客には何かが伝わるはずだ。
この本は、裏方の仕事をすぐ近くで敬意を払って見守り、取材して記事にまとめている人たちの熱が伝わってくる。

どうして? なぜ? 1つのことを知り、続けて疑問が出てくる3歳児のように次々に投げかけたとしても、その答えがここに書いてある、と断言できるくらいの広範囲にわたって述べられている。A5サイズの小さめな本だが、貴重な資料となる写真がたくさんあるのもありがたい。

個人的には、相撲字教室と、テレビではカットされがちの懸賞幕、びん付け油の製作所の項目がとても興味深かった。



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