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彼は変身前はアマゾン、変身後もアマゾンと呼ばれていた

 今年の夏はもちろん、毎週金曜日の仮面ライダーアマゾン(再)を、楽しみに観ている。

 今回のヒーローは、変身前も、変身後も”アマゾン”。同じ名称で呼ばれている。これはシリーズ初のことでは? 
 彼の生い立ちは謎に包まれていて、今のところ本名は明かされていないため、変身前をアマゾン君、変身後をアマゾンと呼ばせていただくことにする。

 アマゾンのジャングルから日本へやってきたアマゾン君。年齢不詳。20代前半か? 同じ名前のあの巨大な通販会社が生まれる前、日本の小さな視聴者たちが、どのくらいアマゾンについて知っていただろうか。たぶん、ターザンの暮らしているジャングルのある場所というイメージが強いはずだ。
 秘密のメッセージに導かれて日本にやってきたアマゾン君。海外からの荷物が並ぶ倉庫に隠れている。偶然、事件に巻き込まれた小学生のマサヒコ君を目撃して、助けることになる。
 荒鳥のように人慣れしていなかった若者が、小さな男の子と最初に交わした言葉はトモダチ。アマゾン君はマサヒコ君から、日本の言葉をすこしづつ学んでいく。

以下は、気づいたことのメモ

・キック、パンチなどのアクションに伴う効果音が頻繁に使われるようになった気がする。当時人気が出はじめたロボットもののアニメの影響で、音響さんがセンスを磨いたのではないかと思った。張り切りすぎて、効果音が戦闘シーンのBGMを上回る大きさのときもある。多少アクションが地味でも(役者さんたちは、そうとうな努力をされていると思うが)華やかになる。

・アマゾン君の衣装が薄着なので、冬のロケや、バイクに乗る時、戦う際の実際のケガ(毎回、戦うシーンでペンキの赤のような血を流している)が心配。早めにアマゾンに変身をしてしまったほうがいいと思う。
 ところが彼は、怒りがマックスになった時まで変身できない体質なのかもしれない。従来よりも変身がやや遅めな気がする。怒りながら変身する時、とくには合言葉はないようだ(補足。何回目からか、オープニングで歌の前に叫ぶように、ア、マ、ゾーン!と名乗りながら変身するようになる)。

・おやっさんも登場。喫茶店は廃業したか、当初のレーサーを養成するような仕事をしているようだ。
 おやっさんが開発した乗り物を、アマゾン君が海岸で初めてバイクに乗るシーンが印象に残る。無免許なはずだが、おやっさんから説明を受けて、いきなり乗れるようになる。赤い翼がついていて、今まで見た昭和ライダーシリーズの中で、この乗り物が一番かっこいいと思う。

・敵はゲドンというグループ。リーダーは10の顔を持つ10面鬼。あの”のど飴”のキャラクターのような大きな顔の赤鬼の下に、9人分の鬼の顔が並べば10面なんだから、ぜんぶで10になるはず。
落ち着いて確認しよう。カメラは横に移動して、鬼が一人づつ発言をする。顔に穴が開いていて、赤い顔をした鬼(役者)たちが並ぶ。
だが、何度数えても10にならない。数が違ったりする。見るたびに並び順も違う気がする。悩ましい。
当時のキッズの間でも話題になったはずだ。私が数えると今のところ多いときは6か、7。1人が2役やっている時もある。少ないときは5だ。

・ショッカーのような手下の役割は、赤い衣装の女性の軍団が担う。当時の流行ヘアか、やや長髪でパーマをかけている女性が多い。従来のメンバーたちが10面鬼の役にまわり、人手不足から生まれたか? 衣装にフリンジがついていて、シルエットが怖く、エンディングの映像に生かされている。

・悪役が倒された時、爆発するのではなく、泡を吹きながら消えることが多い。このときも効果音が大きい。東京郊外も開発が進み、爆発できるロケ地選びが難しくなったのかもしれない。

 ゲドンの送ってくる敵は、ワニ、コブラ、モグラとアマゾン君にもわかりやすい動物がベースになっている。共通するのは、頭がおおきく、人間を丸のみできるような大きな口があることだ。

 そのなかで印象的なのは、傷ついた体にアマゾン君に薬草を塗ってもらい、助けてもらったモグラ。このあとモグラは彼とトモダチになった。敵役がヒーローと仲良くなる展開は、それまでの仮面ライダーシリーズでは珍しいとおもった。でも、ウルトラマンには、あった気がする。
 モグラは時々アマゾン君に会いに、土の中から出てくる。このことをマサヒコ君は認めていない。やきもちとかではなく、一度モグラにさらわれたことがあるからだろう。

 モグラはアマゾン君に助けてもらってから、自分がどのように生きるべきか葛藤している。ピンチになったアマゾン君にアジトへの案内をしてくれることもある。逃げろ、モグラ! なるべく長く登場して、アマゾン君を支えてほしい。

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