視野が広がったストロンガー

 1月から仮面ライダーストロンガーが始まった。ここ数年、ひっそりと週1ペースで再放送を続けている東京MXテレビに感謝している。

 カブトムシがモデルのストロンガーは、明るいグリーンの眼が大きく、視界が広い。肩からついている筋肉を表現するパッドも軽そうだ。初期と比べると、スーツアクターは動きやすくなったはず。

 ストロンガーは、電気の力を持っている。普段は黒い手袋をしていて、いざという時に外す。両手がコイル状になっていて、こすり合わせると発電する。この電気の力が武器となる。
 戦うシーンも、実際のアクションだけでなく、電気の光や音を表現した効果を使ってCG以前の”特殊効果”を多用している。
 例えば『キックが決まる』の表現は、
  ①主人公がアップの画面
  ②背景が切り抜かれ、反転する
  ③背景が戻り、背景に線が描かれている
  ④別撮りした、花火の画面
 という具合だ。効果音も複雑になっている。
 子ども時代の自分なら、何気なく見逃してしまう数秒の効果だ。だが、昭和ライダーを順番に見ている今は、新しい仕事が増え、独自の技術が磨かれていったのだと想像がふくらむ。

 悪役(タイタン?)は黒い顔に大きな目が一つ。この人のことは、なんとなく覚えている。怖かったからだ。その目は、かつて映画館のCMでよく見た映画泥棒の彼と同じくらい大きく怖い。
 『ユ!』と叫んでいる、ショッカーにあたる子分たちは、同じく黒い顔に、ピンポン玉のように飛び出した黄色い目が二つ、狼のようにとがった両耳が並ぶ。スカーフがなびいて、今までのなかでは一番おしゃれだと思う。いつものあの、体格が良い方が一人いて、力強いアクションが印象に残る。

 主人公の青年は、城茂。まるでTOKIOのリーダーを略した名前みたいだ。リーダーが生まれたのが先か?
 手足が細く、長髪、上下デニムの服を着ている。赤いバラの刺繍。アマゾン君はあまりにも薄着だったので寒さ対策が心配だったが、これなら安心だ。
 口笛が聞こえてくる方を見ると、主人公が現れる。名乗り口上もある。当時流行していた若者向けの映画の影響があるのかもしれない。(←未確認)
 第一印象を一言で言うと、キザな若者だ。今ではキザなだけでは脇役になってしまう時代なので、懐かしい人に久しぶりに会ったような親しみを持つ。
 もう一人の主人公、”ゆりこ”役の俳優さんは今でも通用するカッコよさがあるのに、変身する電波人間タックルの衣装は残念。タックルの目の部分が透けていて、アクション部分が代役ではなく、本人が演じているのがわかる。
 彼らに対して、おやっさんがドジキャラに徹している。


以下、メモ
第1話 初登場は謎が多い。
第2話 ここで初めて改造人間になったいきさつが明かされる。タックルとの出会い。中南大フットボール部に在籍していた主人公はいろいろあって、アメリカで改造人間になる。 
第3話 雪の富士急ハイランドのロケ。昭和のレジャーの風景。遊園地内をこまめに移動し、アトラクションをふんだんに使ってのアクション。実際にここで、ヒーローショーをやっていたのかもしれない。ガラパゴスゾウガメは上野動物園にいる。
おやっさんが登場し、おやっさんがテーマの歌がある。
第4話 学校給食をトラフグがカプセルをまき散らして襲う。後ろで静かに見ていた子どもが”うちの学校の給食に入っていたら怖い!”と叫ぶ。当時、心配で眠れなくなった昭和の子もいたのではないか? 設定が、長野県あたりの小学校はずだったが、永山学校給食センターは多摩市か?



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