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仮面ライダーXの孤独

東京MXテレビでの放送、4回まで見終わった。
V3の後の仮面ライダーX。神敬介の孤独な闘いが続いている。
父も自分の命もいきなり初回に失う。恋人は行方不明に。母はすでに幼いころに亡き人に。心の拠り所となるはずの父の知能が埋まっていた海底基地も第2回目までに自爆。
突然崖っぷちに立たされて、もの静かな大学生が、サイボーグとして生まれ変わり、ヒーローとして歩みはじめる。
もう沖縄の大学には戻れないだろう。実家もすでにないはずだ。

途中経過で気づいたメモ。
・オープニング曲も、劇中挿入曲も、ティンパニーの音が大きい。嫌いではない。いっそ、ベースも加えて大音量で聴いてみたい。

・司令部からのメッセージ。カセットテープのメッセージが流れるのは1度きり。再生された後に爆破される。当時のスパイ映画の手口? 爆発音でかえって周りに怪しまれないのか?

・第4回、松金よね子さんが、怪人メドウサの声を演じていた。
遊園地で隠れるメドウサ。黄色い赤べこが揺れ(黄色はレア? 何故かこれにレコーダーが仕込まれていたらしい)、指令が再生されたあと爆発。メドウサの声がヒーヒッヒッヒと響き渡る。あやかしの世界。のちの『日本の昔ばなし』の活躍を予言しているようだ。

・Xは、棒状の武器を持っている。これで”X”と切る。
巻いてあるメジャーのようにすっと伸びたあと、真っすぐになる。フェンシングの剣のような、バトントワリングのバトンのような、鉄棒のような使い方が出来る。ロープにも変身する。携帯可能、万能の便利グッズだ。
今までのようなトランポリンを使ったアクションのほかに、このスティックを鉄棒のように操り、手をかえて前回りをしてキックしている。新体操の要素あり。

・空飛ぶシーンで、縮小したフィギュアを撮影しているようだが、空中で回転したり、動きが進化している。

・謎の女、霧子はインターポール? そろそろ私は、インターポールという組織について、きちんと調べないといけない。

・今回も、ロケ地の道路が広く、新しく、きれい。空はきれいとはいえない時もあるが、広い。
どこか遠くのアジアの国の、新しくできた道路で撮影したような雰囲気だ。
私にとっては、こういう景色を見るのが、昭和ライダーの楽しみの一つである。今同じ場所に行っても、建物が増えたし、コンクリートの劣化も進み、土地も切り崩され、あんな景色にならないだろう。
エンディングで、トンネルの上に登って戦うのが、とくによい。今は廃線や、運行本数が少ない線路でないと、ロケ地として使用許可をとるのは難しいだろう。
明るい、新しい場所と、戦後の陰、そして時々映りこむ戦前からの雑多な様子。昭和のコントラストがはっきりしていて面白い。


V3の風見志郎も孤独を抱えていたが、仲間がそばにいた。
先輩が駆けつける神回もあった。あまり頼りにならないインターポールの友達や、反発しあい、最後はわかりあえた謎の存在、ライダーマンもいた。
おやっさんの事務所に電話が来てから向かえば間に合った。少年仮面ライダー隊がいれば、日本中どこからでも、目撃情報が手に入る。
平和な時間は、じゅんこさんと雑誌を読んだり、お茶を飲んだりできるのに。そんな瞬間、風見さんも大学生だったのだと気づく。USARMYと書かれたジャケットの着こなしを見ると、お洒落な大学生だったのだろうと思う。

一方で、神敬介は電話も、レシーバーも、カセットプレーヤーも持っていないはずだ。ポケベルもない時代だ。情報量が少なすぎる。
もしも我々一般人がGODの連中と遭遇したら、どうやって彼と連絡をとればよいのだろう?
神敬介は、いまのところ偶然、現場に現れている。
ひとりでふらふらとあちこちを彷徨っているようだ。

どうしてもV3と比べてしまう。
先代が人気者だと、後継者は最初から厳しい目でみられてしまいがちだ。
当時の制作者も悩んだのだろう。

こんなに孤独が続くと、視聴率も心配だ。
この再放送も、打ち切りにはならないでほしい。

烏帽子岩をバックに戦う場面があった。
海岸沿いの建物も少なくて、きれいだった。
これからも神敬介は、海を眺めに行き、父親を思い出すのだろう。

2022.11.20追記
第5回目におやっさんが出てきた。スポーツ店は手放したのか?

miimiimiiさんの写真をお借りしました。ありがとうございました。

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