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オリジナル小話の詰め合わせ

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数分で読めるオリジナル小話をまとめました。 SFジャンルの小話が多めですが、コメディや温いホラーなどの様々なジャンルの小話が混ざっております。 主に平日午後8時、9時頃に更新して… もっと読む
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2022年9月の記事一覧

隠し絵本収蔵室

なんとなく入った書店で、「懐かしの絵本、発掘大会」というイベントがやっていた。たくさんの…

水月suigetu
1年前
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超新星バズーカ

バズーカ屋「すぱのば」の狭いオフィスの窓辺に、小さい水槽を慎重に置く。 小さいミドリガメ…

水月suigetu
1年前
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レッドマジックリリーの宙

赤トンボを見かけて、あの赤い丘を思い出した。ずっと、行ってみたいと思っていた真っ赤な丘。…

水月suigetu
1年前
49

マトリョーシカ・ワールド実験

「はい、タナカさん。お土産」 ぼーっと椅子に座り、目の前でホログラムの大画面が起動するの…

水月suigetu
1年前
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月面から月ピザ

「CQ、CQ、CQ……フォーティーメーター、こちらトライアングルマイク……」 久しぶりに無線機…

水月suigetu
1年前
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「た」抜き幽霊付き物件

休日の朝、靴箱の上に放置していた郵便物を、テーブルの上に移動させた。ざっと見たところ、重…

水月suigetu
1年前
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セドナが来る時に、また

少し陽が傾いてきた午後4時。砂浜には、もうヨウちゃんとデンちゃんの2人がいた。子供みたいにはしゃいでいる。大学で知り合った友達だ。卒業してから10年経ったが、毎年夏の終わり頃に、この砂浜で待ち合わせしている。 車から降り、助手席に置いていた大きな花火セットをひっぱり出す。花火を用意するのは、いつも私の役目だ。2人は、来てくれるだけでいいと言うけれど、私は毎年買っていくことにしている。 肩掛け鞄の中身を確認する。招待状が2通、しっかり入っていた。車のドアを閉め、砂浜へと歩く