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オリジナル小話の詰め合わせ

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数分で読めるオリジナル小話をまとめました。 SFジャンルの小話が多めですが、コメディや温いホラーなどの様々なジャンルの小話が混ざっております。 主に平日午後8時、9時頃に更新して… もっと読む
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2022年3月の記事一覧

空と宙の境の春嵐

「試験始め!」 一斉に紙を捲る乾いた音が上がった後は、サラサラサラと紙に言葉や数字、記号…

水月suigetu
2年前
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からす座の食べられない星パンは?

あっと声を出して、往来で立ち止まった私を、後ろから来た猫が悠々と追い抜いていった。 新し…

水月suigetu
2年前
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花冠のスカートはひらめいて

松の木の枝が、どんどん理想の球体に近づいていく。全体を見回して切り残しがないか確認し、脚…

水月suigetu
2年前
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引き出しユニバース

ほぼ無意識でパスタの袋を真横に裂いて、パスタを2束取り出す。鍋にパスタを放り込んで、お湯…

水月suigetu
2年前
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ポゴステモン・ラプソディー

今日も私たちは手に手を取って、いや、葉に葉を取って、広大な砂の大地を歩いていく。 今の私…

水月suigetu
2年前
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音符の骨はそら豆で

殻のような外皮を開いた時、そら豆2つ、ころっと落ちていった。 慌てて追いかけて、ローテー…

水月suigetu
2年前
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月の照り降り傘とレモネード

パチンッと、太い枝を切り落とした。他の枝と絡まっているその枝を、慎重に外に出す。 レモネードの樹全体を眺めて、枝の風通しがよくなったか確認する。良い感じ。枝が密集しすぎていると、樹が病気になりやすくなったり、実る果実が少なくなったりする。らしい。 残した枝には、もう丸い緑色の小さい果実が生っていた。これで、安心だろう。いつになるかは分からないが、きっとレモネード、という名の黄色の果実が食べられる。どんな味なのだろう。初めての地球の味。楽しみだ。 くるりと向きを変えて、ふ

ふたり並んで星雛祭り

「青い風船ください」 サメのように口を大きく開けて、強烈な笑顔をふりまいているウサギの着…

水月suigetu
2年前
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言葉食堂で言葉丼を

スマホをテーブルに置いて、もう一度、夕日の当たる床でごろごろしてみる。でも気分は晴れなく…

水月suigetu
2年前
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