ケプラーの「ねこ」を飼う
「どうか、この子を一週間ほど、預かってくれませんか。初対面なのに、こんなことを言いだして申し訳ない。でも、どうしても、この子を連れてはいけない場所に行かなくちゃならないのです。少し特殊な猫でして、どこのペットホテルにも断られてしまうのです。地球に知り合いもいないものですから、どうしようかと途方に暮れていまして。必ずお礼します。必ず、迎えに行きますから」
カラフルな服装の細身の男性は、私に深すぎるお辞儀をしながら、一気にまくしたてた。男性が大事そうに抱えている長方形のキャリー