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オリジナル小話の詰め合わせ

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数分で読めるオリジナル小話をまとめました。 SFジャンルの小話が多めですが、コメディや温いホラーなどの様々なジャンルの小話が混ざっております。 主に平日午後8時、9時頃に更新して… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

サンセット・ルネサンス

表紙に大きく「世界の人類史図鑑」と記された大きな本は、もう朽ち果てる寸前の状態だ。潰れて…

水月suigetu
2年前
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レンタル星で温泉旅

新幹線から降りてレンタカーを借り、カーナビと地図を頼りに、知らない道をぐんぐん進んでいく…

水月suigetu
2年前
77

連なる漁火ノスタルジー

久々の炬燵の温もりと、隣でずっと眠そうにしている弟とのゆるゆるとした会話で、ああここは日…

水月suigetu
2年前
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おとめ座銀河団行きキャンディートラック

「不思議で美味しい、宇宙味キャンディーはいかがですか?」 寒空に小さく響き渡る「浦島太郎…

水月suigetu
2年前
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ピルグリメイジの夜話の灯

日本語が堪能な現地のコーディネーター、ルチアナさんに優しく励まされながら、夕方の巡礼路を…

水月suigetu
2年前
58

行商人の鞄は柚子の香り

やっと辿り着いた定期船の待合所。 お土産だと母に強引に手渡された重い袋を、真っ先にベンチ…

水月suigetu
2年前
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ケプラーの「ねこ」を飼う

「どうか、この子を一週間ほど、預かってくれませんか。初対面なのに、こんなことを言いだして申し訳ない。でも、どうしても、この子を連れてはいけない場所に行かなくちゃならないのです。少し特殊な猫でして、どこのペットホテルにも断られてしまうのです。地球に知り合いもいないものですから、どうしようかと途方に暮れていまして。必ずお礼します。必ず、迎えに行きますから」 カラフルな服装の細身の男性は、私に深すぎるお辞儀をしながら、一気にまくしたてた。男性が大事そうに抱えている長方形のキャリー

並べられた天の岩戸は今に開く

長く掴んでいたせいで、端がくしゃくしゃになったノートの切れ端をベッドの上に放り、自分もベ…

水月suigetu
2年前
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マグネター・シンパシー

防寒具を着込みすぎてペンギンの群れのようになっている集団の中に、同僚たちの姿を探す。 地…

水月suigetu
2年前
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門松ステーションに初参り

「あの門松だけは、絶対、捨てちゃだめだ」 久しぶりに祖父母の家に家族全員が集まり、正月の…

水月suigetu
2年前
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