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イスの背もたれに寄りかかり、小さい液晶画面の窓から宇宙空間を眺める。 宇宙のどこかにある…
寒くて、トートバッグの持ち手を握っている右手と、傘の柄を握っている左手がかじかんでいる。…
頬と鼻が冷たくて、アラームが鳴る前に目覚めた。 身体を震わせながらカーテンを開ければ、ベ…
まだ新人司書だった頃、薄暗い地下の閉架書庫で本を探していた時、背表紙が異様に光る本を見つ…
宇宙船内のBGMは、ずっとショパンのノクターンだ。 単独での火星探査。それも、あの因縁深い…
何世紀も前に、爆発して宇宙から消えたと思ったら、蘇った星がある。 虹色の輪っかが星の周囲…
「兄さん、本当に人間界に行ってしまうんですか?」 「行くぞ。悪魔とも呼ばれた俺の力を、また人間に見せつけに行く!人間界で完璧な邪神に戻れたら、お前に真っ先に知らせるよ。そうしたら、お前も瓢箪の外に出てくるといい。また兄弟で大暴れしよう。怨霊を引き連れて、災禍と邪気をまき散らそうじゃないか」 「気持ちは嬉しいんですが、僕は遠慮しますよ兄さん。何だか僕はもう、人間界で暴れたい気持ちが失せてしまったようで。ここで、兄さんの吉報を待ってます」 弟は大きな欠伸をした。 「我らの
一枚目 ロールキャベツが、目の前でほどけていく。キャベツがするするとフォークに巻き取られ…
白い参道をゆっくり歩く。 葉を落とした木々たちが、両脇に立ち並んでいる。雪が枝にたっぷり…