フォローしませんか?
シェア
とある時期から、大地が黒く変色していったらしい。 ゴミとして地中に埋めていた有害物質が、…
身体が重くなっていく。僕の身体に流れ込んでくる冷たい海水が、僕を海底に引きずり込もうとし…
白衣を着て、両腕を上に伸ばす。肩と首がピキピキ鳴った。 暖かい窓辺に、小さい水槽を慎重に…
誰もいない冬の砂浜で、流木と貝殻を探して回る。 細めの流木を何本か、見つけられればいいの…
顔を洗って鏡を見た時、一瞬だけ、自分の顔がからくり人形に見えた。最近よくある。からくり人…
目の前に、こんもりとドッグフードが盛られたエサ皿が置かれた。 君はしゃがんで、僕をぼーっ…
香炉の凹凸に、濃い煙がゆっくり流れていく。目が離せない。クリームのように流れていく煙。甘い香りも強くなっていくものだから、本当に甘いクリームだと錯覚しそうになる。 「……面白いでしょう。私も夢中になって見てしまいます。流れる川のお香と書いて、流川香というものです。白檀の優しい香りも、落ち着くでしょう」 「……はい」 常にチェック柄のスーツをぴっしりと着ている老紳士、七富庫司さんは微笑んだ。ああやはり、随分前に亡くなったお爺ちゃんに似ている。そのせいか、何かあるとすぐ、近
「土偶ポイントカード、お持ちですか」 持ってます、と反射的に言おうとした言葉が引っ込んだ…
「バズ!マイケル!応答してくれ!」 やはり応答無し。暗い周囲を見渡して、焦りが増す。星が…
寒い早朝、重いリュックを背負ったまま、冬の国の入国管理所前の列に並ぶ。 目の前には、僕と…
舞台から落ちた瞬間には気絶。病室で目が覚めたのは五日後。意識が戻ってすぐ、左腕はもう永遠…
自分と瓜二つの人間が、同じタイミングで同じおかずに箸を伸ばして口に運び、同じ回数だけ咀嚼…
暗い缶詰の中で、まどろみ続ける。 地球に到着したばかりの私たちは、まず数週間ほど、地球人…
昔々、金平糖が大好物という、風変りな妖怪がおりました。 青白く光る、薄い絹のような羽根を持つ小人の妖怪です。その妖怪は、独りでぐっすりと眠る人間の傍に現れ、金平糖をさらさらと流す音を耳元で発して、良い夢を見せてくれます。 まだ多くの人々が妖怪を目に映していた頃、その神出鬼没な妖怪は、月の蝶々とも、金平糖洗いとも呼ばれていました。 途方もない大昔に、空から落ちてきた金平糖に惚れ込んだというその妖怪は、その金平糖を何とか自分たちで作れないだろうかと思案したそうな。しかし、そ