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あの日、大きな荷物が届いた。政府から毎月配給される例の電池。しっかり差出人を確認してから…
「みーつけた」 寝起きでぼんやりしていた時、懐かしい顔が急に目の前に現れた。目が冴えて…
彼女の手はとても、とても冷たかった。驚いて、手を引っ込める。振り払うようなしぐさになって…
靄が立ち込める空間で目が覚めた。座ってもたれていた壁はガラスだ。立ち上がり周囲をよく見る…
体を捻らせながら、壮大に浮上していくマッコウクジラとすれ違う。淡い光で浮かび上がるそのシ…
大きなドームの中心部分から、月光が差し込んでいる。 「今日は機嫌が良いみたいです。雲一つ…
足元に散らばった線香に、君の最期の姿を思い出す。 君は快晴の日に飛んでしまった。透明な重い翼を背負いながら。イカロスみたいに。 線香を一本一本、拾い上げる。 君はずっと憤っていた。神でなく、人が神も人も見捨ててるんだと。優しさが惨たらしく消費されていると。君の怒りは、無尽蔵の優しさに見えた。だから、君は群がられて、命ごと食い尽くされてしまったのだろう。 君と私はめったに会わないけれど、親友だった。少なくとも、私はそう思っている。 君といると、何でか、遠足に浮足立つ子
モニター一面のターコイズブルーに、深い息を吐く。厄介なエラー表示。そろそろ新しい機材が必…
皆さん、お知らせしておいた材料は持参されましたか?忘れた人は、今回は見学となります。材料…
さらさらとした砂のようなエサを水面にふりかける。カラフルな裾の長いドレスを揺らめかせなが…
ネオングリーンカラー一色の、翼を生やしたライオンのマーク。 遥か遠くの東の島に住む友達か…
大の字で横たわった君は、教授のように淡々と話し続ける。 森羅万象の最小単位は、「糸」らし…
けたたましい振鈴の音は、目を開けると聞き慣れた素っ気ないアラーム音に変わった。重い腕を伸…
無事の着陸は絶望的。機長のアナウンスはつまり、そういうことだった。様々な高さの声が重なって響き渡る。残すものも道連れにするものも無い私は、無言で窓の外を見る。 齧られたように中央部分が損傷した機体の翼。遠くに渡り鳥の群れ。美しい等辺三角形を維持しながら軽やかに飛び続ける鳥達が、私の頭を埋め尽くす。 あの軽い羽根も、無色透明の風も、正しく集合すれば鳥の身体を浮かし得る。まったく不思議で。揚力や推力なんて知識をねじ込まれた今も、やっぱり摩訶不思議なままで。 人間は一向に浮