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neko's note #2|銘柄選定/スクリーニングについて

 前回の記事で普段こんなプロセスで企業の分析をしていますというお話をしましたが、今回はそのプロセスの1番最初の銘柄選定とスクリーニングの部分について、普段考えていることを書いていきたいと思います。
 最初は1回当たり1,000字程度と想定していたこのシリーズですが、今回も2,000字オーバーでした。1,000字で何か書くって無理なのでは?と思い始めています。

前提

 まず前提として、記事を書く銘柄と、投資判断をする銘柄についてはスクリーニングプロセスが違います。
 記事を書く銘柄については、私がこの企業のビジネスを調べてみたいという興味が湧くか否かと、複雑すぎるビジネス又はコングロマリット化している会社ではないか、の2点でスクリーニングしています。
 後者の条件については、面倒な分析をやるほどの時間も気力も無いというだけの話です。例えば、直近で言うとJDは想像以上に面倒と気付き諦めました。

 一方で本日の本題は、投資対象銘柄の銘柄選定やファーストスクリーニングというところですのでその点について書いていきます。

 念のため事前に書いておくと、あくまで私はこうしているというだけであって、正解がある訳でもありませんので、ご自身としてシックリくるやり方を見つけるのが一番だと思います。銘柄選定は完全に趣味の世界だと思っています。

Step1:長期トレンド

 私は基本的にはグロース銘柄を選好しますが、銘柄選びの第一段階としては世の中の長期トレンドを重視しています。
 長期、とは私の中では3~5年単位の世の中のトレンドといった意味合いになります。現実問題として3~5年単一銘柄を持ち続ける事はあまり多くは無いと思うのですが、どちらかと言うとそれくらい明らかな世の中の流れに乗っていきたいという意味合いになります。

 例えば、直近私の中で注目している長期トレンドとしては以下のようなテーマがあります。(もちろん他にもありますが)

・クラウドサービス
・E-Commerce
・ヘルスケア
・クリーンテック
・新興国銘柄の経済成長
など…

 他にも色々あると思いますが、自分の中で腹落ちするところに絞る事が大切だと思っています。
 そこそこ自分がその領域に詳しく、理解して腹落ちできる長期トレンドでないと判断を間違えると思いますし、何かが起きた時に「シナリオが違った」と気付いて逃げ遅れるのリスクが高まるかな、と思うからです。

 この長期トレンドに乗っている/乗りそうな銘柄のロングリストを作るというのが第一ステップになります。ロングリスト作りの際はUS版Yahoo FinanceのWatch Listsを使っても良いかもしれません。

Step2:チェックポイント

 続いて、長期トレンドで絞り込んだ銘柄の中から、詳しく調べて投資判断を行う前にもう一段の絞り込みを行います。
 使える時間が多ければ、勉強の意味も兼ねて全て調べれば良いのかもしれませんが、普段の仕事もそこそこ忙しい為全ての調査は難しく、一定事前の絞り込みを更に行う必要があります。

 上記で作ったロングリストから、私がもう一段の絞り込みを行う際の観点としては、基本的に以下の4つの内容を重視しています。

①売上成長率が高いか?
②時価総額が一定の規模以上あるか?
③投資家の注目度がある会社か?
④調べて理解できる事業内容か?

 上記のうち、1つでもダメだから即ノックアウトという事ではないのですが、4つの観点でザクっと〇×を付けています。この4点を判断基準にしている理由もそれぞれ簡単に説明します。

①売上成長率が高いか?
 ここは、グロース株投資家であればそこそこ自明かなと思います。理由の説明は要らないと思いますが、私は基準としてはコンセンサス予想が25%以上を目安にしています。ちなみに売上がほぼ立ってない様な会社は投資対象からは外します。

②時価総額が一定の規模以上あるか?
 時価総額の小さな会社は株価のボラティリティが高くなりすぎる傾向にあり、個人的にはあまり好きではありません。最低でも時価総額が$5Bn位はある銘柄を選ぶことが多いです。

まぁFastlyとかは$12Bnあってもあのボラティリティなので最近はあまり関係無いのかもしれませんが…

③投資家の注目度がある会社か?
①と②の観点は定量的な観点ですが、③と④の観点は定性的な観点です。

 株価が上昇していくには沢山の投資家が株を買いたいと思っている必要がありますが、その前提としてある程度の知名度があり、更には注目がされている必要があります。
 このポイントについては具体的な判断基準がある訳では無いのですが、Twitterでの話題の多寡やネット上の分析/解説記事の多寡で総合的に判断しています。

④調べて理解できる事業内容か?
 ④も定性的なポイントです。また、①~③は1つが多少微妙でも、ノックアウトとしないこともあるのですが、④だけは×が付くと即ノックアウトです。自分で調べて中長期的なポテンシャルや成長性が理解できないと思われる銘柄については手を出すべきでは無いという思想です。

 ここで言う「理解できる」とは「対象企業を取り巻く事業環境や経営戦略を咀嚼し、自分なりにシナリオを描く事ができる」というレベルをイメージしています。具体的には、個人的にバイオ銘柄は全然分からないのでノールックだったりします。


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