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米国上場企業分析|Draftkings Inc.(DKNG)

 前回はSkillzについて書きましたが、今回はSkillzと同じ投資家がSPAC上場を仕掛けた会社、Draftkings(DKNG)について調べてみたいと思います。

 Draftkingsは米国でファンタジースポーツおよびスポーツベッティングオンラインカジノなどのサービスを提供している企業です。ファンタジースポーツとは実在するスポーツ選手を組み合わせて仮想のドリームチームを作りその選手の現実世界での成績をベースに他者と競い合うゲームのことを言います。

 DraftkingsはMLB(野球)、NFL(アメフト)、NBA(バスケ)、UFC(総合格闘技)などなど様々な競技団体と提携しており事業領域を広げています。

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 昨年のコロナ禍で米国の各州の税収も厳しくなり新たな収益源としてこうした賭け事が注目されていたり、コロナ後プロリーグが再開していくといった背景もあり、ポストコロナ銘柄という観点でも注目がなされています。

 現状、時価総額$22.2Bn、PSR21.8倍といった株価水準です。2021年はYoYで90%成長、2022年は40%成長が予想されておりまだまだ業績の伸び代も期待できる会社かなと思います。

 5/7(金)のプレマーケットで2021年Q1の決算発表がありますので、その前にどの様な会社なのか改めてまとめてみたいと思います。

本記事は無料でお読みいただけますが、価値を感じてくださったら投げ銭いただけますと幸いです。

1.会社概要

1-1.概要
 Draftkingsは2011年にJason Robins氏(現CEO)、Matt Kalish氏(現Draftkings North America社長)、Paul Liberman氏(現COO)によって設立されました。(CROはCheif Revenue Officerですね)

 設立翌年の2013年にはファンタジースポーツのアプリをリリースし、2014年頃からユーザー数の伸びも加速、2015年のシリーズDでは現在のFoxコーポレーションからの出資も受けました。同タイミングにMLBのCVCからも出資を受けている様です。(Major League Baseball Venturesというものが存在するのを今回初めて知りました)

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 上記の表には書いていませんが、2016年にはファンタジースポーツのド競合であるFanDuelとの合併交渉が進んでいた様ですが、両社合わせてシェアが90%になってしまう事もあり当局にブロックされたという経緯があったようです。

 2018年にはスポーツベッティングの規制緩和に伴いニュージャージー州でスポーツベッティング事業を初めて立ち上げ、事業運営する州を少しずつ増やしています。

 2020年4月に皆さんご存じの通りSPAC上場をする訳ですが、2020年9月にはなんとマイケルジョーダンがボードメンバーに入るなど、話題が続いている企業です。マイケルジョーダンを引っ張って来れるのはSPAC投資家のコネもあるのかと思いますが、パワーを持っている企業だなと思いました。

1-2.創業者メンバー
 さて、3人の創業メンバーについても簡単に見てみましょう。左からRobins氏、Liberman氏、Kalish氏です。

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Jason Robins氏(現CEO)
 Robins氏は2011年にDraftkingsを設立した当初はデジタルマーケティング系のスタートアップでマーケティングアナリスト働いていました。そのスタートアップでは共同創業者のLiberman氏とKalish氏も働いていた様です。
 DraftkingsのIRでは、同社の強みがデータドリブンのアプローチであると繰り返し説明がなされていますが、その背景には創業者3人がマーケティングバックグラウンドを持っている事もあるのかもしれません。

 Robins氏は元々ファンタジースポーツの熱狂的なプレイヤーだった様ですが、同僚だったKalish氏から「毎日賭けができるサービスを作ってはどうか」といった提案を受けたことが創業のきっかけだった様です。当時はファンタジースポーツと言えば1シーズンが終わるまで結果が分からないというものだった様です。

 スポーツ団体との提携や規制緩和のためのロビイングはRobins氏が一貫して主導してきた様で、Robinsの働きによってDraftkings は2013年にMLBと初めて提携したファンタジースポーツ企業となったようです。

Matt Kalish氏(現Draftkings North America社長)
 Kalish氏は創業以来Cheif Revenue Officerをずっと務めていました。2019年12月からDraftkings North Americaの社長を務めています。年齢はRobins氏の一つ下です。

 Draftkingsのファンタジースポーツのアイディアを提案したこともありゲームが好きなのか、マーケットのニーズを吸い上げながらそれをプロダクトに反映していく役割に従事している様です。

Paul Liberman氏(現COO)
 Liberman氏は電気工学やコンピューターサイエンスの学位を持つ所謂エンジニアバックグラウンドの方の様です。
 Draftkingsではキャリアの大半をCTOあるいはそれに類するポジションを務めていました。年齢としてはRobins氏の2つ下、Kalish氏の1つ下の様です。

1-3.SPAC投資家
 先日のSkillzの記事でも書きましたが、DraftkingsのSPAC上場を主導したチームはSkillzと同じHarry Sloan氏とJeff Sagansky氏のチームです。
 詳細は以下記事をご覧に頂ければと思いますが、エンタメ業界の重鎮2人が率いているとの事で、マイケルジョーダンを引っ張ったり、有名競技団体との提携はこの2人の尽力もあったのかなと思っています。

2.ビジネスモデル/サービス

 Draftkingsは大きく分けて、ファンタジースポーツ、スポーツベッティング、オンラインカジノの3つのサービスを運営しています。それぞれどの様なサービス/アプリなのか見てみましょう。

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2-1.ファンタジースポーツ(Daily Fantasy Sports:DFS)
 こちらは先ほども簡単に説明しましたが、ユーザーが実際のスポーツ選手を組み合わせてドリームチームを作り、実際のスポーツの成績などを元に競い合うゲームです。

 ユーザーは最大1万ドルまでをベットできる様なのですが、毎日の試合の後にユーザーが作ったドリームチームがランク付けされランクに応じた賞金が支払われるといった仕組みの様です。

 ユーザーの賭け金の8~15%がDraftkingsの収益になるといったモデルになっています。あくまでゲームのプラットフォーマーなのでDraftkingsは手数料を徴収するのみで、Draftkingsからは賞金を出したりといった事をする必要が無いことが特徴です。
 売上については季節性があり、特にNLFとNBAのシーズンが重複する4Qに売上が特に大きくなる傾向にあります。

 冒頭でも一部書きまししたが、Draftkingsは以下のスポーツリーグとの提携があり、特にメジャーリーグは2013年からの提携関係にあります。これらの強固な提携関係がDraftkingsの強みの一つとなっています。

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2-2.スポーツベッティング
 こちらは日本にも一部あるスポーツくじと考えてもらえれば齟齬無いかと思います。
 Draftkingsがオッズを決め、それぞれの試合に対してユーザーが賭け金を支払い、当たればDraftkingsからユーザーに賞金を支払うといったビジネスモデルです。

 Draftkingsとしては過去のデータを元に統計的にマージンを確保できる様なオッズを設定していく訳ですが、大穴に大きくベットして当たった人がいる場合にはDraftkingsが損をするリスクが生じ得る事がビジネスモデルとしての特徴です。

2-3.オンラインカジノ(iGaming)
 こちらはブラックジャックやルーレットなどの通常カジノで提供されている様なゲームをモバイルアプリで行うものです。
 Skillzはいわゆるスキルベース、つまり上達がそのまま勝率に反映される様なゲームでの賭け事が中心でしたが、Draftkingsのオンラインカジノは一般的なギャンブルゲームになります。

 普通のギャンブルのためスポーツベッティングと同様にDraftkings側が損をする可能性もあるビジネスモデルではありますが、ラスベガス等のリアルなカジノよりもオンラインの方が賭け金の単価が小さくなる傾向にあるため、収益のボラティリティが低く抑えられているのが特徴となります。

2-4.その他収益
 上記の3本柱の事業の他、スポーツベッティング/オンラインカジノのシステムを他の業者に提供をしたり(後述する2020年に買収したSBTechのビジネス)、無料/低課金ユーザーに対する広告などでも収益を上げています。

2-5.SBTechの買収
 Draftkingsは昨年SBTechというスポーツベッティングやオンラインカジノのプラットフォームを開発・提供する企業を買収しました。

 この買収によりDraftkingsはSBTechの開発力やノウハウを手に入れ、更にサービス開発を加速していくことになります。

 もう一つ注目すべき点としては、SBTechは30を越える国と地域でのスポーツベッティング/オンラインカジノに対して技術提供をしているという点もあるかと思っています。
 Draftkingsのビジネスは現状米国内のみの売上で、海外でも許認可は取得していますが、イギリス・オーストラリア・マルタのみです。

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 今後Draftkingsが海外進出を進めていく上で、SBTechの海外での経験や実績はプラスに働いてくるのかなと想像しています。Draftkingsの海外展開が加速することが重要だという事については後でまた触れます。

3.市場

3-1.市場環境
 ファンタジースポーツは米国内の43の州でサービス提供ができている様なのですが、スポーツベッティングについては規制がまだまだ残っている州も多い状況となっています。

 現時点でスポーツベッティング(リアル/オンライン問わず)が合法となっているのは米国の中では23の州のみとなっており、人口の41%相当です。
 その中でもオンラインでのスポーツベッティング(以下OSB)が合法となっているのは15の州のみで米国人口の27%に相当しています。

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 Draftkingsのスポーツベッティングは12州に対して提供ができており、人口カバーは25%程度となっています。アップサイドが見込めますね。

 オンラインカジノは更に少なく合法化されているのは6つの州で人口11%相当とのことで、こちらもアップサイドが見込めるのかなと思います。

3-2.ギャンブル業界の市場規模(世界)
 まずこうしたギャンブル業界の市場規模ですが、オンライン/オフラインを合わせて2019年時点では全世界で$456Bn(約50兆円弱)となっています。 
 そのうちスポーツベッティング(競馬含む)はシェアが16%ですので、約$72Bn(約8兆円弱)の市場が存在していることになります。

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 フルに合法化された場合に巨大な市場となりうる米国や中国が道半ばといった状態ですので、今後もまだまだギャンブル業界は大きくなる可能性を秘めているのかなと思います。

3-3.米国OSBのTAM
 
米国でフルにOSB(オンラインスポーツベッティング)が合法化された場合のTAMの試算について見てみましょう。
 Draftkingsでは、既に合法化がなされている英国・オーストラリア・ニュージャージー州の市場規模を人口またはGDPの数字に比例させる計算をすることで米国のOSB市場のTAMを計算しています。

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 その計算結果ですが、最低でも$22Bn(2.5兆円程度)の市場規模は見込めるのではないかという試算結果になっています。あまり大きく無いですね…肌感としてはスポーツが盛んな米国では、もっとマーケットは大きくなると思うのですが、他の市場をベースに計算するとこの程度という試算になるとの事です。

3-4.米国のオンラインカジノのTAM
 オンラインカジノのアップサイドはもう少し大きいと試算されており、ニュージャージー州の市場規模をベースに米国全土で合法化されたと仮定すると最低でも$40Bnの市場規模が期待できる様です。

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3-5.Draftkingsの目標
 
現状のマーケットシェアを維持したまま米国内の合法化率が上がっていくと仮定すると、カナダ市場も含め、Draftkingsは北米のみで$5.0~7.3Bnの売上を狙える可能性が存在すると分析しています。

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 2020年の売上は$615Mnですので、北米のみで10倍前後までは少なくとも売上が拡大すると見ているという事になります。北米のみの売上では当然今のPSR(NTM)の23倍の正当化は難しい気もするので、先ほども述べた通り今後ドンドン海外展開も加速していって欲しい所です。

3-6.競合
 Draftkingsのマーケットシェアはおよそ30%ほどな訳ですが、競合はどの様な会社がいるのかについても簡単に見てみましょう。
 Draftkingsが競合として認識しているのは以下の会社ですが、基本的にはFanduelがガチ当たりする競合になっています。以前

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 FanduelFlutter Entertainmentという会社の子会社になっており、上場の噂があったりなかったりを繰り返している様ですが、一時期はDraftkingsとの合併も検討されていました。最終的には両社合わせたときのシェアが大きすぎるとの事で当局からストップが掛かってしまいましたが、基本的に大きい競合はFanduelと考えていれば良さそうです。

 Fanduelに勝てるのか否か?という論点もあるにはあるのですが、今の市場が拡大していくフェーズにおいては競争があった方が結果として良いサービスが生まれ、良い市場になっていくと思いますので現時点であまり気にしすぎることではないかと思っています。

4.業績

4-1.売上
 2020年Q2以前はSBTechを買収していたと仮定した場合のPro-Formaの数字ですが、Draftkingsの売上の推移は以下の様になっています。2020年Q3から急激に売上が伸びている事が分かりますね。

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4-2.売上の内訳
 
上記の売上はDraftkings本体とSBTechの売上の合計ですが、公開されているKPIから試算をすると以下の様な内訳になります。

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 SBTechの売上は$25~30Mnくらいで概ね一定額を保っていますが、Draftkingsの売上は直近で大きく伸びている事が分かりますね。特にQ4は2019年から2020年で+122%成長を遂げています。

 2021年Q1でも前回決算と同様の98%ほどの成長を達成しようとすると、Draftkings本体の売上のみで$200Mnほどは必要な計算となりますので、160%成長近い成長率を叩き出さないといけないことになります。

4-3.MUP(Monthly Unique Player)
 
Draftkingsが公表しているKPIは2つ、MUP(Monthly Unique Player)とARP MUP(Average Revenue per MUP)です。それぞれどの様な推移になっているのかを見てみましょう。

 まずはMUPですが、2020年Q2にコロナ影響でファンタジースポーツのベースとなる各種プロリーグが中止・延期となり、大幅にMUPが減ってしまいました。

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  その後、2020年Q3になると一部プロリーグの再開や、イリノイ州でのスポーツベッティング事業の開始、ウェストバージニア州でのオンラインカジノ事業の開始なども相まって一気にユーザーが戻ってくることになります。
 Q4は毎年NFLとNBAのシーズンという事もあり、ユーザーが多くなる傾向があるためユーザーが増加しているということの様です。

 また2020年Q3/Q4でユーザーが増えている要因の一つとしてはQ3以降はマーケティング活動の規模を大幅に拡大していることも挙げられます。
 2020年Q2までは四半期単位ではSales & Marketingコストは高々$50~60Mnほどだったのですが、Q3とQ4ではそれぞれ$200Mn前後とこれまでの4倍近い規模のマーケティングを行っていることが分かります。

4-4.ARP MUP(Average Revenue per MUP)
 ARP MUPについても見てみましょう。要は客単価な訳ですが、2020年Q1まではほぼ一定の水準で推移していました。
 2020年Q2のユーザーがガクッと減ったタイミングでは一時的にARP MUPが増加しています。これの意味するところは、コアなユーザーだけが残り続けていたという事ですかね。

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 Q3に入るとMUPが再度増加し始める訳ですが、初心者も急に増えたからなのか一時的にARP MUPが下がっています。
 Q4のARP MUPの増加はカンファレンスコールの説明では、スポーツベッティングとオンラインカジノへのクロスセルによるものであると説明がなされています。

 実際どの程度クロスセルが成功しているかについてのデータを開示してくれています。州によってかなりバラつきはありますが、ファンタジースポーツのユーザーの実に50~70%程度の人がスポーツベッティングやオンラインカジノにもお金を落としているという事の様です。

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 ちなみに、ざっくりとした試算ですが、2021年Q1でコンセンサス予想の売上$230Mnを達成する為には、MUPが同じ水準だとすると、ARP MUPは45ドルあれば良いといった事になります。
 MUPがQ3とQ4の中間くらいの125万人ほどだとすると、ARP MUPは54ドルほどでコンセンサス予想を達成できるような試算となります。(SBTechの売上が$30Mnの前提ですが)

 NBAはまだまだQ1の期間も続いていましたので、NBA関連でとの程度売上を積めているのかがポイントなのかなと思いました。

4-5.営業損益
 気になるポイントとしては、赤字幅が直近大きく拡大していることになります。売上がここまで拡大しているのに…という印象ですね。 

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4-6.コスト推移
 赤字が拡大している理由を確かめるため、コストの内訳についても見てみましょう。

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 売上原価の内訳は以下の様になっていて、税金と支払システム関連の費用で売上の33%ほどは持っていかれてしまうイメージですね。
 システム関連費用は既にかなり低い割合まで下がっていて、これからグロスマージンが大きく改善する様なことは無いのかなと思います。

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 一方で、一番気になるのはやはりマーケティングに掛かる費用の増加ですね。カンファレンスコールでは、マーケティング費用も含めた貢献利益は2~3年のうちに黒転すると説明がなされているのですが、裏を返すとそれまではお金使い続けるぞという意思表示ですね。
 この業界は現在規制緩和の真っただ中で、規制が緩和されていく中でいかに顧客の認知を素早く獲得しシェアを広げられるかといった戦いをしているのかと思いますので、仕方のないことかなとは思います。

 Draftkingsの手元現預金が昨年末で$2Bnほどあり、今後の年間の赤字額は$600Mnほどと予想されていますので、3年くらいは現金が持つ計算にはなりますが、マーケティングにお金をガンガン使うのであれば今後も公募増資などが何度か行われる可能性も頭の片隅に置いておく必要があるのかなと思いました。

 創業者3人全員がマーケティングアナリスト出身ですので、効果的なマーケティングを継続して行っていくことについては大きな懸念は無いのかなと思っていますが、マーケティングのアクセルを踏んでも中々結果が出ないという事はリスクとして見ておく必要があるかなと思っています。

5.バリュエーション

 さて最後に現状の株価がどの様な水準になっているのか、簡単に見てみましょう。

5-1.株価推移
 
Draftkingsの株価の推移はこの様な状況です。2月から3月に掛けてポストコロナ銘柄として(?)買われていた様子もあったのですが、米国でコロナ感染者が増えているという報道もあってなのか、3月後半のグロース株の大幅調整から回復できていない状況です。

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 50日移動平均線をしっかりと割り込んでしまっているのがちょっと心配ですね。ショートの量も3月後半とくらべると減ってきている印象なので、今後米国の経済正常化と共に再度上がっていって欲しいなと思っています。

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5-2.過去の決算
 続いて現在のマルチプルを確認する前に先ずは過去の決算について見てみましょう。売上はここ最近はクリアしているものの、EPSはミスが続いていますね。(EPSはGAAPベースです)

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5-3.アナリストコンセンサス
 今後の業績のアナリスト予想がどの様になされているのかについても見てみましょう。5/7には2021年Q1の決算発表がありますが、売上は$232Mn、EPS GAAPは $-0.45が平均値となっています。

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 アナリストの間でもかなり意見が分かれている様で、特に売上については最小値が$197Mn、最大値が312Mnと1.5倍以上の開きがあります。
 売上についてはアナリストコンセンサスを越えてくる可能性はそれなりにある気がしますが、EPSは多分ダメだと思います。EPS $-0.45となると純損失がおよそ$190Mnくらいの額となるのですが、下手すると純損失は$300Mn越える可能性もあると思うので、多分結構派手にEPSはミスするのかなと思います。

5-4.PSR(NTM)
 上記のアナリストコンセンサスでは2021年の売上予想は$1.04Bnとなっていますが、現在のPSR(NTM)はおよそ21.8倍となっています。

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 今後も数年に渡り例えば50%成長などを継続できるのであればあまり高いとは思わない水準感なのですが、スポーツベッティング/オンラインカジノの規制緩和が思ったより進まないリスクや、Draftkingsの海外進出が全く進展しないリスクなどはそれなりの確率であると思いますし、これらが達成されないと今の時価総額は正当化できないと思うので注意が必要かなと思っています。

 




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